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「ギフトカードの番号を教えろ」はサギ(前編)身近な人たちを巻き込んで防ぐ

コンピュータウィルス感染からの「ギフトカードの番号を教えろ」という手口

 まずは神戸新聞NEXTの以下の記事をご覧ください。

 被害者のパソコンに「ウィルスに感染した」という表示が出て動かなくなった。表示された電話番号に連絡すると、片言の日本語を話す自称「マイクロソフトの社員」の男から、「修理するにはセキュリティソフトの購入が必要」と伝えられた。支払いはアップルギフトカードを購入してその番号を画面のフォームに入力するように指示され、被害者はその指示に従って計103万円分を詐取された。

神戸新聞NEXTの記事より事件の概要を要約

急に追い詰められると初動を誤る

 この手の事件は毎回、第三者の目から見れば不審な点がたくさんあり、なぜだまされたのか不思議に感じられます。

 ですがそれは安全な場所から見ている者の言い分です。当事者はいざ追い詰められると正常な判断などできなくなり、その場を逃れるつもりで行動したはずが、よけいに事態を悪くしてしまうものなのかもしれません。企業や政治家が起こした不祥事の報道を見ていると毎回そう思います。

犯人の言いなりになっても絶対解決しない

 コンピュータウィルス感染にしろ特殊詐欺の電話にしろ、重大な問題が起こった時に近づいてくる見知らぬ人間の言うことは聞くべきではありません。それよりも冷静な家族や友人・知人か、内容によっては最初から警察に相談した方が良いと思います。

 自力で解決しようとして相手の言うことを聞いてしまったという事例も多いと思いますが、相手は犯罪者なので言うことを聞いてもより悪い方向にしか進まず、状況が悪化した後で身近な人たちにも結局知られることになります。

中途半端に冷静なのが最も危険かもしれない

 第三者から見ればだまされて冷静さを失っている被害者の様子は不自然に見えることから、振り込みに向かった銀行の銀行員や、ギフトカードを買いに走ったコンビニの店員が不審に思い、警察に通報したことで被害を防げたというニュースも時々見かけます。

 冷静になって犯人の言いなりにならない人は被害を抑えられ、明らかに様子がおかしく見えるほど動揺している人も他人が気づくので被害を抑えられるのであれば、中途半端に冷静で犯人の指示通りに行動できる人が被害に遭ってしまうのかも知れません。

 詐欺被害に遭ってしまうくらいなら、周りに迷惑をかけたくないとためらうよりも、身近な人たちを巻き込んで防いだ方が良いと思います。少なくとも、言うことをきくべき相手はその時に近づいてきた見知らぬ人物(犯人)ではありません。