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新型コロナウイルス流行による消費行動の変化、PCR検査・ワクチン関連動向

【消費マインドの変化】
今回は新型コロナウイルス流行が経済に与えた影響を消費心理や消費行動の視点から見る。消費者の購買意欲を表す”消費マインド”は、今後の消費増減や景況感を予測するひとつの指標で、上記のグラフ(ネットショップフォーラム)によると消費マインドは2019年10月の消費増税直後0.92まで下降したのち、年末に向けて緩やかに回復。その後、新型コロナの影響が深刻化し始めた2020年2月3週目以降低下し続けていることがわかる。関連記事・調査等を紹介する。

「お金」と「子供」が大きな不安 新型コロナで「仕事に影響」は6割超
「自身や家族の仕事で新型コロナの影響は出ているか」を問うと、「とても影響が出ている」「影響が出ている」が合わせて62.5%を占めた。「どちらともいえない」が21.0%となり、「影響は出ていない」「全く影響は出ていない」は合わせて16.5%だった。
出所:ITMediaビジネス

コロナ禍で消費者の購買意欲が高まっている商品TOP3、3位菓子、2位冷凍食品、1位は?先行き不安によって生活者の節約意識は、食品、生活用品に至るまで高まっている
新型コロナによる影響で消費に対する節約意識を尋ねる調査が行われたところ、「通信」以外の多くの費目で半数近い人が「節約意識が高まった」と回答。
その理由として最も多かったのは「先行きが不安だから」で、6割近い人が現状に不安を感じていることが伺える。また「収入減少」「在宅時間の増加による支出上昇」なども3割以上の回答があり、身近な家計収支の変化も節約意識に影響を与えているようだ。
購入意欲が高くなる商品は、乾麺類、冷凍食品が上位に
新型コロナによる影響下で購入する、購入したいと思う商品の変化について尋ねる調査が行われたところ、最も多かったのが「カップラーメン等の乾麺類」。次いで、「冷凍食品」がいずれも半数近い回答を得ている。
また、おやつや日用品、掃除・洗濯用品も約3割の回答を得ている。外出自粛やテレワークにより在宅時間が増え、食事をはじめ自宅で過ごす機会が増えていることが影響していると推察される。
出所:@DIME

消費行動、コロナで一変 クレカ決済のビッグデータ分析
国内で感染が広がって大型行事自粛が始まった2月後半は、前年同期比0・3%減。3月前半には7・7%減と急落し、消費増税後の昨年10月前半(6・5%減)を上回る落ち込みだった。全国10地域別にみると、東北、北陸、四国以外は10%超も下げていた。3月15日時点の感染者は朝日新聞の集計で、南関東と近畿200人超、東海と北海道100人超に対し、東北、四国は20人以下、北陸も20人超だった。
 3月後半に入ると、9・3%減と消費はさらに急ブレーキがかかる。北海道、南関東、九州など6地域が15%超下げるなど四国以外は2桁減。野村証券の水門善之シニアエコノミストは「3月に入って経済活動が一気に停滞した。東京都で外出自粛要請が出た3月下旬にその傾向は加速し、感染者の多い関東などから全国へと波及した。緊急事態宣言下でこの傾向は今後より強まる」と話す。
出所:朝日新聞

『コロナショック』で急増する飲食店のテイクアウトや通販への懸念
飲食業界がテイクアウトに舵を切った

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、4月7日に「緊急事態宣言」が出されて2週間ほどが経った。当初の対象地域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県だったが、17日からは全国に拡大し、北海道や愛知、京都など新たに6道府県を加えた13都道府県を「特定警戒都道府県」と位置づけて、仕事は極力テレワークにシフトすることと、不要不急の外出を極力控えるように要請した。
 このことによって飲食業界がこれまでにない大打撃を受けている。外出自粛の状況であっても飲食店は「社会生活を維持する上で必要」という位置づけにはなっている。しかし実際には、各都道府県は飲食店に対して営業時間の短縮などの自粛を要請しており、外に出ている人が激減していることも影響し、通常の売上げの半減は当たり前、中には8割~9割減という飲食店も少なくない。そんな中で少しでも売上げを確保するために、今多くの飲食店が「テイクアウト」「デリバリー」「通信販売」へとシフトしている。
 2019年10月の軽減税率導入のタイミングから、さまざまな飲食店が工夫して、個性豊かなテイクアウトメニューや通販メニューを開発、販売を開始するケースが増えていたが、今回のコロナ不況でより加速化している現状がある。
出所:Yahoo!ニュース

新型コロナウイルスがもたらす購買行動変化の「想定したもの」と「意外なもの」~不安の中で消費者は何を買い増し、何を減らしたのか~
「レシートによる実購買データを解析」レポートを公開
【品目別変化分析】 食品系-意外な需要編
意外な消費増の筆頭として、「ドレッシング」の顕著な増加が確認された。同時に野菜全般、特に「きゅうり、にんじん、じゃがいも、レタス」も大幅な需要増となっている。にんじん・じゃがいもは別頁(食品系-増加納得編)にある「インスタントカレー」の材料として推測できるが、きゅうりやレタスはこの状況下ゆえの強い身体づくりや免疫造成に有効そうな野菜を積極的に取りたい、といったサラダ需要等に起因するものと推察する。
【品目別変化分析】 日用品系-意外な需要編
マスクを求めてのドラッグストア利用機会の増加に伴う影響もあるが、「シャンプー」や「洗顔料」、「衣料用合成洗剤」といった身体を清潔に保つ商品や、「漂白剤」「歯ブラシ」「歯磨き」といった衛生系商品の売上が顕著に伸びており、漂白殺菌効果や身辺を清潔に保つという意識がこれらのジャンルの消費を押し上げている可能性がある。
出所:PRTimes

