インタビューは相手の中に化学反応を起こせるかどうか。

先日、ある人がインタビューされる様をなんとなくスマホで流し聞きしていた。

とても楽しそうに受け応えているのが印象的で、
「この人無口な印象だったけど、こんなに話す人なんだ!?」と意外に思った。

そしてその数分後、同じ人が、今度は別の人にインタビューされている様子が流れてきた。

するといちいち沈黙が長かったり「いや、そんな事もないです」とかの、いわゆる「塩対応」。

「そうそう、この人こういうイメージ!」って感じの。

で、ふと、思った。

答えてる人は同じ人なんだから、
何が違うんだろうな?と。

もちろんインタビューしてる人が違う、シチュエーションやタイミングも違うし、トピックも違う。
だけど決定的に違うと思ったのは、
インタビュアーの聞き方、だった。

前者は一つ質問する毎にうまいテンポの良い相槌を入れながら流れるようなインタビューだった。短い会話のやりとりをする中でリズム感を作って「どんな質問なら心を開いてくれそうか?」グルーヴを感じながらシンクロして行くような流れ、相手の懐にスッと入り込むような、まるで相手を気持ち良く躍らせるような質問の仕方で、

後者の方は「こう答えて欲しい」「こうでしょ?」って言う感じ、流れをリードしようとしているのを感じた。

多分インタビューされている人の性格上、なんとなくリードされる事はあまり好きじゃないんじゃないかな、、っていうのは少し話せばわかりそうなもので
自分のテンポで話したい人なのにその流れを感じていないと言うか、逆に「コイツは喋らないやつだから、こっちがリードしないと」っていう感じが伝わって来ちゃう。

あなたが、相手を黙らせてるんですよ!っていう、、

インタビュアーはアーティストであってはいけないと思う。
ストーリーを作るのはインタビューされる方の人だから。

だから、話したい気持ちにさせるリズム感やテンポ感をキャッチボールできる「セッションプレーヤー」のような人が向いているんだと思う。

セッションプレーヤーは、好き勝手やる事より、その名の通り「セッション」する相手の出方を見ながら、お互いの良さを最大限に引き出していくような化学変化を起こせるプレーヤーの事だ。とても特殊な技術だし、タイミングを逃さない瞬発力もいる。
ただし刹那的。

後者はきっと気付いていないと思うんだよな、
何故彼が自分の話に対して「いや、、、」と言う事が多いのか。

もしかしたら、少しあまのじゃくで本当はそうかも知れないのに、決めつけられるのが嫌なだけかも知れない。
そしたら、聞き方を変えればいいのに、
変な所に気を回して「シチュエーション」から整えようとしたりする。
例えば、トピックにちなんで海が見える場所を選ぶとか。

そうじゃないんだきっと。

多分相手に興味を持って「聴こう」とする。
喋らせるんじゃなくて、聴く。
それだけでいいんじゃないだろうか?

話を聴くプロは、きっと沢山の技を持っているのだろうけど、そんな技なんてなくても、
ただ興味を持って、「自分の」聴きたい、と思うことを聴く。

相手の気持ちに化学変化を起こさせるくらい、相手への興味を感じさせられたら、なんて思った。
インタビューだけじゃなく、
何気ない会話だってきっとそうだよね。

あなたの事を知りたいと言われて、嬉しくない人いないはず。


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