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38歳で卵巣がんになったお話(1)

お久しぶりです。
この数ヶ月にいろいろありまして、卵巣がんになってました。
7月に開腹手術をして16日間の入院、8月に抗がん剤で6日間の入院をして、現在抗がん剤2クール目を控えているところです。

ステージとしては1c期、リンパや他の臓器に転移は見られない、再発予防のための抗がん剤治療中。
早期発見でよかったね!とみんなに言われるのと、どうやってがんがわかったの?と聞かれることが多いので、ここで記録に残して誰かの参考になったらいいな〜と思います。

異変は数年前からはじまっていた?

2019年に第1子を出産する前、2016〜2017年に私は不妊治療をしていました。
その頃からお医者さんに「右の卵巣が腫れているね」と言われていたのですが、特にそれで検査をするということもなく、経過観察のようでした。

2019年の12月に子宮頸がん検診を地元のクリニックで受け、その際にも「右の卵巣が腫れているので、3ヶ月後くらいにまた来てくださいね」と言われました。
ですが育休を終え2020年4月から仕事に復帰した私は、仕事と家事と育児で忙しくコロナ渦ということもあり、クリニックに行くのを忘れていました。

2021年2月、健康診断での子宮頸がん検診の際に、「右の卵巣が腫れているね〜、3ヶ月後にかかりつけの病院で診てもらいなさいね。」と言われました。
また言われたなぁ〜と思いつつ診察室を出ると、年配の看護師さんが走ってやってきて、「卵巣はサイレントキラーと呼ばれていてね、自覚症状がないものなの。症状が出てからじゃ手遅れなのよ。こわいから絶対に病院に行ってね。」と。
そんなこと全然知らなかったな…きちんと診てもらおう。と、3ヶ月後に地元のクリニックの予約を入れました。

初めてのMRI

2021年5月、卵巣が腫れているらしいので診てください、と地元のクリニックに行きました。
2019年12月の記録を見たお医者さんに、「確かに腫れているけど大きさは4cmくらいであまり変わっていませんね。気になるようなら精密検査しましょうか?」と言われたので、せっかくだしやっとくか。と検査をお願いしました。

紹介状を書いてもらい、2日後に画像検査センターでMRI検査。
MRIがどんなものか何も知らずに行ったので、造影剤を点滴しながら検査することや、ヘッドホンをすることや、せまい筒の中に入ることや、テクノみたいなビート音が大音量ですることにドキドキしっぱなしでした。

検査結果

2週間後、クリニックで検査結果を聞きました。
MRI画像と結果が書かれた書類を見せられ、そこには「卵巣内に充実性結節が認められ、明細胞腺癌の可能性」というようなことが書いてありました。

お医者さんは「卵巣は手術して取って検査しないとわからない臓器だから、がんの可能性が1%でもあるとこう書かれます。90%くらいは良性の腫瘍です。」と言うので、そんなもんなのか〜。腫瘍マーカーの数値は陰性だし、可能性は低いんじゃない?と楽観的な私。
だけど腫瘍の専門医にきちんと診てもらったほうがいいというので、大学病院に紹介状を書いてもらい、2週間後に行くことになりました。

初めての大学病院

2021年6月中旬、大学病院の婦人科へ。病院は家から車で5分程度なので助かります。
1時間ほど待って診察室に入って内診の後、問診。
お医者さんは開口一番「手術ですね。早急に。7月かな。」

私「え、お腹切るんですか?」
医者「開腹ですね。9日間くらいかな」
私「がんの可能性が高いんですか?」
医者「そうですね。取ってみないとわからないですけど」

あまりしゃべらないタイプの男性のお医者さんで、いろいろ聞いてみたけど、とりあえず今の段階では「卵巣は、取ってみないとわからない」ってこと。

そして私の頭の中は「娘、どうしよう」でいっぱい。
超ママっ子の2歳の娘、私が入院したらどうなっちゃうの?
保育園の送り迎えも食事もお風呂も寝かしつけも私が2年間やってきたけど、6時半に家を出て22時に帰宅する夫には無理だ、どうしよう。

それを考えてたら泣けてきて、でも泣いたら恥ずかしいから我慢して、鼻水すすりながら診察室を出ました。
会計待ちの間ずっとグズグズして、車に乗ってから大泣きしながら帰りました。

精密検査と2度目の診察

その後1週間の間に、MRI検査、CT検査、心電図、心臓エコー、下肢エコー(卵巣がんの場合、足に血栓ができる場合があるらしい)といろいろな検査を受けました。

大学病院は、検査や診察の日程をこちらの予定おかまいなしにいきなり言われます。
CT検査の日が娘の保育参観とかぶり、受付の人に日程変えてくださいと言ってみましたが「無理です」とピシャリ。
去年はコロナ対策で中止になった保育参観、今年は行くのをとってもとっても楽しみにしていたのに…。
急遽、夫に有給取ってもらって行ってもらいました。
みんな保護者が参加していたようなので、2歳とはいえ、"うちだけ親が来ない事態"を避けられて本当によかった。

2度目のMRI検査では、造影剤が体内に入った時にくしゃみが出そうになるのを堪えました。
そういえば、初めてのMRIの時もこれあったわ。と思い出しました。
終わった後で看護師さんに聞いたら、造影剤のアレルギーと。
回数を重ねるごとにひどくなるかもしれないので、その時は言ってくださいね。とのことでした。

2度目の診察の日。
診察室に入ると、なんだかたくさんのスタッフ。
そして産婦人科でいちばん偉い教授が診察。
「今日は一人で来たんですか?旦那さんは来ていないんですか?」と言われ、急にドキドキ。
教授はとても穏やかで優しく丁寧な説明で、私の卵巣のことと手術のことを説明してくれました。

入院は5日後、手術はその次の日。
これまた急に言われます。
教授によると、卵巣が破裂してがん細胞が外に出ることがこわいので、早急に手術をするとのことでした。

というわけで、7月初めに入院と手術をすることになったのでした。
ちなみに、その時に備えて大学病院に初めて診察に行った日の週末から、娘のお風呂は夫にまかせていました。
ギャン泣きの娘がパパに慣れて泣かなくなるまで、1週間かかりました。

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