新型コロナウイルスの影響で急増するECサイトの利用者、特に購入されている商品は?
在宅勤務による不具合、【運動不足】が61.5%で最多に
「在宅勤務が増えることで自由に使える時間に変化はありましたか」と尋ねる調査が行われたところ、【大きく変化があった】が42.5%、【少し変化があった】が39.5%となり、何らかの変化はあったと回答した人の合計は 82.0%と高い数値になった。【変化はない】は18.0%となり、多くの人の日常生活に変化が起きていることがわかった。
また、「在宅勤務が増えたことによって、仕事以外で不具合を感じていること(悩みに思うこと)はありますか」という質問に対して、【運動不足】が61.5%、【気分転換が難しい】が48.5%、【コミュニケーション不足】が47.5%と高い数値となった。まだ在宅勤務という新しい生活環境への順応が出来ていない人が多いことが見て取れる。
生活の中で時間が増えたこと、1位は【家事をする時間】
「3ヶ月前と比較して生活の中で時間が増えたことをお答えください」と尋ねる調査が行われたところ、【家事をする時間】が55.5%、【寝る時間】が27.5%、【趣味をする時間】が27.0%と上位に入った。
「3ヶ月前と比較してお金の使い方に変化はありますか」と尋ねる調査が行われたところ、【大きく変化があった】が24.0%、【少し変化があった】が42.0%となり、お金の使い方に何らかの変化はあったと回答した人の合計が66.0%と高い数値になった。
「3ヶ月前と比較して生活スタイルで変わったことをお答えください」と尋ねる調査が行われたところ、【自宅でご飯を食べることが増えた】が47.0%、【EC(インターネット)での買い物が増えた】が36.5%、【定額配信サービスを使う機会が増えた】が19.0%、【電子書籍を使う機会が増えた】1が4.5%と、インターネットサービス使用の数値が高くなった。
年代別だと、【定額配信サービスを使う機会が増えた】が20代で40.0%、30代が33.3%と高い数値となった。
自宅にいる時間が多くなったことで20、30代の定額制サービス利用が促進されていることがわかった。
「3ヶ月前と比較して、EC(インターネット)で購入することが増えたものをお答えください」と尋ねる調査が行われると、【食料品】が27.0%、【日用品】が26.0%、【飲料】が19.5%と生活必需品が続く中、4位に【スキンケア品】が17.0%という結果となった。これを機にスキンケアをはじめる男性が増えていることがわかった。
出所:@DIME

【PCR検査関連動向】
3月末に初の国産検査キットが発売されたが、4月以降のPCR検査関連の各企業の動向および自治体の取り組みを紹介する。

【新製品】コロナ検出試薬を発売‐15分で検出可能 杏林製薬
杏林製薬は24日、マイクロ流路型遺伝子定量装置「ジーンソック」を用いた新型コロナウイルス検出試薬「SARS-CoV-2 GeneSoCER杏林」を新発売した。新型コロナウイルスを15分程度で検出することが可能となる。
 同試薬は、産業技術総合研究所と共同で開発し、昨年11月に上市したジーンソックを用いることで、新型コロナウイルスの検出に15分、前処理時間を含めると約45分で検査結果を得られる。従来のPCR検査は、検体が検査センターに運ばれる工程も含めて、結果が判明するまで数日かかっていたが、検査を受けたその場で検査結果が得られる。少量の検体を迅速に診断することに適している。
 生産体制については、1カ月に装置100台、試薬数万テストの供給を見込む
出所:薬事日報

PCR検査キット発売に議論百出、楽天はどう答えたか
楽天は20日、新型コロナウイルスPCR検査キットを法人向けに発売した。診断用ではなく、「特定の症状は出ていないものの、不安を感じられる方」を対象に、ウイルスの遺伝子の有無を判別する。SNS(交流サイト)上では医療関係者などから大ブーイングの声が上がるが、医療機関や建設業など従業員を休ませられない現場を持つ企業から問い合わせが寄せられているという。
新型コロナウイルスのPCR検査キットは、楽天の出資先であり、消費者向け遺伝子検査サービスを事業化しているジェネシスヘルスケアと連携し、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城の1都4県の法人向けに販売する。1キット1万4900円(税込み)で、原則100キット以上で申し込みを受け付ける。
出所:日経ビジネスオンライン

島津製作所、新型コロナ検査キットを無償提供 地方衛生研究所向け
島津製作所(7701)は、発売中の中国から拡散した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向け検査キットについて、都道府県と政令指定都市などの地方衛生研究所を対象に無償提供すると4月27日に発表した。
提供するのはサンプル1キットで、100検体分を検査できる。事前の申し込みが必要となる。通常は22万5000円(税抜き)で販売し、無償提供は地方衛生研究所を対象とする。
同社は検査キットを3月に開発し、4月20日から販売を開始。検査時間を従来の半分に短縮できるキットで、月間10万検体分の生産を目指す。
出所:Aviation Wire

