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今さら自己紹介【ソルフェージュと私①】

毎週月曜日に更新しているこの「楽典やり直し講座」も、なんと19週連続で投稿しており(!)自分自身びっくりしています。
必ずやり遂げなければ、というストイックなものではなく、ネタが尽きるまで今後も楽しく気楽に書いていこうと思います!

さて、今日はいつも通り「今さら聞けない音楽用語」シリーズを書くつもりだったのですが、急遽思いついて「今さら自己紹介」することにしました。

というのは、先週にいろいろ変化あり…
記事を読んだ人から嬉しい感想をいただいたり、記事がきっかけでレッスンの申し込みがあったりと言うことが立て続けにあり、noteに書いている元々の目的や、自分の音楽に対する考えなどを言葉で説明したのですが、そのことで自分自身もいろんなことが整理されてとても良かったので、忘れないうちに文章にまとめておこう、と思った次第です。

私は何者か 

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《プロフィール》
東京音楽大学ピアノ科卒業、同大学院ソルフェージュ科修了。
声楽・器楽の伴奏、合唱・オペラにおける稽古ピアニスト、コレペティトール、室内楽・オーケストラ内での鍵盤楽器奏者として演奏活動を行うほか、編曲、レクチャーコンサートの企画・主催、またピアノ、ソルフェージュ、音楽理論講師として後進の指導にあたるなど多分野で活動している。
2016年、2018年に松本市でソロリサイタル開催。


…と以上、チラシなどで使うプロフィールの文面ですが、
とにかくいろいろ、何でもやっている感じです(^^;

演奏は、ずっと伴奏や稽古ピアノばかりしてきましたが、数年前からソロも少しずつやっています。

なんでソルフェージュ科?

プロフィールを見た人が一番よく聞いてくる質問。私は大学院でソルフェージュを専攻しており、そこを毎度突っ込まれます。

音楽を専門的に勉強していなければ「ソルフェージュ」という言葉も使わないので、一般の人からは、「ソルフェージュ」って何?となるのが普通の反応です。何か「ソルフェージュ」という楽器があるんじゃないか、と思ってる方もいるくらい!

またソルフェージュを知っている人からは「ソルフェージュなんてめんどくさいものを専攻するなんて…ソルフェージュ好きなの!?」とか
「ソルフェージュ科って毎日聴音やってるの?」と聞かれたりもします。

ソルフェージュを専攻しようと決めたのは、卒論でソルフェージュについて書くことにしたことがきっかけになるのですが、なんで論文のテーマをソルフェージュにしたのか、というのは大学入学~大学生活まで遡ります。


幼少期~大学入学まで

私は幼少の時からピアノは習っていましたが、バリバリやっていたわけではなく、ただ好きなように楽しく弾かせてもらった、という感じでした。家族の中で音楽をやっているのは私一人だけです。

最初家には足踏みオルガンしかなく、途中でアップライトピアノを買ってもらい、音大に入って初めてグランドピアノで練習するようになりました。
今はどうなのか知りませんが、私の時代は音大のピアノ科を受験するような人のほとんどは家にグランドピアノのある人でした。そこからして、ちょっと劣等感が。

子どもの頃から「練習しなさい」と言われてやることはなく、自分が好きだから自発的に弾いていました。耳コピや作曲、編曲も自己流だけど得意。ソルフェージュはピアノのレッスンの最後にちょっとやるくらい。歌が好きで、中学の頃は合唱も熱心にやりました。

クラシックの曲は、家にあった定番名曲のカセットと、ラジオからたくさん知りました。高校生になって自分で公共の図書館に行けるようになったら、ひたすらCDと音楽書を借りまくっていました。これも、勉強のためではなく、ただ好きだから知りたい、という自然な流れです。

