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自分の「強み」に迷ったら読む話

友人たちと飲んでいるときに「自分の強み」の話になった。
その場には英語が堪能だったり、プログラミングが出来たり、統計に強かったりと様々な「強み」を持った人間が揃っていたのだが、そんな話をしたいわけではない私はこう問いかけた。

「そういうスキルはなしで、パーソナリティとして自分が優れてる部分、すぐ言える?」

ちなみに彼らはみなそれぞれ、有名大学を出て誰もが名前を知っている超有名企業でエースとして働くエリートたちだ。
(今思えばそんな彼らにこんな質問したのはおこがましいにもほどがある。酔っていたのだろう。)

皆、少し考えた後にそれぞれから出てきた答えが面白かったので共有しようと思う。

ところで、履歴書や職務経歴書を書こうとしたときに「あれ?自分の強みが分からない・・」と悩む人は多いようだ。
大学生の就活であれば「根性がある」「面倒見が良い」「潤滑油です」となんでもありだったが、社会人を経験したうえでそんなことを書くわけにはいかない。
かといって突出したスキルが見当たらない。
自分はいったいこの会社で何をしていたのだろう・・と。

(その前に)ハードスキルは「出来る」or「出来ない」

具体的な「これが出来る」というスキルを「ハードスキル」というが、具体的には次のようなものだ。

・英語が出来る
・この言語のプログラミングが出来る
・デザインが出来る
・このツールを使いこなせる
・部下の労務管理が出来る
・新規営業が出来る
・調査アンケートの設計が出来る

基本的にこれらはこれまで行ってきた業務自体が証拠となるものである。
飛び込み営業をやっていたなら「新規営業が出来る」だろうし、サイトの運用を行っていたなら「Webディレクションが出来る」だろうし、課長をやっていたなら「部下の労務管理が出来る」だろう。
ポイントは、ハードスキルは習熟度ではなく「出来る/出来ない」に重きが置かれるということだ。
その道のトップの腕前である必要はない。

「動画編集が出来る」と書いたからといって超高度なCGが作れたりオリジナリティあふれる演出が作れる必要はない。AdobePremiereProが触れればそれで充分スキルとしては存在する。

皆の「強み」:ソフトスキル編

さてここからが冒頭の話だ。

「そういうスキルはなしで、パーソナリティとして自分が優れてる部分、すぐ言える?」
に対する私の友人たちの答えだ。

・決断が速い

これは統計に強い、データサイエンティストの答えだ。
データを扱う彼だからこそ「根拠が揃っていない状況」での決断は避けたい立場にあるらしいがそんな証拠不十分な状況でもどちらかに決めなければならない局面が多いらしい。
そんな中で「じゃあ、たぶんこっち。」とサクッと決められるパーソナリティは間違いなくチームとしては頼もしいリーダーだろう。

・お局に好かれる

これは多くの部署と日々連携しながら働く企画職の答えだ。
ある企画やプロジェクトを進めようとすると、必ずといっていいほど厄介なことを言いだす「お局」のような人がいるものだ。
そんな時にお局の懐に入り込み、「まぁあんたがそこまで言うならいいよ」と協力を取り付けることが出来る人間関係構築能力は間違いなく彼の仕事をドライブさせている。

・運が良い

これはとあるメディアの編集者の答えだ。実に「物書き」らしい答えである。
多くのライターを束ねる彼の言う「人に恵まれた」は、周りに感謝できる彼の人となりを表現した強みであろう。
また、日々「面白いこと」を考える彼にとっては良いアイデアが浮かんでくること自体が「運が良い」ことであると言っていたが、そんな運を引き寄せる行動をとっていることを嫌味なくよく表現している。

・良いことを思いつく

これは他ならぬ私の強みである。
行き詰った時に「こういう感じでやったら良くね?」といった案が「それめっちゃいいやん、天才!」とピンチを打破することが多く、翻って関係のないプロジェクトからも「なんかいいアイデアくれ!」と頼まれることも多い。
小さいころから友達が少なくずっと一人遊びをクリエイトしてきたこと、多くの会社や職種を経験したことによる発想の幅がこの強みの源泉であると自己分析している。

「謙遜」を捨てれば「強み」は言語化できる

私は、「自分の強みが分からない」という悩みの源泉は謙遜にあると思う。

・この程度のスキルを強みだなんておこがましい
・他には、もっとすごい人がいる
・自分でそんなこと言うの、恥ずかしい

このような日本人特有の恥じらい心が、無意識に自分の強みの種を消してしまっている。
突出したものである必要はないし、ありふれたスキルであってもそれが出来ない人がいる以上は出来るあなたは強みがある。

例えば「ありふれたスキル」の代表として
・エクセルを使いこなせる
というものがある。
「そんなものビジネスマンとして常識のスキルだ」と思うかもしれないが、IT業界の雄、楽天という会社ですら「使いこなせる」レベルの人は数少なかった。
関数やピボットテーブルを感覚的に使いこなすだけで圧倒的上位レベル、マクロまで組もうものならトップレベルのエクセラーである。いの一番に履歴書に書いていい。

また、私が使いがちな「強み」のひとつに
・断捨離が得意

というものがある。
こんな人、日本に一千万人くらいいるだろうが謙遜を捨てて表現を工夫すれば強みに昇華する。

私はいつも心のどこかで『これ本当に必要かな?捨てちゃダメかな?』と考えているので日々の業務やコストについても常に必要性を再考して無駄を削減することに至高の喜びを感じることが出来る。
こんな掃除屋が部署に一人いればその部署のフォルダの整理は保たれ、メンバーは無駄な業務から解放され、コストは削減されるかもしない。

という風に、自分で「当たり前すぎてこんなこと書くだけで底が知れる」なんて遠慮はいらない。

最後に私の好きなYouTuber、中田敦彦の言葉を紹介して終わろう。

『優れるな、異なれ。』

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