札幌市、PCR検査センター設置へ ドライブスルー式
札幌市の秋元克広市長は28日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染の有無を調べるための検体採取に特化した「PCR検査センター」を設置すると発表した。医療機関の負担軽減と検査の効率化につなげる。検査方法はドライブスルー方式を採用する。重症者用の病床を確保するため、市内ホテル2棟目での軽症者受け入れを進める方針も明らかにした。
出所:日本経済新聞

京都市、PCR検査のドライブスルー方式を公開
京都市は27日、新型コロナウイルスのPCR検査で、自動車に乗ったまま検体を採取する「ドライブスルー方式」の手順を報道関係者に公開した。自宅で療養する軽症患者や無症状者、濃厚接触者を対象として週2回、検体の採取作業を進める。1時間で20人分の採取が可能で、「効率的かつ安全」(市の担当者)な検査を期待できるという。
出所:日本経済新聞

医師会がPCR検査所 新宿など都内20カ所に設置へ
東京都医師会などは新宿区など都内約20カ所に新型コロナウイルスを検出するPCR検査所を設置する方針だ。保健所の相談センターが77カ所の検査拠点につなぐ今の仕組みでは電話が殺到し、速やかな検査に至っていない。このため、かかりつけ医が必要と判断すれば地域の医師が運営する検査所で対応する仕組みをつくる。全国に広がる可能性があるモデルだが、海外に比べて少ない検査が大きく増えるかどうかは不透明だ。
出所:日本経済新聞

PCR検査、歯科医も検体採取 特例で人手不足対応
厚生労働省は26日、新型コロナウイルスへの感染を調べるPCR検査について、疑いのある患者からの検体の採取を歯科医師にも認めると決めた。検査体制の強化にあたって検体を採取する医療従事者の不足が懸念されるためだ。歯科医が地域の検査所に赴くことを想定し、時限的・特例的な取り扱いとする。
26日に有識者検討会を開いて了承を得た。日本歯科医師会は「大学病院などで働く3100人が主な対象ではないか」との見方を示した。
検体採取は医師や看護師、臨床検査技師などが担ってきた。今後、新型コロナの感染拡大で医療体制の維持が難しくなる場合、歯科医にも採取してもらう。必要な研修を受け患者の同意があることを条件にする。4月中の研修開始をめざす。
出所:日本経済新聞

新型コロナ検査キットの本命、PCRより簡易な抗原検査いつ登場?
横浜市立大学は4月20日、新型コロナウイルスを検出できる抗体の作製に成功したと発表した。作製した抗体は、かぜの原因となるヒトコロナウイルスなどは検出せず、新型コロナウイルスだけを検出できるものだ。インフルエンザの検査キットのように短時間で簡便に感染の有無を調べられる抗原検査キットの開発につながることが期待される。
 横浜市大大学院医学研究科の梁明秀教授を中心とした共同研究グループが開発したのは、新型コロナウイルスが持つ「ヌクレオカプシド(NP)」と呼ばれる抗原たんぱく質に対する抗体。新型コロナウイルスのNPをマウスに投与し、重症急性呼吸器症候群(SARS)やヒトコロナウイルスなどの近縁のウイルスには反応せず、新型コロナウイルスだけに結合する抗体を20種類程度、取得した。うち6種類が検査キットなどに利用できる高品質の抗体だという。
出所:日経ビジネスオンライン

【ワクチン開発関連動向】
新薬の開発には時間がかかり、新型コロナウイルスの場合も治験から市場への大量供給まで数年単位になると考えられる。ワクチンの開発が急がれる中、既存の治療薬の転用も期待されている。関連情報を紹介する。

新型コロナ収束のカギ、治療薬・ワクチンはいつ?
治療薬については、主にドラッグリポジショニング(既存薬の転用)の評価が進んでいる。新薬を一から開発するには最低でも数年かかるため、転用できそうな薬を片っ端から試しているのが実情だ。新型コロナウイルス感染症の治療薬は(1)ウイルスの侵入・増殖を防ぐ抗ウイルス薬(2)重症状態を改善する抗炎症薬――に分けられる。
抗ウイルス薬としては、富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルム富山化学が創製したインフルエンザ治療薬「アビガン」(ファビピラビル)や、米ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱の治療薬として開発していたレムデシビルなどが挙げられる。これらは現在、最終段階にあたる第3相臨床試験を実施中であり、早ければ2020年後半の実用化が期待される。
これら抗ウイルス薬は、主に発症後に投与することで重症化を防ぐ効果や回復を促す効果が期待される。アビガンやレムデシビルが重症患者への投与で著効をみせたとの報道もあり、注目が集まっている。
抗炎症薬は、主に重症患者にみられる過剰な免疫反応を止めることで、肺が機能不全状態に陥るのを抑制する効果が期待される。抗炎症薬としては、中外製薬が創製した関節リウマチ治療薬「アクテムラ」(トシリズマブ)や、米リジェネロンが創製し仏サノフィが販売する関節リウマチ治療薬「ケブザラ」(サリルマブ)などが挙げられる。これらも第3相臨床試験などを実施中であり、早ければ20年後半の実用化が期待される。
出所:日本経済新聞

