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ときがわ自然塾「立教大学大学院教授 中原淳先生を囲んで『大人の学び』について考える会」
2022年12月17日(土)16時30分~18時、ときがわ自然塾「立教大学大学院教授 中原淳先生を囲んで『大人の学び』について考える会」に参加してまいりました。
中原先生といえば、人材開発・組織開発の分野で大変著名な方であることは言うまでもありませんが、私の専門であるキャリアの世界でも大変人気の高い先生です。そんな雲の上のような存在の方がときがわ町(私の自宅から30分)に来られると聞いて、参加しないわけがありません。
そして、私が起業する際にお世話になり、今もメンターとして師としてお世話になっている比企起業大学総長 関根さんの東京大学大学院在籍時の指導教員でもあるため、いわば「師の師」にあたります。関根さんのおかげで『研修評価の教科書』(中原淳、関根雅泰、島村公俊、林博之)や今回のテーマとなった『働く大人のための「学び」の教科書』(中原淳)を読むきっかけにもなりました。今回の貴重な機会に感謝しております。
また、ときがわ自然塾の主催者である神山典士さんとは、現在川越市市制施行100周年事業のプロジェクトでご一緒させていただいております(「観光都市川越775万人物語」高校生プロジェクト)。神山さんは「トカイナカハウス」を主宰し、新著『トカイナカに生きる』他著書多数のノンフィクション作家です。東京一極集中解消を促進し、まさに私が住んでいる埼玉の「トカイナカ」に様々なチャンスを運んできてくださっています。今回も貴重な機会をありがとうございます!
中原先生と、参加者9名という贅沢な場
今回のテーマは「大人の学び」。みなさん、中原先生の2018年の著書『働く大人のための「学び」の教科書』を読んできて、中原先生と意見交換をするという場になりました。
今回、私は中原先生の一番近くで速記録を取らせていただきました。(PCのコンセントの位置の都合で)中原先生のすぐ右横からお話を聴かせていただいてしまいました…!光栄です。今回、神山さんが主宰する「トカイナカハウス」という古民家で行いましたので、参加者9名全員が中原先生と近い距離でお話することができるという贅沢な機会となりました。
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「非常にいい質問ですね」
最初は自分はもちろんのこと、参加者のみなさんも緊張していたかと思いますが、よしきさんの質問を皮切りに、活発な意見交換が始まりました。中原先生の「非常にいい質問ですね!」という言葉に励まされ、みなさんからはどんどん質問が繰り出されていきました。今回、初めて千葉から参加されていた金子さんからは、「エネルギーのある方達と時間を共にし、大きな刺激を受けました」とのメッセージを頂戴しました。
問いを立てるって難しい…!
今回感じたのは、中原先生を前にして、「問いを立てるって難しいな…」ということ。「できるだけ意味のある問いを…!」「しょうもないことを質問してはいけない」と力が入ってしまっていたのは私だけではないはず(笑)だけど、どんな拙い質問(←私)に対しても、そこから関連する知見を展開してくださった中原先生。中原先生がお話くださった内容は言うまでもありませんが、先生のそういった柔らかい雰囲気に触れられたことも感激でした。心理的安全性が保たれている場で、みなさんからは質問が途切れることなく生まれてきて、私も、リラックスして場に生まれる言葉を体内に巡らせることができました。
「キャリア」のお話も
私が特に印象に残っているのは、中原先生から「転機」「ライフチャート」「内的キャリア」「キャリア・アンカー」等、キャリアに関するお話をお聴きできたことです。これらは私自身、まだまだ勉強中のキャリアに関する理論ですが、中原先生の言葉で語られたお話がとても分かりやすく、「理論が身になる」感覚を覚えました。参加者の大塚さんは、このような問いを投げかけていました。
最近の若い人が結婚のことをパートナーシップと言い、仕事のことをキャリアと言う。びっくりした。自分はキャリアというのは社会との関わりだと思っていた。キャリアっていい言葉だなと。先生、キャリアってどういう意味なんでしょう?
