お守りとしての自死権利


スイスでの安楽死ツアー
死のう、死のう、と思うたびにそれが頭をよぎる
日本では安楽死が認められていない。たとえ、実行に移したのが本人だったとしてもそれを手助けした医師が自殺幇助罪に問われる。
しかし、オランダ、ベルギー、スイス、アメリカ合衆国の一部の州などでは医師による自殺幇助は認められている。中でもスイスは、唯一国外からの安楽死志願者を受け入れていることで有名だ。
最近だと「くらんけ」さんが自身の病気を理由にスイスでの安楽死を望み、その権利を得た。もしかしたらニュースなどで見た方もいるかもしれない。
今回の記事のタイトルは彼女の言葉をもじってつけている。

スイスでの自死を望んだ際、まず自殺ほう助団体に登録する。
現在スイスに存在する団体で有名なのはライフサークル、エグジット(スイス・ドイツ語圏、スイス・フランス語圏の二団体)、ディグニタス、Exインターナショナルの5団体である。
このうち、エグジットはスイス国籍保持者か国内居住者のみの受付、Exインターナショナルは受付対象者が(筆者の技量不足のため)不明だが、会員のほぼ全員がドイツ在住。
「くらんけ」さんが利用したライフサークルは、海外からの志願者の受け入れを行っていたが、2022年11月1日に新規会員の受け入れを終了した。

現時点(2023/12/22)で海外居住者が新たに会員になることができるのは、5団体の中ではディグニタスが有力候補である。そのほか、スイスのバーゼルに拠点を置くペガソスという団体も海外からの安楽死志願者を受け入れている。

さて、これらの団体に登録後、すぐに自死権利が得られるかというとそうではない。以下のような条件を満たしている必要がある。

  • 18歳以上

  • 不治の病気、耐え難い障害や苦痛を抱えている。

  • 直接生死には関わらないが、治る見込みがなく、QOLの著しい低下が明らかに見込まれる

  • 衝動的でなく、一貫して死にたいという意志がある。

  • 健全な判断能力がある(第三者の意図のもとでない)

複数団体の記事を見たが、大方はこのような条件である。
尚、エグジット、ペガソスのQ&Aにもあるように、精神疾患、鬱などでは自殺ほう助依頼を受け入れない。
要するに身体的苦痛が伴う病、もしくは障害を抱えている18歳以上の判断能力がしっかりとしている人のみが認められるようである。

この時点で私には安楽死を利用する資格はない。
あーーーあ、という感じであるが五体満足の健康体だから仕方ないね
ただ、ここまで書いてきてハイ終わりというのもなんかもったいないので最後まで書ききりたいと思う。

まず各団体へ登録後、必要な書類を提出する。
主には医師の診断書、簡単な自己の伝記、現在の状況、身分証明などが求められる。

書面で申請し、団体が審査する。書類審査ではスイスの医師が診断書をチェックする。それが通ると自殺ほう助の期日が決まる。スイスでは3~4日滞在し、その間にスイスの医師による2度の面談がある。この医師から許可が出れば、数日以内に自殺ほう助が行われる。渡航費などは自己負担。

(https://www.swissinfo.ch/jpn/culture/死ぬ権利_スイスで安楽死の権利を得た日本人が思うこと/45451154)(最終閲覧日:2023/12/22)

スイスでの安楽死の際に大きな壁として立ちはだかるのが言語である。
スイスでは主にドイツ語が用いられており、次点でフランス語が用いられている。さらに、スイスでのドイツ語はスイスドイツ語と呼ばれ、ドイツで使われている標準ドイツ語とはかなり異なるようである。
もちろん、書類もドイツ語、もしくは英語などの言語で提出せねばならないし、現地でもそれらの言語で医師と意思疎通をしなければならない。
この時点でなかなかハードルが高い。
先述のペガソスでは、英語のネイティブスピーカーを用意しており、ドイツ語を学ばなくてもよいという点では、日本人にとって少しはハードルは下がるだろう。

スイスの刑法では医師や第三者が患者に直接薬物を注射するなどして市に至らせる積極的安楽死を禁止している。
そのため、上記のプロセスで安楽死が認められた場合、医師が致死量の薬物を処方し、それを点滴では自分でバルブを開ける、経口では自分で飲み込むことで自死を図る。
担当医師の死亡確認後、現地警察による現場検証が行われ、遺体の火葬となる。

一連の自殺ほう助にかかるお金はペガソスでは10000スイスフラン。執筆時の1スイスフラン=約166円で変換すると約166万円。
ライフサークルのエリカ・プライシック代表が言うには

「会員費が年間45ユーロ。(医師や弁護士を通して行われる)診断書などの調査料が2700ユーロかかります。スイス人医師2人の直接診断も必要になり、900ユーロ。自殺幇助自体は、2700ユーロです。そこから警察などの捜査費用が450ユーロで、火葬や遺体搬送費に合計2250ユーロかかるのです」

「海外での安楽死」は200万円で十分可能 場所はスイス、ただし語学力が必要 #プレジデントオンライン (https://president.jp/articles/-/24274

つまり合計9045ユーロ。現在、1ユーロ156円のため、日本円換算約140万円がいる。(しかもこれは2018年1月時点の記事なので現在は値上がりしててもおかしくない。)さらにここに飛行機代片道17万、数日のスイス滞在費がかかり、それは本人だけでなく付き添いの人数分も必要と考えると250万は確実にかかるだろう。
たとえ、私が不治の難病にかかってても安易には申し込めないお値段だ。

ここまで、各団体のホームページやswissinfoなどの記事をまとめた。
実際に私がこれら団体を利用する資格はないし、資格があったとして、利用する資金力はない。昨日の自己紹介でも触れたが、親へのリターンなしに死ぬことが私はできない。そのため、ある程度の資金を残して死ぬとなると、250万+数百万は預金に欲しいところだ。だがまあ、昨今の景気を見てると宝くじで当たりを引かない限り、それは無理だろう。新卒の給料なんて普通に生きたらプラマイゼロになるんだから。(もしかしたら足りなくて貯金崩しながら生きるようになるかもだけれど)

まあ、お守りです。
世界にはこういう死に方があるんだぞって知ってるだけでいつでも死ねる気がするの。だからまだ正気の淵にしがみついていられる。
さて、実際に死ぬならやはり身投げだろうか。
やるんなら何階以上の建物がいいかなあ。
でも痛いのも汚いのも嫌だなあ。
太宰治は入水だったけど、遺体が綺麗だったのだっけ。
入水前の青酸カリを用意すべきだろうか

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