アンジェス、慶大発企業とコロナワクチンで提携
新型コロナウイルスのワクチンを開発している大阪大学発のバイオ企業アンジェスは27日、慶応大学発バイオベンチャーのヒューマン・メタボローム・テクノロジーズと提携したと発表した。ヒューマン・メタボローム社は生体内の代謝物質を測定する独自の解析手法を持つ。ワクチン開発で今後見込まれるヒトへの臨床試験(治験)で、有効性を判定する指標となる物質を探す。
出所:日本経済新聞

塩野義製薬、新型コロナウイルスのワクチン開発
塩野義製薬は27日、新型コロナウイルスの予防ワクチンを国立感染症研究所(東京・新宿)と共同で開発すると発表した。3月から共同研究を始めていた。塩野義は同ワクチンの開発を最優先プロジェクトの一つに位置づけており、2020年内の臨床試験開始に向けて厚生労働省などと調整している。将来的に1千万人規模でのワクチン提供を目指し、生産体制の拡張も検討する。
塩野義子会社のUMNファーマ(秋田市)が持つ「BEVS」と呼ばれる技術を活用した抗原の作製を進めている。ウイルスの遺伝子情報を基に、昆虫などの節足動物にのみ感染する「バキュロウイルス」の遺伝子を組み替えて昆虫細胞に感染させ、タンパク抗原を作製する。増えた細胞からワクチンを作る。
製造時間が約8週間と短期間で、昆虫細胞は哺乳類の細胞と比較して圧力などの変化に強く大量に作りやすいという特徴もある。
出所:日本経済新聞

NECのAI創薬、コロナワクチン開発に早くも名乗り
NECは23日、新型コロナウイルスのワクチン開発に向け、独自の人工知能(AI)を活用し、ワクチンのターゲットとして適したエピトープ(アミノ酸配列)を複数選別する技術を開発した。NECオンコイミュニティ(2019年7月にNECが買収)とNEC欧州研究所の研究チームによるもの。
NECとNECオンコイミュニティのAIによる予測技術を活用し、ワクチンの設計を行った。具体的には、公開されている新型コロナウイルスの数千種類のゲノムデータを参照。新型コロナウイルスのタンパク質(遺伝子)のアミノ酸配列の中から、細胞表面にある糖タンパク質である主要組織適合性遺伝子複合体と結合しやすいか、細胞表面で認識できるようになるか、免疫細胞の一つであるキラーT細胞の活性を高めやすいかなどを指標とし、AIで免疫活性能が高いと思われるエピトープの部位を同定した。
その上で、変異が生じやすい領域にあるエピトープや、正常細胞に類似した配列があるエピトープを除外。さらに、残ったエピトープの中から、ヒトにおいて頻度の高い100種のHLA型(白血球の型)をカバーできるエピトープの組み合わせをAIで計算した。その結果、「スパイクタンパク質など、数個のタンパク質(遺伝子)にある、4つ、5つ程度の領域がエピトープとして有用なのではないかとの結果を得た」(AI創薬事業部の北村哲事業部長)
出所:日本経済新聞

新型コロナ 日本への感染ルート判明
最初は中国 次は欧米から

ウイルスの遺伝情報から、日本への感染ルートが明らかになりました。新型コロナウイルスは短期間に小さな変異を繰り返しています。この変異をいわばウイルスの「指紋」として利用し、感染ルートをさかのぼることができます。これは国立感染症研究所が作成した感染ルートを示す動画です。青は中国・武漢のウイルスです。赤は日本で見つかったウイルスです。1月から2月にかけて日本で見つかったウイルスは武漢のものと遺伝情報が近かったのですが、その後、3月中旬からはさらに変異を重ねたヨーロッパ系のウイルスが多く確認されました。感染研は、日本では中国からの第1波について濃厚接触者をいち早く探知して抑え込み、収束へ導くことができたと分析していて、ダイヤモンド・プリンセス号のウイルスについても日本では終息したとしています。しかし、渡航の自粛が始まる3月中旬までに欧米経由の第2波の流入を許し、数週間のうちに全国各地に伝播したと指摘しています。さらに今後、第3、第4の波が来ることは必然で効果的な感染症対策の構築を図るとしています。 [テレ朝news]
出所:YouTube

