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あなたにとっての「着物の魅力」って?

着物歴45年。生業としている”着物”だけど、その魅力ってなんだろう?と時々考えてみる。もちろん(^-^;答えに正解はなく、私自身にとってもその時々で感じ方は違う。

大義名分(?)的ではあるけど、ホームページTOPにも掲げているテーマ

<スローライフの心地よさを味わう>
現代にそぐわない第一の理由はコレなんじゃないかな?
とにかく時間がかかるイメージ。半衿付けたり、使う小物もあれやこれや揃えなきゃだし、なんたって着るのに時間がかかる。
巷では、”5分で着る着付け”だとか、早く着るコツ動画などよく見かけるけど、、、時間がかかったにせよ、それはそれでよくない?ゆったりと支度を整えて出かける それも着物の楽しみの一つじゃないのかな。そんなに急ぐなら洋服でいいじゃない と思ってしまう。
競技じゃないんだし、手間をかけるその時間さえ楽しいと思えるから着物っておもしろいんだと私は感じている。
忙しい現代に時間に追われることなく、ゆっくりと着ることを楽しむ時間を持つ。自分の気持ちに余裕が生まれるステキな時間だと思う。

<もっと美しくなれる自分に出逢う>
これまで、数えたことないから言えないけど(笑)着付け師人生15年間でたくさんの着付けをさせていただいた。
何よりの歓びは、仕上がった時のお客様の笑顔。「こんな私、見たことない!」と歓喜。
どうやら着物には、洋服では引き出せない魅力を引き出してしまう力があるようだ。
常々、着物ほど女っぷりをアゲてくれるものはない!というのが持論です♡

<日本の美意識を体感する>
直線断ちでカタチは全て同じ。柄の違いや帯などの小物との組み合わせ、果ては着方で自分らしさを表現する。
染めや織りの技術は風土に育まれたもの。地方によって特徴がある。そんな職人さんの技術には、ひとかたならぬこだわりがあふれていて感動さえ覚える。現代となっては芸術品のような扱いになってしまっているのが、良いのか悪いのか という感は拭えないが。。。
着物の柄付けの美しさ、裏に凝ったり、見えないところやチラリとのぞかせるなど、”クーーーーーぅッ"と唸りたくなる小粋な演出はたまりません。
これぞ日本の美意識?と思わせる。
さらにいえば、日本髪など歴史上のヘアスタイルからみる(どちらが先かわからないが)着物とのバランスをマッチさせるトータルスタイリング!
21世紀の今、結い上げるばかりが着物に似合うヘアスタイルではないが、高価な着物を身に纏い首から上は置き去り の着姿をみるにつけ「あーぁ(=_=)」
【”美道五原則”ー髪・顔・装い・精神美・健康美】
何事も”美しい”って大事ねぇ。

<変わりゆく文化をつくる>
歴史を振り返れば、時代によって着物の形や着方はさまざま。戦国時代では、女性もツイタケに細帯を下目に締める、といった着方だったり。もっといえば、肌着として一番下に着ていたものが変化して今の着物のかたち。浴衣だって蒸し風呂に入るときに着ていたものだったり。
色々に変化し続けている”衣ーころも”なのだ。
だったら!
2022年の今は、令和の着方、21世紀の着物のかたちがあっていい‼ 
ん?着物警察?なんの権限もないそのお方に注意される必要はなし!
どんどん変わっていけばいい。自分に合った楽しみ方をみつければいい。
ファッションなんだから!

そう思う反面、、フォーマルシーンでは現代のルールを守ってほしい。これは洋服だって同じ。せめて最低限のルールは知っておいてほしい。
私の愛してやまない十八世中村勘三郎さんの座右の銘でもある
「型があっての型破り。型が無くては”型無し”」
着物の着崩しだって、型を知って崩すことと、型を知らずにダラしなく見えてしまうこととは大きく違うと思う。
なので私は、着方だけでなくルールを知ってもらうことにも力を注いでいる。
着物警察に反論できるJapanese Girlが増えてほしいから!
知った上で、思いっきり自由に遊んでほしいから!

<人生を組み立てる力を身に纏う>
このテーマ、ずいぶん大きく出ましたねぇ 着物の枠を越えてません?と思われる方が多いでしょうが、着物を通じて到達点はココ!なんです。
今、動画配信サイトなどでも着物に関わること、着付けの情報などいっぱいいっぱいあるのです。生徒さんの多くは、そういうものをみて知識を得ようとするんだけど、あまりの数に混乱してしまうの。
人によって言っていることは色々。そりゃそう、自分が良いと思ったことを発信しているから。真逆のことを言ってる人がいても全く不思議じゃない。
化粧品だって、その人に合うからといって必ずしも自分に合うとは限らない。のと似ている(?)
惑わされる方の多くは、ひとつ自分の信じる道を持っていないのが原因では?と私はみている。
着物軸を養うような教え方をされてこなかった。ワンコインやら無料やら、教えることより他のなにかが目的の教室からスタートすると、陥りやすいのかな。
ブレない自分の着物軸が出来ていると、どんな情報が入ってきても取捨選択して、イイとこ取りができる。それを繰り返していくうちに”私はこう着る”をみつけられる。そういう力が身に付くと、もっと自由に着物を楽しめるようになる。
概念に固執せず自分がどう着たいかを考える。
正解か、間違いかではなく、なにかひとつを信じる。
だから、どんなものに触れるか。どれを選ぶか。
自分にマッチするもの。
好きとか 納得できるとか やりやすいとか 決め手はそれぞれ。
今の時代に必要な力のひとつを、着物を通して伝えたいのです。

着物の魅力は十人十色。
周りに惑わされず自分の”好き”を楽しんでほしい。
その”好き”がわからない方のお手伝いをしています。

着物を一緒に楽しみたいから!


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