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ラッキー家族、爆速で家を買う~アンチ戸建が決めたワケ~/その7

サイト情報を見る限り、魅力満載の物件A、内見アポ電話をしたところ、他に購入申し込みした人がいたと分かり、ションボリしてしまいました。

とは言え物件A、まだ契約前とのことで、我々の物になる可能性が完全に閉ざされたわけではないとのこと。

一応見るだけ見ましょう、サイトに公開されていた画像が相当魅力的だったけれど、せっかくなら実物も見てみたいし、「もしここに住めたら」ごっこを脳内で繰り広げてもみたいです、せめて。

「ええと、ここを右折か…うおっ!?」

目の前に突然、壁のような急勾配の登り坂。しかも路面は圧雪です。

「ギア、セカンドにして!」

大学時代4年間青森に住んでいた私の、眠っていた雪道攻略経験値、久々に覚醒。
津軽弁で言うところの「じゃわめぐ」ってやつでしょうか。アドレナリン!

「踏んで踏んで!ここで止まるとハマるよ!」

そこからも登ったり下ったり、物件Aは、そんな、奥の細道のようなところに佇んでいました。

道が狭そうとは思っていたけど、それに加えてこの勾配っていうのは、地図ではわからなかったなぁ。来てみて良かった…

車一台分の駐車場がありましたが、庭の松の木が育ちすぎて、伸びた枝のために入れそうにありません。駐車場を使うならまずこの枝は切るしかないな。

中に入ると広い玄関は吹き抜けで開放感に溢れ、めちゃくちゃ寒い!
リビングも広々、ただ、ネットの画像の印象と違い、床も壁紙もかなり傷んでいました。
一番のときめきポイントだった畳の小上がりも、その下の収納も、かなり汚い…掃除が大変そうです。

中古住宅とは言え、この状態からスタートしなきゃいけないのか…

私の表情が曇ったのを察知したのか、「収納の多さもこちらの魅力です」と担当者さん。

確かに、キッチンの作り付けの収納、こだわりが感じられましたが、そのこだわりゆえ、汎用性がない感じがしました。
間仕切りが多すぎて、どこに何を入れようか、パズルのようです。

そして寝室とおぼしき1階奥の部屋がいきなり暗い…ああ、さっきの松の木が日差しを遮っているのか!この部屋の画像はネットには上がってなかったな。

不動産屋さんのいる前では言えませんが、写真って、良く写るものなんですね。「もしここに住めたら」ごっこ、全然捗りませんでした。

期待値を100としたら、30くらいの印象。

庭の木、収納や壁紙や床材など、直したいところがありすぎて、家を買う他にお金も時間もかかりそうです。

実際見てみないと分からないことが多すぎる、という学びだけは強烈に得られました。

なるほどわかりました、検討して何かあれば連絡します、と伝え、車に乗り込みました。

「ちょっと、無いね、ここは、予想以上に」
「だね」

夫も概ね同じ感触だったようす。

「え?めっちゃいいじゃん!」なんて言われたらどうしようかと思っていたので、安心しました。

が、その安心も束の間。

車が動きません。
アクセルを踏んでも前進しません。
タイヤが見事に空転しています。

再びじゃわめぐ、豪雪地帯経験者の血。

「いったん下がって勢いつけて、思っきしふかしてみて、私降りて後ろから押すわ」

不動産屋さんも一緒に押してくれましたが、動かず。
スコップでタイヤまわりの雪をかき、再びトライするも動かず。

近所のおじいさん、おばあさんが出てきてくれ、
「ハンドル逆!」「もっと下がってからいってみれば?」「ここも凍ってる、こっちのタイヤが滑ってる!」などと、身振り手振りしながら応援してくれましたが、なかなか出られず、どんぐりを保育園に迎えに行かなければならない時間に。

保育園に電話し、遅れる旨伝え、
よし、もう一度…

「あなたも運転できるなら、車を押すのは旦那さんがいいんじゃない?」
と、おばあさん。

ですね。

なぜ今まで気づかなかったのか。
りえちん、いきます。(アムロ、みたいな。)

夫のパワーと私のドライビングテクニック(?)で、ついに脱出成功しました。

道が平らになっているところまで一気に進み、そこから大声で、
「お世話さまでした、ありがとうございましたー!」とお礼を伝え、
テクテク歩いて登ってきた夫に再び運転席を譲り、保育園へ向かいました。

うん。無理。
車を出すたびにこんな、おおきなかぶみたいな騒ぎになるなんて、無理無理。

初めての中古住宅内見が、こんなにアドベンチャーになるとは。

近所の人達が良い人達なのはよくわかりましたが、後味が悪かったため、早く口直しがしたいような気持ちになり、住宅情報収集熱に拍車がかかってしまいました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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