「コロナ新薬」を素直に喜べない理由 「薬剤耐性」など欠陥いくつも
薬事政策として長期的に見た場合は、巨大製薬企業のもつ既存の医薬品を転用するという戦略は、コロナウイルスに特化した新規の治療法開発に対してはマイナスになり得る。
私企業が従わざるを得ない市場の論理からすれば、既存の商品の国家による大量買い上げや備蓄で販路が確保される以上は、研究開発費用と時間をかけて新規治療を探すことは優先事項ではなくなってしまう
むしろ、手持ちの医薬品が新型コロナ肺炎にも多少なりとも有効性をもつと示す臨床研究に努力し、既存の商品を増産するほうが短期的には有効だ。
想像したくはないが、冷酷な市場原理に従えば、新型コロナ肺炎の治療薬での市場競争を避けて利益を上げるためには、コロナウイルスに特化した新規治療薬を開発する技術革新を遅らせるのが好ましいとさえも考えられる。
薬剤耐性という問題
もう一つは、薬剤耐性をもつウイルスの出現というリスクだ。
薬剤耐性とは、ウイルスが突然変異で進化し、抗ウイルス薬の影響を受けにくいように遺伝子が変化していくことを意味する。
コロナウイルスのようなRNAウイルスにはDNAウイルスに比べて突然変異を起こしやすいという性質がある。
これは遺伝情報をコピーして増殖するとき、人間のDNAにはあるエラー修復機構が、一本鎖のRNAウイルスには存在していないためだ。
治療薬の無いスーパー新型インフルエンザという問題
より緊迫した問題となるのは、インフルエンザウイルスが、新型コロナ肺炎治療に転用された抗インフルエンザ剤(たとえばアビガン)に対する薬剤耐性をもつ可能性である。
同じコロナウイルス感染症だった2003年のSARSの場合、1990年代には1%未満だったインフルエンザの薬剤耐性率が、2004年にはアジアでだけ12%に跳ね上がる事態が起きた(アマンタジンに対する耐性)。
これは、SARSを恐れた人びとが、当時は市販薬としてアジアで広く簡単に購入できた抗ウイルス薬アマンタジンを(不必要に)服用していたからではないかと推測されている。
出所:livedoorニュース

COVID-19の収束シナリオとその後の社会、経済について分析する寄稿の第2回目は、治療薬・ワクチンの開発状況と見通しについて触れたい。
 次にワクチンの開発状況について図3に整理した。代表的なものとして、米Moderna社が米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)と共同で開発しているmRNAワクチンのmRNA-1273が挙げられる。このワクチンはウイルスのスパイク蛋白質(S蛋白質)をコードしたmRNAを脂質ナノ粒子で送達し、体内でS蛋白質を発現させることで免疫を誘導させるワクチンである。3月中旬から第1相臨床試験を開始し、安全性・免疫原性について評価している。また、米Inovio Pharmaceuticals社が開発しているDNAワクチンのINO-4800も4月に臨床試験を始めた。いずれも実用化まで早くて12カ月から18カ月程度掛かると想定されている。
ワクチン開発は難航も予想される
 ただし、ワクチン開発は治療薬以上に一筋縄ではいかない可能性がある。ワクチン開発の懸念として挙げられるのが、抗体依存性免疫増強(Antibody-Dependent Enhancement:ADE)という副作用リスクの存在だ。ADEは、何らかの原因で抗体がウイルスの感染・炎症化を促進してしまい、重症化を引き起こす現象のことである。SARSやMERSのワクチン研究においても動物実験でADEのような現象が確認されており、COVID-19のワクチン開発の大きな壁となって立ちはだかる可能性がある。
 また、ウイルスの変異可能性も懸念として挙げられる。COVID-19のウイルスは数千もの変異が確認されている。ワクチンがターゲットとしている部位に変異が起きた場合、ワクチンの効果が減弱化してしまう可能性があるため、この点もクリアする必要がある。
 そうなると、我々は悪いシナリオも想定しておかなければならない。ワクチンの開発失敗である。ワクチンの開発が遅れれば、集団免疫を獲得する時期が遅れ、それだけ経済活動の再開が遠のくことになる。
出所:日経バイオテク

【新型コロナウイルス対応製品・サービス】
PCR検査やワクチンだけでなく、各社それぞれ新型コロナウイルスに対応する製品やサービスを開発・提供している。

文化シヤッター、「ウォークスルータイプPCR検査用ブース」を首都圏エリアで限定発売
"ウォークスルー"方式で新型コロナウイルス感染症のPCR検査が行える
「ウォークスルータイプPCR検査用ブース」を発売
~アイピック株式会社と販売契約を締結~文化シヤッター株式会社(社長:潮崎 敏彦)は、パーティション専業メーカーのアイピック株式会社(代表:石橋 崇)が製造する"ウォークスルー"方式で新型コロナウイルス感染症のPCR検査が行える「ウォークスルータイプPCR検査用ブース」を、5月7日よりまずは首都圏エリア(※)限定で発売します。
■PCR検査と医療現場を切り離すことで医療従事者を守り、医療崩壊を防ぐ
■「喫煙ブース」の実績とノウハウでPCR検査用ブースをスピード開発
出所:日本経済新聞

テルモ、消毒しやすい体温計 院内感染を防止
テルモは27日、従来に比べて消毒しやすくした電子体温計を5月12日から全国の医療機関向けに発売すると発表した。わきに挟む部分を容器でほとんど覆わない、オープン形状の収納ケースで付着物をふき取りやすくした。新型コロナウイルスなど、各種の菌やウイルスの院内感染を防ぎやすくする。
わきの下で測るタイプの医療機関向け体温計2品種を発売する。わきの下はブドウ球菌などが常に存在し、医療機器などを介して院内感染を引き起こす恐れがある。体温計も検温後は、本体と収納ケースともに丁寧な消毒が求められる。
出所:日本経済新聞

