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全ての人を助ける。杉谷拳士、さよならヒット。いつもチームを助ける本物の野球選手。杉谷拳士をあなたは知っていますか?(2019年)

昨夜のサヨナラゲーム。シーソーゲームの中でいろんなことがあった。7回表、開幕から無失点を続けてきた宮西が初失点。渡邊諒の逆転3ラン。なのに8回浦野が同点弾をくらい。大田泰示は二度目の同点弾。9回裏はサヨナラのチャンスに谷地がバント大失敗・・各人の成功と失敗が入り乱れ、たどり着いた12回裏。杉谷拳士が放つ。全ての人を助ける一打を。

以下、上記のリンク先、スポルティーバの記事から。ちょっと長いですが、引用抜粋。
>ファイターズは予算内で効果的な編成をするために、2004年にBOS(ベースボール・オペレーション・システム)を導入し、選手の数値化を図った。チームの選手、他球団の選手、アマチュアの選手を複雑な独自の公式で数値化し、順位づけの指標としてきたのだ。ドラフトの候補に挙がったアマチュアの選手がすぐにファームの試合に出られるかどうかをチェックし、そのレベルに達したと判断すれば指名する。杉谷は2008年のドラフト6位で指名されてファイターズに入団したのだが、じつは彼の指名はテストケースだったと、大渕隆スカウト部長が明かす。

「現場レベルでは、彼は体力、技術面でプロのレベルには到達していない、という判断でした。しかも、これからの伸びしろも見出せなかった。でも、杉谷は性格面が図抜けていたんです。元気があって、やる気があって、必死で、やたらと声がでかい(笑)。精神面はプロなんです。こういう選手がどこまで通用するのかという点で、彼は、僕たちにまた新たな見方、違った視点を必要とされるのかどうかの試金石になっていました」<

大渕さんもいくらなんでもひどい言い草ですが😅この一言が効いています。

「精神面はプロなんです」

高卒ルーキーで精神面がプロなんて滅多にあることではない。でも杉谷拳士は確かにそうだった。技術的に「伸びしろも見出せなかった」と判断されながら二年後にはイースタンリーグで最多安打の記録を樹立する。

翌年から一軍に姿を現し始めた杉谷拳士は、まずはその奇矯なまでの大声で頭角を表す。(確か仙台だと思います。遠い遠いライトスタンドにいたわたしたちの耳に「きゃーーーーー!!きゃーーーー!」変な音が聞こえるなあ…なんの音??と首を傾げていたら拳士の声だった😅)どこにいても居るとわかる。プロ野球選手は目立ってなんぼ。大事なことです。

でもしばらくすると若干トーンダウンしていく。ベンチで二岡さんに「うるさいよ」とヤンワリ言われて所構わず叫ぶのはやめたらしい。TPOも必要と社会人としての常識も学んでいった杉谷拳士だった。

2012年、栗山英樹監督就任。「ちびっ子ギャング」と名付けられた、西川遥輝、中島卓也とともに若手トリオとして抜擢、活躍し始める。初めから「精神面はプロ」なので成績がついてくると、あっという間に人気者になっていった。やがて先輩森本稀哲の後を継ぎ、全国ネットの人気番組「とんねるずのリアル野球盤」で帝京高校組に入り、体を張ったギャグも連発!ファイターズで最も名前と顔の知られている選手にもなる。

しかし、伸びていく知名度に対して杉谷拳士の年棒は伸びない。プロ11年目推定2000万円台は、たくさんもらっているとは言えない(「ちびっ子ギャング」の仲間たちは1億、2億越えしている)度重なる怪我もあり、成績も伸び悩んできた。

それでも杉谷拳士は、常にファイターズの一軍ベンチにいる。本人は「セカンドのレギュラーを取る!」と万年言い続けているが、首脳陣は、あくまでもスーパーサブ、何かあったときのための要員として重視しているように見える。
 
 ベンチ要員、スーパーサブとか言われても、所詮はスタメンの選手より劣っている選手なのだと、多くのファンは誤解しているかもしれない。でも、違うんじゃないだろうか?
その役割は、いつ何時何があるかわからない前提で「スターティングメンバーの代わり出場する」ことなのだ。代わりに出てくるのが、前より劣っていては成り立たない。

そこに当てはまる選手とは、経験豊富で技術力があり、視野も広く、周りを見る力がある。臨機応変に何にでも対応できうる選手でなければならないはずだ。さあここ数年のファイターズを見渡してご覧なさい。そんな選手は、誰ですか? 

そう杉谷拳士以外、いないはずだ。

内外野どこでも守れる。打席は左右対応のスイッチヒッター。打撃はそれこそ臨機応変でバントからヒット&ランあらゆる作戦に対応できる。小力があり時々ホームランも打てる。今夜も緊迫した場面で二盗を決めたように走力もあり、何より勇気がある。

その上、初めから「精神面はプロ」で、常に元気いっぱい(に見えるように振る舞うことは簡単なことじゃないって、みんな自分を振り返ればわかりますよね)前向きに野球に取り組み、ファンサービスにも余念なく、一切の手を抜かない。その上さらに、中田翔を筆頭に先輩方と上手に付き合い、中堅、若手の橋かけとなり、チームをまとめる裏キャプテン。

それが、わたしたちの杉谷拳士という選手なのだ。

決して短くない時間、わたしたちのファイターズのために、影になり日向になり、みんなを笑わせ、喜ばせ、シカトのいじりにも耐え(わたしは、これはやめてほしいとずっと思ってます。いじめっ子の理屈に成り立っているでしょ。「愛されてるんだよ!?」っていじめられっ子が泣き寝入りさせられる理屈になりえるから)

どんな逆境にあっても、歯を食いしばり、必死で戦い続け、プロ野球の荒波を越えてきた。はじめから「精神面はプロ」とみなされた、声がデカイだけの小僧っ子は。

こうして正真正銘の、一流プロ野球選手になったのです。


(お願い🙏 大渕さん!吉村さん!拳士のお給料もっと上げてあげて🙏)
















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