爺様
すごいですね、
ってだけで終わったらそれはただの切り離しだと思う。
意外と、危険なリアクションなのかもしれない。
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定食屋のカウンター席にて。
小鉢のメニューに関心を寄せた爺様が大将にすかさず、訊いた。
迷う間もなく、一閃。
0秒だろう、おそらく。
「さつまいもとずんだの和物です」と、大将。
すると目を輝かせてメモを取る爺様。
しかも紙切れではなく、B6ノートに一線を引いて継ぎ足しで書くタイプ。
線が年輪となり、幹の太さは増していく。
木、だ。
あの爺様は樹齢何年の大木?
これぞ、人生。
爺様のお歳になってもなお、学びは続く。
物事を知っている人と、知らない人がいる。
知り尽くした風の人はいるけれど、知り尽くした人はいない。
万物との対峙。
一戦一戦、大切にしていきたいもの。
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今日は恋について考える余裕があった。
こんな日は軽快な音楽が、明るい未来を彩るのかもしれない。
〈今日の一曲〉 ラブリー/小沢健二