「大豆のお肉」を比べてみた

1kgの牛肉を生産するためには、11Kgの穀物・大豆が必要

どのような経緯だったか憶えていませんが、夫馬賢治さんの「データでわかる 2030年 地球のすがた 」を読み、肉を食べるが地球環境によくない影響を与えていることを改めて認識しました。検索をしてみたところ、肉、特に牛肉を食べないこと、肉よりも野菜を食べることは、温室効果ガス排出削減や森林保全に繋がるという記事がたくさんありました。以前から言われていたことですが、自分で調べてみると実感が湧きました。

1kgの牛肉を生産するためには、11Kgの穀物・大豆が必要になる(参照

牛肉は単位生産量あたりのCO2排出量が豚の2倍、鶏肉の4倍、大豆の10倍(参照

反芻動物である牛はゲップをするため、メタンガスも排出する。牛が排出する温室効果ガスの約半分はこのメタンガス(参照

大豆の生産量はアメリカ、ブラジル、アルゼンチンで約80%を占める(参照

ブラジルは牛の放牧と大豆の生産のために森林を燃やしている(参照)。

そこで、今更ですが、以前から気になっていた大豆ミートなるものを食べてみようと思い立ちました。ところが、Googleで「大豆ミート 購入」と入力して検索したところ、値段や原材料等様々でどれを買えばよいのか全く見当がつきません。

ここでは、8社17製品について比べてみた結果をレポートします。

大豆のお肉の値段は商品により約5倍の差があった

グラムあたりの最高値は、「大豆ミート SOYKARA ソイから 大豆肉 ブロック 大豆たんぱく 無添加 110g/ヨネキチ」(参照)で、891円/100g、最安値は「ソイミート唐揚げタイプ業務用 1kg/かるなぁ」(参照)で、189円/100gでした。

ヨネキチさんの商品は国内製造、無添加のこだわりのため高くなっていると思われます。かるなぁさんは、有機栽培の大豆を原材料とするこだわり商品や、「国産」や「遺伝子組み換えでない」と記載の商品も販売されていますが、この商品はそれらに比べて安く、「国産」や「遺伝子組み換えでない」の記述はありませんでした。(遺伝子組み換えだから悪いと言っているのではなく、あくまでかるなぁさんは様々な商品ラインナップをそろえているというだけです)。

80〜100g入り商品のグラムあたりの標準的な単価は3.63〜4.86円で、外国産や遺伝子組み換え、調理の手間(後述)の要素が入ると安く、NEXT MEETの調理や、無添加の要素が入ると高くなるということだと理解しました。

(補足)下記説明より、無印は、「大豆ミート」については、遺伝子組み換えでない商品を使用されていると推測しました。丁寧に説明されており、安心感を持てますね。

無印良品では可能なかぎり遺伝子組換えの原材料は使用しない方針です。食品表示法で遺伝子組換えの表示対象となる農産物及び加工食品の原材料(原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位3位までのもので、かつ原材料の重量に占める割合が5%以上のもの)には、遺伝子組換え及び遺伝子組換え不分別は使用しておりません。

80g〜100g程度の小袋商品が多い

ブランドに馴染みがあり、購入しやすいのは、無印、マルコメあたりの商品だと思いますが、「大豆ミート ひき肉タイプ 80g(2~3人前)/無印」は80g(290円)、「ダイズラボ 大豆のお肉 【大豆ミート】 乾燥ミンチ 100g/マルコメ」は、100g(363円)でした。無印、マルコメは、フィレなど他のタイプも販売していますが、いずれも一袋80〜100gでした。

試しに買う人や、独身の方をターゲットにしているのでしょうが、ある程度の頻度で食べる家族用には、もう少し大容量で販売して欲しいところです。大豆のお肉がもっと普及すれば、このような商品も出てくるのでしょうね。

料理の手間は大きく違う

「ダイズラボ 大豆のお肉レトルト 【大豆ミート】 フィレ/マルコメ」と「大豆まるごとミート バラ肉タイプ徳用【国産】/かるなぁ」を購入したところ、2つの商品とも見た目はあまり変わらないものの、調理方法が大きく異なりました。ダイズラボは、袋に入った大豆のお肉をそのままフライパンに入れて焼けばよいのに対して、大豆まるごとミートは、熱湯で5〜10分茹で30分ほど出汁につけ置きしてくださいとありました。大豆まるごとミートは100g当たり210065円とかなり安いですが、これは、かなりの手間ですね。

味は相当淡白

食べた感想としては、お肉とは別物ですが、「大豆加工食品」としてはありかなと思いました。私は、大豆を蒸して大豆だけを食べるのは好きなのですが、お肉だと思って食べると味が淡白で違和感がありました。かと言って、たくさん調味料を入れると何のために何を食べているのかわからなくなってしまいます。

一方、8歳の長女は、「あたし、お肉嫌い。大豆のお肉は好き」と言ってパクパク食べていました。味が好きというより、お肉に比べて柔らかくて食べやすいからだと思いますが。

まとめ

地球環境保護、アニマルウェルフェア、あるいは、宗教的な理由で「大豆をつくったお肉のようなもの」がもう何十年も前から世に出回っていたのは知っていましたが、はじめて購入して食べてみました。

国産大豆は100円/100g程度、鶏肉や豚肉は100〜200円/100g程度なので、これに比べれば高いですが、たまになら購入してもよい価格だと思いました。味は、とても美味しいという訳ではありませんが、お肉とは別の食べ物としてはアリだと思いました。問題は、湯通しの手間ですね(不要な商品もありますが)。湯通し不要の商品、または、湯通し後ストックしておけば、週1くらいはお財布的にも時間的にも無理なくお料理できそうです。

(参考)amazon、個別オンラインストア等で調べた価格と内容量

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