高校に入ってすぐの頃、進路の話になり、音大も考えたのですが、音大受験するなら、と東京の先生を紹介されてレッスンを受けると、初めてコテンパンに言われ挫折。(地元の先生はひたすら褒めて好きに弾かせてくれる先生でした)
やはり自分は好きなように弾くのが向いているんだ、と思って進路を変え、ピアノをやめました。

その後いろいろあって(これを話すと長くなるので割愛。)受験直前になってやっぱり音大を受けよう!となってまたピアノを再開したのですが、そんなわけで、少しブランクもあり、その上かなり準備不足で受験した形になりました。運良く教育科で合格し、入学してから途中でピアノ科に転科しました。

大学入学後

当時の東京音大のピアノ科はとても人気があり、倍率が高かったです。
それこそ小さい頃からスパルタレッスンを受けていたり、コンクールでいつも入賞していたり、高校も音楽科に行っていた人も多く、なんというか、私みたいな経験の浅い(?)ような人はほとんどいなかったように思います。
練習室にいると、隣からショパンのエチュードをすごい速さでノーミスで弾くのが聴こえてきて、すごいなぁ、とただただ圧倒されていました。

でも最初はすごい、すごいと思っていた周りの演奏も、そのうち飽きてきました。みんな同じように聴こえるのです。
知識が多い人も私の周りにはあまりいなくて、作曲家のこととか作品のこと、演奏家のことなどの話もしたいが、通じる人がほとんどいない。

最大のビックリは、「明日レッスンだ、どうしよう」と本気でレッスンを嫌がっているのです!音楽が好きな人が集まっているのかと思ったら、そこまでの熱量ではないのか??とにかく驚愕でした。


大学で出会ったソルフェージュ

丁度私が2年生の時に、ソルフェージュのカリキュラムが大きく変わりました。それまでは、聴音の出来でクラス分けがされ、授業では聴音がメイン、あと少し視唱がある、という感じでした。
でも、聴音のテストの上位20名くらいは、もう聴音はやらなくて良くなり、「上級者クラス」として、もっと応用的な勉強をするようになったのです。

私は、元々聴音が得意でした。得意な人はわかると思うのですが、普通の聴音課題ならどんな課題でも聴き取れます。間違うことはありません。なので、毎週聴音の時間があっても「だから何」なのです。

その時上級者クラスには、初見試奏、リズム、スコアリーディング、アナリーゼ、などの授業があり、自分の希望するクラスを選べました。
私は、初見のクラスを選んだのですが、これが後に論文を書くきっかけになるほど衝撃的な経験をすることになります。

経験の少ない私は、それまでピアノは練習したものをレッスンで先生の前で弾くものだったから、「初見で弾く」ということを人前でしたことがありませんでした。クラスで私以外は、みんな音楽高校出身者。初見で弾くことは経験済みで、何でもほとんど弾けちゃう。自分は初見が苦手なのだ、とここで初めて知ることになります。

担当の先生がフランスものを得意とするピアニストの先生で、初見課題にフランスものを多く持ってくるのも辛かった。私はそれまでフランスものはドビュッシーの「喜びの島」しか弾いたことがなく、(今考えるとすごいことだ)こんなに調号の多い譜面を弾いたことがほとんどなかったのです。

バリバリ初見をやっている周りの子たちを見ていると、
まず鍵盤から手が離れない、
楽譜から目を離さない、のが共通
そのほかに、自分とは楽譜の見方が違うように思いました。私もそれなりに見てるけど、もっと情報処理がスムーズだというか。
ここを研究しないと、闇雲に数こなしていてもできるようにはならない、とそのうち思うようになり、みんな楽譜をどうやって読んでいるのかを真面目に考えるようになっていきました。


・・・といいところですが、
この辺りで一度切りたいと思います
続きは来週!!


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なお、ある程度の知識がある方に向けて書いていますので、これじゃついていけない、という方は、ぜひ個別レッスンに!その人にあったレベルで解説します。(対面、オンラインどちらもあり)
レッスンご希望の方はrie3_e_mail@nethome.ne.jpまで。

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