週末のラグビーレポート(2021.12.04) 関東大学ラグビー対抗戦第7節最終節 帝京大学 vs 慶應義塾大学戦＠秩父宮

爽やかな澄みわたる青空とまるであたたかな拍手のように
スタジアム周辺を黄金に輝くイチョウの木々たちがやさしくとりかこむ

そしてその中心であるグラウンドは暖かな太陽の陽射しが差し込み
12月とは思えないほどの陽氣で選手たちと観衆を包み込み
最高の舞台は整った

この日は関東大学ラグビー対抗戦の最終節　
帝京大学と慶應義塾大学との一戦

ここ数年優勝から遠ざかっている帝京は
今季はここまで唯一全勝をキープ
この試合で勝てば明日の早明戦の結果を待つことなく優勝が決まるため
ここで決めておきたいところだろう

一方の慶應はそんな帝京に対し
ここ2年は執念で連勝をもぎ取ってきている相性のいいチームでもある
ここで勝利することができれば今季絶好調の相手を止めたということで
自分らの自信にもつながるだろうし
このあと控えている大学選手権にも弾みがつくだろう

毎年いろんなドラマを魅せてくれるこの対戦だが
今年はどんなストーリーが待っているのか

前評判では今季FWの圧倒的強さを要する帝京が優勢で
試合開始1分ほどで帝京がすんなりトライを先制
いきなり力を魅せてきた

しかし慶應もそれで黙ってはいるわけにはいかない
即座に反撃に転じ5分過ぎに慶應もトライとゴールを決め同点
いいぞ これはおもしろい展開だ

そして前半も中盤に差しかかってきた頃
今度は慶應がトライとゴールを決め逆転に成功
いいぞいいぞ 俄然試合がおもしろくなってきたすると今度は帝京がそのあとトライとゴールを決め再び同点
ドキドキワクワクタイムがつづく

このままハーフタイムにもつれこむのか それとも....
すると前半もあと数分というところで帝京が
またまた意地のトライ&ゴールを決めてくる

結局前半は21-14で帝京が1Try 1Goalのリード差で折り返すことに

帝京有利の評判が高く 試合が始まる前までは
「前半で帰ろうかなぁ」なんて声もまわりから聴こえてきていたが
両チームの攻防を前にそんな氣持ちも徐々に変わってきたようで
その声もハーフタイム間際には白熱する展開に
がんばれぇ～と応援するようにまわりも変わっていた

ハーフタイムも終わりここから後半戦
例年ここからいろんなドラマが繰り広げられている
今年はいったい何が起こるのか

すると後半は帝京が前評判通りの強さを発揮
連続してトライを重ね 容赦なく慶應を突き放しはじめる

慶應もなんとか踏ん張りたいところだが
前半での突然の主力交代や前半の疲れも出てきてか
後半に入ってからの帝京の怒涛の攻撃に
氣持ちの持続も苦しくなってどうにもいかない歯がゆそうな表情や
ややうつむき加減な姿を観ることが多くなってきた

ここがふんばりどころ
本人たちが一番それはわかっているところだろう
でもまわりの大人たちは案外非情なもので
まだ試合途中であるにもかかわらず席を立つ人たちが増えてきた

それでなくても試合が始まる前からすでに
最終節の強豪校同士の戦いとは思えないほど
スタンドの席がさみしいくらいに空いている
決してソーシャルディスタンスの規制でそうなっているのではない

観たくても思ったように観れない人たちもいれば
この場に立ちたくてもなかなか立てない選手たちも大勢いる
何とも言えない想いが渦巻く中 
試合は淡々と時間を刻みながら進んでいく

結局後半は帝京のOne Side Gameで
慶應は前半のような自分らのプレイをなかなかさせてもらえず
帝京が予想以上の大差をつけ勝利
この瞬間帝京の対抗戦全勝優勝が決まった
そして慶應は4位で大学選手権に臨むことになる

慶應は前半までいい試合運びをしていただけに
それを持続できていたなら後半もおもしろい展開になっていたかもしれない

とはいえ勝負に”たられば”は通用しないから仕方ないのだが
今回の悔しさを大学選手権では晴らせるような戦いをしてほしいものだ
そして帝京は大学王者奪還に向けて一段と氣合をいれてくることだろう

この試合ですべてが決まるわけではないし
大学選手権ではまた違ったドラマが待っているに違いない

単に技術だけの問題ではない
特に学生スポーツという限られた時間の中で過ごす
限られたチャンスをどういかし どう楽しみ どうまっとうするのか
大人の世界とはまた違った独自の葛藤と
ここでしか味わえない世界がそこにはひろがっている

試合が終わって人々が去り
まるでさっきまでのことが夢の中のことだったかのように
淡々と静寂のなか芝を整理する機械の音と共に
グラウンドに射しこむ夕暮れの光が
ほのかに香る芝の香りとともに
よろこびと哀愁をやさしく一緒にそっとつつみこむ
長くのびる影がまた明日へとつながっていく

このグラウンドはもうすぐ改修工事が行なわれることになっており
新しいグラウンドは屋内式の人工芝予定のため
こうやって独特な雰囲氣を味わいながら
ここでこうして試合を観れるのもあといくつだろう

勝負だからもちろん勝ち負けは大事な要素の一つではあるけれど
それだけでない大切な価値を
いつまでも大事に遺していきたいものだ

＊なおここにある写真以外やこれまでのラグレポなどは一部
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私を通して観たり感じた大切にしたいもの遺したいものが
少しでも多くの人のもとに届いて
笑顔やホントの豊かさがふえますように🎁

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