【コロナに勝つ! ニッポンの会社】大王製紙がマスクの国内生産を開始、梅酒や焼酎を高濃度アルコール製品の「代役」に
●大王製紙がマスク国内生産、7月には月2600万枚へ
ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの「エリエール」ブランドを展開する大王製紙(東京都千代田区)は2020年4月27日、新型コロナウイルスの感染拡大によるマスク不足に対応するため、子会社の工場で不織布マスクの生産を開始したと発表した。
大王製紙は従来から、中国など海外の協力工場で不織布マスクを生産、販売してきた。新型コロナの影響で需要が急拡大したことを受け、安定的な供給への貢献を目的に、子会社エリエールプロダクト(愛媛県四国中央市)の栃木工場に月1300万枚の生産可能な最新鋭の設備を導入、生産を始めた。
●防護服の代替に、アトラクション用ポンチョを寄贈
株式会社よみうりランド(東京都稲城市)は、「よみうりランド」遊園地(稲城市、神奈川県川崎市)に備蓄しているポンチョ(雨合羽)を、稲城市に1万枚、川崎市に2万枚を寄贈した。
●予防に有効! 「ゾーニング」にテント使ったプラン
テントハウスの設計・製造・販売の静岡市の株式会社もちひこは、清潔な区域と不衛生な区域とを分ける、新型コロナウイルスの感染予防に有効とされる「ゾーニング」の低コストプランを用意。4月27日に発表した。
プランは、同社が創業(1987年)以来携わる膜材を使用したテントハウスの設計・施行の技術を生かして開発したという「TENTINTENT(テントインテント)」を使って、建物や施設内を区域分けして密集・密接を回避することで、飛沫感染リスクを軽減する。
●梅酒メーカーが高濃度アルコールを製造、販売
梅飲料や梅果実加工品の製造・販売を行っている和歌山県上富田町のプラム食品株式会社は4月28日、アルコール65%の高濃度アルコール製品「プラムスピリッツ」(720ミリリットル、税込1680円)を発売した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、医療用、家庭用でのアルコール消毒液が不足していることに対応した。
厚生労働省は3月下旬、消毒液を確保できない場合に医療機関が高度数の酒類で代替することを認め、その後、酒製品に「手指消毒に使用可能」と表記することも認めた。
●本格焼酎の会社も高濃度製品
鹿児島本格焼酎を手がける株式会社薩摩恵比寿堂(鹿児島市)は、提携蔵元の翁酒造株式会社(福岡県古賀市)と、手指消毒用エタノールの代替品として高濃度エタノール製品を開発。ECサイトや自社のサイトで販売を始め、4月28日から発送を開始した。製品は、アルコール分65%の「酔神65」(500ミリリットル、参考小売価格1680円=税別)
● 過酷化な医療従事者に安息・安眠を
特定非営利活動法人京都SEINEN団(京都市)は、保有している休業中のゲストハウスを、過酷な医療現場の従事者らに利用してもらおうと、医療機関を対象に無料で貸し出す。4月28日の発表。
出所:J-Cast

メディサイエンス・エスポア 抗菌スプレー発売
化粧品メーカーのメディサイエンス・エスポア(川崎市)は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、抗菌スプレー「Agウォックス10」を発売した。酸素補給水にナノ銀溶液を配合することで、手荒れや肌荒れに配慮しながら、抗菌機能を高めたという。
出所:日本経済新聞

新型コロナ:寺岡精工、「チェッカーガード」発売 レジ時の飛沫感染を防止
寺岡精工は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の中、営業を継続しているスーパーマーケット(SM)や食品専門店でのレジ接客時の新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染防止対策として「チェッカーガード」の販売を20日から開始している。
出所:日本食糧新聞

スマホアクセサリのトリニティが1枚39円の「原価マスク」を発売 パッケージに原価記載で転売防止
 スマートフォンアクセサリなどを扱うトリニティ(埼玉県新座市)は、三層不織布マスクを原価で販売することを発表した。1箱50枚入りで、価格は2176円(税込・送料別)。オンラインから購入できるが、1回の注文につき1人4箱(200枚)までの購入制限がある。また、購入後7日間は再購入不可となっている。
出所:ITmedia