大塚さんの質問に対して、中原先生はキャリアについて「内的キャリア」と「外的キャリア」に分けてお話しくださいました。大塚さんからは、「内的キャリアという言葉があるんですね!いい言葉ですね!」という反応が返ってきて、なんて素敵な場だろうと感じました。中原先生のご説明は、専門用語や英単語も出てきますが、それを例えやメタファーを用いて分かりやすく伝えてくださるので、とても分かりやすかったです。
ちなみに速記録を取りながら頭がフロー状態になっていた私は、関根さんから「せっかくだから、キャリアに関する質問をしてみたら?」と言っていただいたのに、頭も胸も一杯で言葉が出ませんでした。ああ、なんということでしょう。だけど、これからいくらでも思索する楽しみがあります。
私がした最後の質問
…と言いつつ、最後に質問をさせていただきました(キャリアに関係ない質問でしたが)。私からの質問は、「先生は、妥協ってしたりしますか?」というもの。この質問をしたのは、中原先生は「締切」とどのように折り合いをつけているのかお聞きしたかったからです。前半で、先生が「締切」についてお話されていたのが心に残っていたこともあり、私自身「締切」という言葉に敏感に反応してしまったこともあり(笑)、ご質問させていただきました。ちなみに先生は、「締切」についてこのようにお話されていたのです。
大事なのは「プロジェクト」「仲間」「締切」。(学ぶには)プロジェクトに入って感謝されるのが早い。
大人が手っ取り早く学ぶには、「プロジェクト」「仲間」「締切」の3つの要素を上手く取り入れること。また、「感謝される」については、本の中でも書かれています。Chapter3「大人の学び」7つの行動より「行動⑥場をつくる」「行動⑦教えてみる」の中で触れられています。
そして私の質問に対するお答えは、次のようなものでした。
妥協の連続です。だけど、本にしても何にしても、そこには自分のクレジットが付くから。どんなものができたとしても、そこに責任は持ちますよ。
中原先生には、お聞きするまでもない愚問だったかもしれません。だけど、先生の口からこのお言葉を聞けて、元気出ました!
自己決定
「自己決定」「自己責任」も今回のキーワード。
京都大学の西村和雄先生が仰る「主観的幸福感」「Well-being」によると、幸福感を決めるのは、どれだけ自己決定できたか。
「幸福感を決めるのは、どれだけ自己決定できたか」。簡単なことだとは言いません。だけど、大事なことなんですよね。なにも一人で自己決定しなくてはいけないということはありません。決められないときは、人に相談することもとても大切です。(そんなときは、キャリアコンサルタントをぜひご活用ください!)ただし、最終的には自分で決め、自分で責任をもつこと、それが幸福感につながるということだと思います。
まとめ
中原先生は、「仲間」「貢献し合う」ということを強調されており、「屋根瓦方式」「鰻の秘伝のタレ」「ヘルシーな水槽」という表現でご説明くださいました。(イメージしやすいし、印象に残りやすい!)OJT研修の専門家である関根さんも、「教え合う」「学び合う」ということはよく仰っています。今回は、まさにそんな場になったのではないかと思います。
よしきさんからは「内省(Reflection)」、ヤマナオさんからは「転機」「ネットワーク」、みつさんからは「フィードバック」、金子さんからは「アンラーニング」「越境学習」、大塚さんからは「キャリア」「ライフチャート」、可沼さんからは「自己決定」「自己責任」など、本にも登場する重要なキーワードが満遍なく参加者から投げかけられました。仮に私一人であの場にいたら学びきれなかった多くのことを、みなさんと共に学ぶことができたと感じています。
中原先生、神山さん、関根さん、貴重な機会をありがとうございました。そして大人の学びにつきあってくれたKくん、Tくん。目にも鮮やかな美味しい料理を準備してくださった、はんちゃん。野菜を提供してくださった原さん。ご一緒した参加者のみなさん。ありがとうございました。引き続き、学び続けていきましょう!
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