子供のころの火事の記憶

1970年代、私は5歳まで大阪府の某市に住んでいました。
そんな子供のころに近所で火事があった記憶があります。
自宅の数軒先のアパート、避難も兼ねてか屋外のたくさんの野次馬の中で親と一緒に燃え盛るそれを見ていた記憶があります。
何せ子供のころの記憶であやふやなので親に確認したりもしたのですが、親の記憶も曖昧でした。

そのアパートにはシングルマザーのお母さんと一緒に小さな男の子が住んでいました。
たまに一緒に遊んだ記憶があります。
その男の子親子がその火事で亡くなったという話を、私はどうやってか聞いていました。当時の私が死をどうとらえていたかわかりませんが、他の友達と一緒にその焼け跡のアパートに侵入した記憶なども残っています。今思えばよく入れたなと思いますが、それが実際の出来事だったのかも定かではありません。

その男の子はおとなしめで髪が長めで、オーバーオールを着ていたような記憶があります。多分自分と同じ年くらいで、保育園に上がるか上がらないかの頃と思います。
お母さんがシングルマザーというのも、どこで仕入れた記憶なのか分かりませんが親の立ち話などを聞いていたのかもしれません。

何でこういうことを書いておこうと思ったかというと、保育園に上がるかどうかという時期に亡くなってしまったその子は、当時一緒に遊んだ私たちが覚えていないと他に誰もいなかったのではないか、そんな風にふと思ったのです。
シングルマザーの親子だったので、ご祖父母とのご縁もあったかどうかわかりません。
顔も名前もちゃんとは思い出せないけど、私は今生きている者としてその男の子が生きた証を残しておきたいと。
ちょっとそんな風に思いました。

ちなみにそのアパートの跡地は、グーグルマップではどん詰まりにあるので入れませんが(今思えばどん詰まりに建っていたアパートでしたね)しかし周囲の状況から見るに工場と駐車場になっているのではないかと思います。
現在になってそういえばあの火事はどういったものだったのかとネットで調べてみたりもしましたが、昔のこと過ぎるのか全く出てきませんでした。
ただ私の住んでいた家は今もまだそのままあるそうで(最近その近辺を覗いてきた家族の証言)、グーグルマップでは家自体は見えませんが、近所の光景はほとんど変わらずなつかしさすら感じます。

私はこちらに引っ越してきてから半世紀近くそこに戻ったことがないので、近いうちに訪れてみたいと思っています。

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