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広東語の宿題

人生3回目の香港。

毎年彼氏の叔父さんの家へ泊まらせてもらっているけれど、今回は2年前にあったぶりの叔父さん友人達と夕食を共にした。

「今度来る時は広東語がペラペラになってるといいね!」

広東語が飛び交う中、何も理解できず硬直していた私を見兼ねて、叔父さん友人の中でも特に陽気なおじさんと奥さんが、知っている限りの英語と日本語で、たくさん笑わせてくれた。上記は、別れ際に言われた台詞だ。

それから2年ぶりの再会である。

去年から、週に一回2時間の広東語レッスンを始めて半年。知っている単語をキャッチしながら、半ば当てずっぽうでも少し話せるようになっている。ペラペラとまではいかないけれど、宿題はしっかりやってきた。

.....はずだった。

「あらー久しぶり!元気だった?」

こんにちは!

「え!広東語話せるの!」

うん、少しだけ。

「香港は前より少し暖かいよね!」

確かに去年はもっと寒かったような...

前は借りて来た猫みたいにしてなくちゃいけなかったのに、今はみんなが何を話しているか分かる。そして少しだけだけど会話に混ざることができる!

顔がニマニマするのも止められず、広東語勉強してきて良かったなぁ、なんて噛み締めたのも束の間。

台湾に留学している私の妹が合流した次の日、おじさんたちと夕食をまた共にする。すると、なんてことでしょう、みんな広東語が分からない妹のために、普通語で話し始めたではないか!

え、待って待って!私は普通語わからないよ!

半ばパニックになる私をよそに、楽しそうに談笑するおじさん達と我が妹。

広東語も英語もそれに加えて普通語も。柔軟に対応できる香港人にも、台湾に留学してたった数ヶ月で普通語を操っている妹にも圧倒されつつ、会話が全く分からないので、また「借りて来た猫」になってしまった。

時おり彼氏が翻訳してくれるも、ジョークで笑うタイミングも逃し(あとから説明されるジョークほど、つまらないものはない)、2時間かけておつまみをほとんど私一人で食べきった頃、おじさんたちとお別れの時間になる。

「今度合う時までに、普通語も勉強しておいで!」

別れ際に言われた一言で、宿題がまた増えたことを知り、一体私は何リンガルになるつもりかしらんと、脱力してしまうような、ワクワクしてしまうような香港滞在3回目でした。


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