Twitterの伸びる投稿に備わるものとは
「だからお前はTwitterをやめろって言ってるんだよ!」
3年前の春、夜の研究室に響き渡った声を今でも時々思い出す。
「乗車率」(@riding_rate)のTwitter(現・X、ただし以下においてもTwitter表記で統一)アカウントは2014年1月に開設してから2024年で丸10年を迎えた。開設当初は高校の同級生ぐらいしかいなかったフォロワーは大学在学中に大きく増え、気づけば3300人である。その中には同期の学生のみならず親族や大学院の先生など乗車率をリアルで知っている人もおおぜいいる。またフォローはしていなくてもアカウントの存在を認知しており、インターネット上での行動を監視している人も自分の所属している、あるいは過去に所属していた組織に多くいる。フォロワーの数は銃口の数と昔Twitterで見たけれど、実際に自分を狙っているのは多分フォロワーではない人の方が多いんではなかろうか。
Twitterでの乗車率を知っている人がリアルの乗車率の仕事ぶりを見たらあまりの落差に幻滅してしまうかもしれない。逆もまた然りであるが、リアルの乗車率を知っている人がTwitterの乗車率アカウントを見ると「こいつ仕事もろくすっぽできねえくせになんでネット上ではこんなに偉そうなんだ」という感想を抱くのもまあ無理はないと思われる。
冒頭の発言があった際、Twitterをしなければ君は成長するはず、あるいはTwitterを非公開にしてリアルの付き合いを大切にすべき、などいろいろなことを言われた。ただ正直どれもピンとこなかった。Twitterをやめれば成長するというのが偽であることは大学受験の時に学んだし、Twitterを非公開にすればリアルで乗車率のTwitterを監視している人との軋轢が生まれなくて済むというのはそれこそ「ストレスの元になるならブロックして見なければいいのに」で終わってしまうからだ。自分にとってこのアカウントは財産なので、それを身近にいるたった数人の怒りで捨ててしまうのはとても勿体無いことに思えた。
そうは言っても相手方が乗車率のTwitterの発言に不満を抱いており、それが現実の人間関係に影響を及ぼしているのは事実である。また、先述のとおりフォロワー外も含め多くの人がこのアカウントを見ている。迂闊なことを言えばあっという間に炎上してしまう。炎上せず、リアルでの怒られも発生せず、かつ見ていて面白く、バズればネットニュースに取り上げてもらえるようなアカウントとは何か、考える日々が続いた。
POOLOJOBで学んだSNSの伸ばし方
さて、4月から始まったPOOLOJOBの課題ではSNSの分析もあった。 SNSの運用に関しては、10年かけてフォロワー3300人のアカウントを作ってきた分他の人より先んじているという自負があった。
しかし勉強を始めて早々に一つの壁に当たってしまう。10年かけて作ってきたため、迂闊に方向性を変えられないのだ。「明日からこの内容の投稿だけします」という制限をかけるのは非常にストレスのかかることで、それはTwitterの投稿を全くしないのと同じストレスだった。またアイコンに関しても「人物にしましょう」という指示があったけれど、小学5年生の時に撮った広島22く33-65がもはや「黄緑色のバス」として自分を言及する際に使われるようになってしまい、今更自画像に変えるというのも困難だった(自分よりフォロワーが多いアカウントでアイコンが電車から自画像に変わったアカウントがひとつだけあった)。
アカウント設計に関して
一方で多くの学びがあった。今まで自分が見てきた「オタクのアカウント」と言えば、鉄道の話があったりバスの話があったりアニメの話があったりアイドルの話があったりと、いわゆる「ごった煮アカウント」が多かった。アカウントを分離する試みもたくさんあったけれど、あまりうまく行っていた試しがない。複数の話題にまたがる話になるとアカウントの切り替えが面倒になり、そのうち新しく作られたアカウントを使わなくなるというのをたくさん見てきた。しかしアカウントは「店」であるという意識を持つことが重要と知る。ここで思い出されたのがこち亀82巻の「おむすびころりん!の巻」である。
https://topview.jp/こち亀に学ぶ-経営の失敗-448
そう、ごった煮アカウントは「もはや何屋かわからない」状態なのだ。いろいろな分野のファンが集まるというメリットはあるが、何屋かわからない店に入るのは店主の知り合いだけなのだ。
そして、SNSが店であるという意識を持つことで、店にあるのは「売り物」であるという考えも生まれた。ネガティブなツイートはそれがネタとして昇華できないものに関しては売り物に被る埃でしかない。できるだけ公開アカウントでの愚痴は減らしていこうというマインドになった。別に非公開アカウントは持っているから、愚痴や他の人に言いづらいことはこちらで十分である。
投稿内容に関して
そして、インプレッションデータから伸びた投稿の分析も行った。
この投稿と、その上の投稿を比較すると、RT数の少ないこの投稿の方がインプレッションが多い。この投稿は引用 RTが非常に多くついている、つまりツッコミどころが多いのだ。一方1から10まで全て盛り込んだ文章はイベントの告知ならともかく画像1枚1情報の投稿ではあまり伸びない。伸ばすのに必要なのはツッコミどころという結論が得られた結果、最近では「あえて言葉足らず」な投稿をするようになった。例えばこれ
https://twitter.com/riding_rate/status/1797760399993114984
一方、RT数の割にインプレッションが伸びない投稿としてはマニアックな投稿がある。マニア向けの投稿もたくさんあるけれど、そういった投稿はインプレッションを伸ばす投稿とは別に考えた方が良さそうだ。例えば次の投稿はRT数が27なので普通の投稿なら1万を軽く超えているはずだけれど、約7500となっている。この意外さは鉄道ファン以外には説明されてもわからないだろう。
炎上しないコンテンツの作り方
今までは「批判が殺到しなければヨシ!」だった投稿に関しても、社会人になってからは守秘義務や就業規則に縛られることが増えた。これらはルールに基づくものであるけれど、実際はこれに加えて4が意外と大事になる。手っ取り早くインプレッションを稼ぐ方法として誰かに怒るという方法があるけれど、これを始めたら自分に返ってくるリスクが大いにある。
1.ルール違反行為は投稿しない。(コンプライアンス)
2.顔は可能な限り隠す。(プライバシー)
3.個人情報・未公開情報を出さない(守秘義務)
4.特定の人を怒らない、批判しない
おわりに
SNS運用は正直まだ始めたばかりでかなり未知数なところが多い。もし投稿を伸ばすのに上手い方法があったらまた共有できればと思う。
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