見出し画像

バイクと長く付き合うために

バイクに乗り始める前、中学校から高校に上がる頃、BMXが趣味だった。
当時僕は、とんでもない田舎に暮らしていたし、BMX自体が黎明期だったので情報源はほとんどない。自転車雑誌の片隅に、ほんの少しだけ載るショップ広告だけが頼りだった。
今でもメジャーになりきれないジャンルであるBMXは、簡単に言うとスケボーの自転車版で、色んなトリックに自転車でトライする、というもの。
その奇妙な遊びを、僕の母親は「お猿の自転車」と呼んで揶揄したが、当の僕は夢中だった。練習したことが徐々に身に付いていく楽しさは、どんなスポーツや学問でも同じだ。学校から帰って、夜な夜な練習したものだった。楽しく遊んでいる内に少々難しいテクニックもある程度できるようになった。

それでも、高校生らしく女の子に夢中になったり受験勉強などで乗らなくなってしまった。

僕の場合は女の子と勉強だったが、よく言われるBMXに乗らなくなる理由として「故障」がある。

BMXは乗っていると部品の緩み、ハンドルグリップの磨耗、パンク等、部品交換や修理が必要になる。それらを放置する事により、乗らなくなる人がとっても!多いのだ。

この点に関してはバイクも同じだと思う。
オイルやタイヤの交換時期がきっかけになったり、立ちごけでウィンカーが割れたのがきっかけになったりして、乗らなくなる。
そうなるのを防ぐには、メンテナンスする習慣と知識を持つ事が大事だと思う。メンテナンスは自分自身でやる必要はない。
できれば一通りの工具を持っていて、簡単な修理や整備ができる方が良いけれど、お金があれば他人に任せても良い。大切なのは「すぐに治す」ということ。いつも気持ちよく走り出せる状態をキープできていれば、乗らなくなる理由は極端に少なくなる。

バイクのコンディションの善し悪しは、健康な友人をハイキングに誘うのと、不健康な友人を健康にするところから、くらいの差があるのだ。

それに何よりバイクが万全の状態の方が愛情が続きやすい。「手がかかる程、可愛い」のはまた事実だが、バイクがボロくなりすぎると、手がかかる割に改善が見られなくなる。自分の提供する時間的、金銭的、体力的なコストに対して、リターンが小さくなっていく。そうなると色んな事が面倒になって、気持ちが離れていってしまう。
だからダメージの小さい内にすぐに治す事が重要なのだ。


愛用の自転車
まだ心の中に猿は居る(笑)

40代になった頃、ふと思い出して、またBMXに挑戦した。もう飛んだり回ったりするのは無理だけど、マニュアルという前輪だけ浮かせて走っていくテクニックはおじさんでもできる。時々、時間のある時にマニュアルtoホップで小さい段差を上がってみたり、どれくらいの距離をマニュアルで行けるか、とか一人コッソリ楽しんでいる。
もちろん整備は怠らない。
自転車の構造も昔とは変わった部分が沢山ある。というか、同じままの部品の方が少ない。
僕にとっては、そういう事柄を知るのもバイクや自転車が与えてくれる楽しい時間だったりする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?