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相手の間合いで投げない、自分の間合いを作るー駆け引きーを操る、宮西尚生。わたしたちの宝物は、勝ちを逃さなかった。

ファイターズ2020  9/14  74試合目 楽天生命パーク宮城 E×F 1対2

トップの写真は、リンクしたファイターズHP スコアボードから拝借しました。

どうしてもお払い出来ないらしい、ファイターズに取り憑き居残る残塁神(貧乏神の親戚みたいなもんなのか)今日も今日とて満塁のチャンスはピンチのまま、あともう一押しが出ない。

それでも0対2で迎えた9回裏。わたしは、もう疲れ果てていた。もうサヨナラは嫌だ。サヨナラにサヨナラしたい。もういやだよおおおお😢 

まだ何も起きていないのに恐怖に怯える。マウンド上は、宮西尚生。大丈夫、宮西くんなら大丈夫。そう言い聞かせながら。いきなり田中和貴にホームランを打たれる…ガーン。いや大丈夫、ソロだから。1点あるから。なんでもええんや(クローザーは最後に抑えて)勝てばええんや。武田久の薫陶を受けて育った宮西尚生なんですもん。

1アウトを取って、4番浅村。ホームランだけは打たれてはいけない場面。追い込むもののヒットを打たれる。ヒットならええんやで。次打者は、島内に代えて右の岩見雅紀。不調とはいえ難しいバッターの島内くんを代えてくれたのは、ラッキーと思った。経験の少ない打者には、いきなり打てる投手じゃないんですもの。

その通り、ほとんど間合いを取れないまま、三振。2アウト。しかし次に出てくるのは、サヨナラの人茂木栄五郎やんけ!😭 もうヤダよ〜〜おうおう。吐きそう。わたしが。

玉井大翔の仇を宮西尚生が取る! じゃないですけど。ここからの宮西尚生は、圧巻だった。間合いを絶対に打者に渡さない。自分の間合いを作る。多くの投手が、ピンチでだらだら投げずらくて投球間隔が長くなるのとは、まったく違う作法。

例えるならば、時代劇の名剣士。立ち合いの間隙ですよね。どこで切り込んでいくか。相手の呼吸を読んで、外して、また踏み込んでいくような。

茂木栄五郎も、そこに負けじと飲み込まれない。踏みとどまる。3ボール2ストライクまでやってきた。球審は、なかなかギリギリのコースを取ってくれない。

最後のボールは、一つ前にボールとされたコースに、本当にボール一個分だけ中に入った。見逃し三振…。茂木栄五郎も空振りすらできなかった。試合終了。

……なんかなあ。凄いものを見たなあ。宮西尚生35歳。プロ生活13年目。蓄積された技術と勝負根性で、握り締めた勝利。「これがプロ野球だ」とジーンと心に染みてくる。水島新司先生がマンガにすれば、この9回裏だけで40Pの読み切り に出来ることだろう。『あぶさん』が続いてたらなあ。ホークスの試合じゃないけど…。

ファイターズのピッチャーも野手も、この宮西尚生の技術と姿から学んでほしい。勝負に勝つ、相手に勝さるために必要なことが、きっとすべて詰まってるから。

160Kを出すわけじゃない。いやいや最速でも140Kあるかないか。球種は、ストレートとスライダー(たまにシンカー)二択のピッチングで、プロ野球の荒波を生き抜く。勝負のあや、駆け引きをー自分の頭で考えてー相手とのやり取りを、結果に導く。

ぼーっと野球やってんじゃねえぞ! ってな。

わたしたちの宮西尚生。ファイターズにいてくれて、本当にありがとう。


ファイターズ   34勝37敗3分 









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