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人はこれを「詐欺サイト」と呼ぶ…のか?

海外サイトで服を購入。受け取れないまま代金が引き落とされ…

海外通販サイトの危険性は知っているつもりだった。
だから、海外サイトでどうしても欲しい服と出合ったその日、サイトの口コミやURLの正確性はもちろん、運営企業の所在地と電話番号の確認、企業登記されているか、写真が有名ブランドのコピーでないか、特商法の記載、返金規約、消費者庁の悪質サイトにリストアップされていないかなど、かなり調べてから購入を決めた。27600円だった。

口コミサイトで当該店舗を見ると、到着が遅いと書かれたものこそ多かったが、品物は届いているようだし、品質に関する問題点を上げる投稿は数えるほどで、まあ許容範囲。ふだんから海外サイトで買い物をしているため、到着が遅いことは気にしなかった。

だが、甘かった。

サイトで注文した翌日、家庭の事情で急きょ1カ月ほど自宅を離れることになり、その間に自宅に届いた荷物を受け取ることができなくなった。
当該サイトの商品も、この間に宅配業者から届いていたようだ。

しばらく受け取れないことが分かった時点で販売店へ連絡をしておけばよかったのだろうが、家族の生命に関する緊急事態だったため、正直、通販のことなど考える余裕はなかった。
また、このサイトは発送のタイミングが分からず、注文から発送まで2週間程度かかる場合があるみたいだし、到着に1カ月かかったという口コミも複数見ていたため、大丈夫だろうと高をくくっていた。

そして1カ月後、帰宅してすぐ宅配業者に連絡。しかし商品はとっくに配達・不在持ち帰りからの、販売店へ返送されていた。(業者さんごめんなさい)
私は再配達をしてもらうため、通販サイトへメールを送った。
電話ではなくメールにしたのは、サイトに「現在、電話での対応をしていないのでメールか問い合わせチャットからご連絡ください」と書かれていたし、電話をしてもつながらなかったからだ。

「電話でなくメールで」に関しては、実は購入前から違和感はあった。でも、欲しい気持ちが勝ってしまい「大丈夫だろう」と良い方に考えてしまった。

メール配信から数日経つも、返信はいっこうに来ない。再送しても、返信はない。チャットボットに問い合わせても、定型文以外の返事はかえってこない。

そしてカードの支払い月となった。
明細書を見ると、見事に引き落としになっていた。

販売サイト記載の規約では、購入者が長期不在などで受け取らなかった場合は契約不成立とは書いてあるが、返金しないとは書いていない。

ここですぐにカード会社へ連絡すればよかったのだが、商品を受け取っていないので翌月に返金されるかもしれないと思い、翌月まで待つことにした。

翌月、明細に返金の記載はなかった。
カード会社に確認したが、やはり返金の手続きは行われていなかった。


(Photo: 77c / 写真AC)

消費者センターに相談するも解決せず

次に、居住市の消費者センターへ連絡をした。
相手にクレームするつもりではなく、連絡が取れないので困っていたから。
問題が起きた当初は再配達依頼をしたかったのだが、連絡がとれない不信感から、気持ちは返金希望になっていた。その旨をセンターの担当者に伝えると、まずは時系列とどうしたいかを書いた配達証明郵便を通販会社へ送るよう言われた。返金手続きを進める前に、あらゆる連絡手段を取ってみる必要があるという。配達証明郵便のお値段、約800円。

二週間後、配達証明郵便は受け取られず戻ってきた。
その旨を消費者センターへ連絡すると、次はカード会社に支払い停止の申し出書を送るよう言われた。

カード会社は、申し出書を受領後すぐに電話をかけてきてくれた。
だが、購入から3カ月を経過した案件の返金手続きは管轄外だという。
ただ、引き落としはカード会社でも、Amazon Pay を経由しているので、Amazon Payから返金申し立てをしてみてはどうかと提案があった。

Amazon Payで申し立てをしたが、やはり通販会社からの返信はなかった。
その旨を消費者センターへ連絡したところ、消費者センターでも当該サイトの企業情報を確認したけれど疑わしく、詐欺サイトに該当するので警察に相談してくださいと言われた。

え。これは詐欺サイトなの?

どこまでが詐欺サイトなの?

私の中では、詐欺サイトとは、所在地や電話番号がでたらめか書いていないかで、代金を支払っても商品が送られてこないイメージだった。(もしくは送り付け詐欺とか)

今回のケースは、商品は(おそらく)送られてきて、私が長期不在で受け取れなかったことが問題の発端なので、詐欺サイトではないのでは?
企業登記に記載された所在地も、サイト記載の電話番号も実在しているし(ただし電話は自動メッセージが流れるだけ)、宅配業者が配送した履歴もあるから(問い合わせ確認済み)、詐欺サイトには当たらないのでは?

いや、まてよ。そういえば結局、支払いをしたのに商品は受け取ってない。所在地だって、たしかにグーグルアースで建物は調べたけれど、そこで事業がおこなわれているかは写真じゃわからない。企業登記だって、架空でやろうと思えばできるみたいだし。

ちなみに、グーグルアースによると、記載された住所はマンションだった。
消費生活センターの人は「マンションだから実態がない」と言った。でも、通販サイトならマンションの一室で運営することもある。

「連絡がつかない、所在地に人がいない時点で詐欺サイトです」とも消費者センターの担当者は言った。
が、そりゃあまりにも安易に決めつけすぎじゃないか!?
それとも、私がお人よしなのかい?

……昔、ホスト出身の友人に「RICKEYは騙されやすいから、ホストにはいかないほうがいい。ぜったいハマる」と言われたことを思い出したが、こういうことだったのかい?

もう、わけわからんくなった。

果たして詐欺サイトなのか? 警察の判断は…

警察に相談するとなると、また時間と手間がかかる。コスパが悪すぎる。
半面、ここまできたらライターとしての取材心も顔を出す。

なので、まずは警察の通販サイトトラブルの担当部署に通報メールをしてみた。
すると、翌日返信があった。
「対象のサイトを確認しましたが、詐欺サイトと判断することが困難な状況です」と。
まぁ、腑に落ちる回答だった。

それでも被害届を出すことはできる。取材を兼ねて話を進めたい気持ちもあるが、正直そこまでの時間も気力もない。
27600円なら、仕事で稼げばいい額だし。
というか、なんだか私が単なるクレーマーのようにも思えてきた。
私が受け取っていればよかった話だから。

こうして、多くの類似案件が闇に消えていくのかもしれない。

ただ連絡がとれて、返金しないならしない、再配達は手数料がかかるなど、何らかの反応をして欲しいだけなんだけどなぁ。

*最後までお読みいただきありがとうございました。
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