新型コロナの「接触追跡」アプリ、独はApple&Google方式、英豪は中央集権方式
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが続く中、各国政府が接触追跡アプリの開発を進めている。オーストラリア政府は4月26日(現地時間)にアプリを公開した。
 接触追跡アプリとは、スマートフォンの機能を利用して感染者と過去に濃厚接触した可能性のある人にその可能性を知らせ、適切な行動を求めるというもの。シンガポールや韓国が既に提供しているが、これらは接触したかどうかのマッチング作業を中央のサーバで行うため、プライバシーに関する懸念もある。
  米Appleと米Googleが10日に発表した新たな「濃厚接触通知」システムは、接触データのマッチング作業をユーザーのスマートフォン内で行う分散方式を採用し、他にもスマートフォン同士が交換する識別子を暗号化するなど様々なプライバシー保護の工夫がなされている。
オーストラリアは中央集権方式
 オーストラリアの公衆衛生当局である保健省は26日、独自の接触追跡アプリ「COVIDSafe」をAppleおよびGoogleの公式アプリストアで公開した。マッチングプロセスは中央集権方式で、さらにアプリをダウンロードする際、氏名、携帯電話番号、郵便番号を入力する必要がある。
 保健省は公式ブログで、国民のプライバシーは保護し、アプリの情報へのアクセスは極力制限すると説明した。グレッグ・ハント保健相はアプリ公開の翌日、189件ダウンロードされたとツイートした。
ドイツは分散方式に方針切り替えで公開に遅れ
 ドイツの公衆衛生当局である連邦保健省のイェンス・シュパーン保健相は4月26日、公共放送局ARDのインタビューで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のための接触追跡アプリの公開には数週間かかる可能性があると語った。
独政府は当初、中央サーバ保存方式のアプリを4月中旬に提供する方向で開発を進めていたが、大規模な批判を受けたため、方針を分散方式に変更したとシュパーン氏は語った。
 米Reutersによると、Appleがドイツの中央サーバ方式アプリを拒否したため、方針を変更せざるをえなかったという。独政府のアプリもiPhone版はAppleのApp Storeでリリースする必要がある。
 シュパーン氏は「過去数週間に開発されたものを基に」開発すると語った。この「もの」がAppleとGoogleが提供するAPIを指すのかどうかには触れなかった。
英国は中央集権方式
 英国の公衆衛生当局である保健省国民保健サービス(NHS)は24日、公式ブログで、向こう数週間中に接触追跡アプリを公開すると発表した。その発表では「AppleとGoogleと協力して」開発しているとしているが、英BBCは27日、NHSのアプリは接触のマッチングプロセスをサーバ側で行う中央集権方式で、AppleとGoogleが提案したAPIとは異なるモデルだと報じた。
出所:ITmedia

【コロナ後の消費行動の変化】
ここ数か月で私たちの消費に関する価値観やライフスタイルは大きく変化した。今後の消費者行動についての見解をいくつか紹介する。

Google searches for 'food' and 'immune system' have spiked since mid-March
The chocolate-soaked protein bars which might possibly have made us lean ahead of the summer are out and have been replaced by immunity-boosting shots of green vegetables and fruit.
While the current crisis may abate, McDonnell points out that a cure for coronavirus will remain elusive, and there is no certainty as to how immunity might work. There is no vaccine and a huge awareness that if this terrible thing can happen today, it can happen tomorrow too. That bleak picture will “create great desire for shielding and self-protection”, he says, and foods which can protect our defence systems are growing in popularity.
The report says that as we move into the post-Covid world, “consumers may well pay more attention to the science of food functionality [and] may want nutrition that helps boost their immunity.”
Another trend Bord Bia has spotted is comfort cooking. As the lockdown was imposed, people moved away from fast foods and ready meals towards slower cooking and making childhood recipes and takeout-style dishes to bring familiarity to an unfamiliar world. Sales of “comfort carbs” such as pasta and noodles climbed significantly over recent weeks.
His research, meanwhile, points out that “time-poor consumers have almost overnight moved from the world of compromised convenience foods to a world of home cooking and even slow cooking”, adding that “being stuck at home means the kitchen is becoming a focal point of our day”.
Another trend identified has been safety. The desire to stay safe while confronting an invisible enemy saw grocery stockpiling in the early days of the crisis, but we are also seeing “more subtle manifestations of this, with consumers seeking reassurances regarding food safety”.
Sometimes that has led consumers to make sometimes irrational choices on the basis of what they think will keep the virus from their door. For instance, Google Trends data shows that our interest in cuisines from China and Italy nosedived in February and March while in the US almost 40 per cent of beer drinkers say they will not drink Corona beer under any circumstances at the moment.
At the outset of the crisis, the Behavioural Research Unit at the Economic & Social Research Institute (ESRI) identified seven issues worth considering in “fighting the coronavirus”. Number seven on that list was risk perceptions.
Another trend noted by Bord Bia has seen food shoppers moving online, creating an explosion of data which will lead to the refinement of AI online shopping assistants and auto-complete shopping lists, McDonnell says.
It would appear that many shoppers are trying online shopping for the first time
“Current observations would suggest that online grocery – even for global specialists such as Amazon and Ocado – is already very congested,” the report notes. “Many consumers are experiencing long lead times for home delivery. Equally, however, it would appear that many shoppers are trying online shopping for the first time. As retailers scale up capability online, we may well find the ‘automation’ of ordering groceries kicks in as a behavioural norm.”
And what does that mean?
Digital natives
“We know the grocery shoppers of the future will be ‘digital natives’, those who have always had access to computers and the internet, and therefore rapid change is the norm for them,” the report says.
Smart consumers will use AI to optimise everything including what they eat. “These consumers are likely to allow AI bots and smart home services to perform consistent purchases, and people will trust them to make the right decisions. Running low on milk? Your smart fridge will order it for you. Eating too much saturated fat? Your health app on your phone will block you from over-ordering on your Amazon or Tesco app.”
The big trend noted by Bord Bia has been the stocking up. Its research suggests we are not doing this in the simplistic “panic-buying” sense – there is more nuance to the picture. For example, at the beginning of the crisis consumers initially bought “shelf-stable” long-life foods to create “pandemic pantries”, but they then quickly moved to the purchasing of frozen foods.
“The reality is stockpiling behaviour is a complex phenomenon based around shopper reactions to scarcity, choice, control deprivation and decision fatigue. These behaviours could unlock ‘nudges’ around changing shopper missions that retailers and producers can tap into. We will be watching how shopper behaviour evolves in the coming months to truly understand if some of these stocking-in behaviours actually are here for good.
出所:THE IRISH TIMES

