見出し画像

打ち切りのショックで漫画が描けなくなってしまいました。

なんというかもう、タイトルの通りの話なんですけども。。。。

私は講談社デザートでデビューし、その後はソルマーレ編集部で「となりのメガネ王子とヤンキーと!」、一迅社ゼロサムで「冷血悪女による無垢な王子の利用法」などを連載していた漫画家です。

現在は「転生魔法少年と刻印の賢者」という幼少期に魔力を突然奪われた少年が、不治の病に犯された弟のためにその謎を追いかけていく、、、というような自分の趣味に塗れた漫画を描いています。
(少年主人公の少女漫画が大好きなのは幼少期に白泉社の少女漫画を愛読していたからです)


少女漫画は恋愛漫画が主流で、当然そういう依頼が多く企画も通りやすいのですが、今回は自分の趣味を押し出した企画でした。バトルやファンタジーなど描いたことのないものばかり、話作りも作画も大変で、四苦八苦しながらも楽しく連載していました。


編集部の体制が変わり、続きが描けなくなってしまいました。

打ち切りは商業でやっている以上致し方ないものと思ってはいましたが、打ち切りを言い渡される2ヶ月前まで「8巻以上描いていい」(8巻程度で終わらせる予定でした)と言われていたので、安心しきっていました。私はとにかく8巻までは描かせて欲しい旨はかなり何度もお願いしており、承知してもらっていると思っていたので、突然「あと3話で終わってほしい」(6巻で終了)と言われて急に殴られたようなショックに襲われてしまいました。詳しいことは教えてもらえないので分かりませんが、何もかも虚しくどうでも良くなり、あと3話で終わらすなんて到底無理だし、とりあえず1ヶ月休むと決めてたくさん遊びました。

この時は自費出版かなにかで続けていく道もあるなと考えていました。漫画のこと以外を考えている時はとても元気だったので大丈夫だろうと思っていたのですが、1ヶ月後、漫画を描こうとするとものすごい悲しみに襲われてしまい、ところ構わず涙が出てきて全くそれどころではないことに気付きました。自分が思っている以上に傷は深く、全然漫画を描けない状態になっていました。


漫画家にとって、漫画を描くことは仕事と割り切れない。

商業漫画は作品ではなく商品で、売上や会社の体制により切られる可能性はあるし、そのことが作品の価値を決めるものではないと頭ではわかっていても、切り離すことはできないと改めて感じました。思い入れのあるキャラ達が捨てられたように感じてしまい、ものすごい悲しみに打ちひしがれてしまいました。ただこういう体制である以上はもっと私自身が売り上げにシビアになって、ド趣味な漫画を商業に載せるリスクなどを考えておくべきだったと思います。

元気になるために休みます。

1年程の仕事を失った挙句漫画も描けなくなるなんて悲しいやら悔しいやらですが、この状況を受け入れるしかないので、いつか元気になれればいいな〜という位の気持ちでいることにしています。今まで漫画を描く元気を失ったことはなかったので、復活できるのがいつになるのかさっぱり分かりません。

回復までに時間がかかりそうだと判断し、以前やっていたイラストの仕事を少しやらせていただくことにしました。あとは身体を鍛えるべく、ピラティスを始めて、散歩・筋トレなどもしつつ、美味しいものも食べ元気に過ごしています。身の回りの人にはたくさん慰められていますし、新しく始めた水彩画塾で水彩画に没頭してみたり、交流で出会った作家さんとお話ししてみたり、今後も頑張りすぎずやっていこうと思っています。連載中の漫画以外のことに全く目を向けていなかったことも、ショックを受けすぎた原因かもと自分を顧みています。


転生魔法少年と刻印の賢者を読んでくださっている方へ。

読者さんでここを見てくださった方、本当にありがとうございます。間違いなく私の宝物です。連載が止まってしまい本当に申し訳ないです。続きを描くのはいつになるか分かりませんが、とても愛着のあるキャラ達です。いつか最後まで描いてあげたいです。


次作について。

転生魔法少年の続きになるのか、新連載か、そもそも商業で漫画を描けるようになるかどうかもわからない状態ですが、また漫画を描けたらいいなぁとは思っています。いつかどこかでまた再会できたら幸いです。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました🌱

#漫画 #漫画家

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?