アザがあざやか

私はアザが絶えない。
いつのまにか出来ていつのまにか治ったと思ったらまた別のところにいつのまにかできている。
今日は右手の薬指の付け根にできていた。
アザができるとしばらくじーっと見つめてしまう。
肌の色と、アザの赤紫色のコントラストに美しささえ感じてしまう。(もはや変態の域)
そういえば、うちの娘もハイハイから歩き始めの時は絶えずどちらかのほっぺた、もしくは両ほっぺに必ずと言っていいほどアザがあった。
下手したらほっぺた黒い赤ちゃんみたいに思われてたかも。
ハイハイといってもすぐに立ち上がり歩くことに執着するタイプの困ったちゃんで、歩くのがこれまた下手すぎるのと、ぷっくりと太っていたのでころびやすく、ぶつかりやすく、受け身が取れないため、ほっぺたから落ちる。そして号泣。
ちょっと目を離すとベッドの部屋に行き、頭から流血して、焦った私は救急車を呼んでしまったこともあった。
結局絆創膏を貼れば大丈夫だったみたいで大事には至らなかったが、救急車を無駄に走らせてしまったのとご近所を騒がせてしまったことは、未だに思い出すと顔から火が出そうになる。(ちなみに来てもらった救急車には謝罪と共に帰っていただいた。救急隊の方々もめちゃめちゃ優しかった。優しさが染みて泣きそうになった。)
そんな痛い思いをしたにもかかわらず、娘は果敢に歩くことに執着し、アザを作りつづけていた。
そんな娘もいまでは4年生になり、あのころのずんぐりむっくりな体型は跡形もないくらいすっきりとしているのだが、唯一ほっぺたはいまだにぷっくりしていて、アザはないけれど、なんだか、やはり、とてつもなく愛おしい。
自分のアザを見ながら、そんな昔の思い出に浸ってみた。
やっぱり美しい。

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