アフターコロナの消費者像-「デジタル消費」の加速と、「所有より利用」の揺り戻しも
1――消費者心理の現状~東日本大震災直後の水準を下回る、消費者行動の基本である
「移動」が制限新型コロナの個人消費への影響は甚大だ。すでに3月中旬の時点で、消費者心理は東日本大震災直後の状況を下回った。今後は、比較可能な1982年以降の調査結果で最低値を記したリーマンショック後の水準すら下回る可能性がある。
消費者行動の基本は、使える「お金」や「時間」があること、そして「移動」できることだ。
現在の消費の落ち込みは、何よりも人の「移動」が制限されたことで生じている。「移動」制限によって仕事ができなくなり、「お金」にも深刻な影響が及んでいる。
当初、今回の事態は災害時とは異なり、「移動」制限が解除されれば、戻りが早いのではないかとも見られていた。しかし、終息には数年を要するという見方もあり、事態の長期化は予断を許さない。
2――消費者行動の現状~「デジタル消費」「サブスク」「つながり」「モノよりサービス」
外出自粛で「移動」が制限される中、今、消費者ではネット通販や外食の宅配、オンラインサービスなどの需要が増している。また、宅配サービスではキャッシュレス決済の利用が増えているだろう。
オンラインサービスでは、巣ごもり生活を少しでも充実させるために、動画配信サービスや電子書籍、フィットネスクラブやヨガ教室、英会話教室のほか、休校が長引く子どものために通信教育関連サービスなどが人気と聞く。これらの多くは月額定額で使い放題のサブスクリプションモデルであり、時間を持て余している巣ごもり生活にぴったりだ。
また、オンラインでの交流も広がっている。外で人と会えないために、友人とオンライン飲み会を開催したり、有名人がSNSに投稿したミュージックビデオに各自思い思いの動画を合成するコラボレーション動画など、オンラインで人とつながる動きが盛り上がっているようだ。
オンライン以外では、買える範囲にはなるのだろうが、生活の充実に向けて上質な飲み物や食材を揃える、家族と過ごす時間が増えたことで一緒に楽しめるボードゲームなどを買うといった行動があるようだ。これらの共通点は、モノの購入という消費行動に見えるが、その目的は家の中での生活時間を楽しむコトであるということだ。
以上の状況を見ると、「デジタル消費」「サブスク」「つながり」「モノよりサービス(コト)」といったキーワードが思い浮かぶ。しかし、実は、これらは消費者行動における変化として、近年、すでに見られてきたものだ。
3――アフターコロナの消費者像~「デジタル消費」などの加速、モノの「所有より利用」の揺り戻しも
つまり、新型コロナによって消費行動が変わったというよりも、これまで生じていた流れが加速したようにも見える(もちろん、旅行や外食などの「移動」を伴う消費行動は止まっているが)。よって、事態が終息したアフターコロナの消費行動は、これまで見られてきた変化が加速した状態から始まるのではないか。
特に、ネット通販やキャッシュレス決済、サブスクなどの「デジタル消費」では顕著だろう。今回の事態を機に加入が増えたサブスクサービスは、一旦、見直しが図られるだろうが、「デジタル消費」という体験が幅広い消費者層に広がったことで、今後のサービス対象の拡大が見込めるのではないか。
また、「つながり」を軸とした消費行動は、現在は比較的年齢の若い層が中心だが、今後はシニアにも広がる可能性がある。60歳代のスマホ保有率は、すでに2018年にガラケー保有率を上回っている(総務省「通信利用動向調査」)。また、情報の流れを見ても、つながることで情報が流れるSNSの存在感が増し、シニアが好むテレビや新聞などのマスメディアもSNSで発信するようになっている。
「モノよりサービス(コト)」については、現在の自粛ストレスからの反発によって、旅行やレジャー、外食、コンサートなどのサービス産業の盛り上がりが期待できる。
近年、消費者では「モノの所有より利用」という流れもあり、モノを買うことよりもサービスを楽しみたい、モノを買って所有するよりもサービスとして利用できればそれでいいといった価値観が強まっていた。一方で、今回、人の「移動」制限によって入手、あるいは利用できなくなってしまったサービスもある。グローバル化が進む中では、今後も感染症をはじめ、様々なリスクは増えるだろう。リスク低減という面からも、所有した方が良いと感じたモノも出てきたのではないか。よって、極端に「所有より利用」志向が高かった層では、モノを所有するという揺り戻しも見られるだろう。
アフターコロナは現在の消費行動の変化が加速するとともに、加速しすぎていた行動の見直しも図られることで、さらに消費者の賢さが増すのではないか。
出所:ニッセイ基礎研究所

長くなりましたが、こんな感じでコロナ関連の動向等まとめていこうと思っています(たまに更新)。特に関心のあるトピックスなどあれば(業種・内容問わず)リクエスト受け付けますので、コメントよろしくお願いいたします。

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