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年収400万円→年収600万円に出来た27歳の転職

今回は私が27歳の時に人生で2回目の転職をした時の話。
結果から言うと当時の年収400万円から年収600万円へ、そして大阪から東京へと、人生で大きな転機ともいえる転職だった。
おそらく私の人生に興味のある人は皆無であろうから、年収を上げられた点を中心に振り返ろうと思う。

当時の私の状況

まず当時の私の会社員としてのスペックは下記の通りである。

学歴:近畿大学経営学部卒業
職歴:岡三証券での営業経験(2年半)
   トランスコスモスでの営業経験(2年半)
スキル:特になし
年収:約400万円

1社目の岡三証券では三重県の津支店で勤務しており、2社目のトランスコスモスでは大阪で勤めていたので、この転職は「東京への進出」という側面もあった。
2社とも営業職という職種で従事してきたので「営業力」以外の目に見える、いわゆるハードスキルは持ち合わせていなかったが業種として証券業界から異業種の広告業界を経験していたことは今思えば稀有な経歴としてアピーリングな要素になっていたと思う。

転職した先は「楽天証券」

さて、この時私は多くの候補の中から転職先を探したのではなく、
完全に2社に狙いを定めていた。
それが当時ネット証券トップ2だったSBI証券と楽天証券である。

そもそも私は証券業界が大好きであり、だからこそ1社目に岡三証券に入社している。
退職後も証券業界から離れたいと思ったことはなく、「いつかはネット証券に」という思いを持っていたので、割と戦略的な転職だった。

証券業界での経験に加えて、ネット広告業界での経験をある程度積んだことで、「今の自分なら欲しがってくれるんじゃないか」という感覚でこの転職には挑戦した。
(したがってこの時点で年収のこととかはほとんど考えていなかった。)

そしてSBI証券は当時採用(求人)がなかったため、消去法でちょうど募集していた楽天証券のマーケティング職へエントリーをした。
そして無事、面接を通過して内定をもらったのだが、
このプロセスで私は給与交渉を全くしていない
「ネット証券で働きたい」という思いが強かったので給料などどうでもよかったのだが、合格後の条件を提示されたときに(正確には年収の提示ではなく月給ベースだったと思うが)600万円ももらえるということに気づいて喜んだ。

まぁ20代の転職なんてそんなもんかもしれないが、とにかく「ラッキー」くらいにしか思っていなかった。(それより東京で、そして憧れのネット証券で働けることが嬉しかった。)

年収を上げることが出来たポイント

先述の通り年収が上がったことはあくまで結果論だったのだが、今思えばこの時自分が年収を+200万円も上げることが出来た要因は客観的にみると明確であると思っている。

①グループの給与水準が高かった

楽天証券はその名の通り、言わずと知れたIT業界の雄「楽天グループ」の金融事業である。
当然、給与水準も楽天グループが基準となる。
そして楽天グループの給与水準は、高い。
通常、転職では前職の給与を参考に給与が決定されることが多いが楽天レベルの大企業になると若手の給与はほぼ年齢で決まっているといっても過言ではない。
つまり、前職の給与に関わらず
楽天では27歳の給与はこれくらい
という水準で決定されるのだ。
そしてその水準がトランスコスモス(大阪)よりはるかに高水準であったために結果的に私の給与は爆騰した。

②業種の給与水準が高かった

加えて、証券業界自体の給与水準が高いことも影響している。
先ほど楽天グループ水準とはいったが、その中でもやはり事業別にその水準は若干異なる。
そして証券事業の給与水準は、高い。
金融業界の給与水準が高いことは有名かもしれないが、他社から採用するにあたりやはり同様の水準を保っていないと人が来ない(or出て行ってしまう)ことになるのでその業界の水準は一定程度反映される。

こうして「27歳としての給与水準」が高い楽天グループで、その中でも水準の高い金融事業に入ったというダブルの恩恵で年収アップを獲得できたのだと思う。

転職(合格)できたポイント

大阪の何者でもなかった私が採用されたポイントは明確である。
それは「証券業界」と「広告業界」どちらも経験しているという稀有な経歴があったからだ。

これはよく言われる話だが、
証券会社で働いている人は無数にいる。
広告代理店で働いている人も無数にいる。
しかし「証券会社」と「広告代理店」どちらでも働いた人になると一気に稀有な存在になる。(私も以降、採用に携わったこともあるが応募者でもほとんど見かけなかった)

そんな人が
「証券会社で広告に従事したい」
と応募してきているのだ。
自分で言うのもなんだが、そんな状況、よっぽどのポンコツでなければ採用するだろう。

つまり私はスキルや実績で合格したのではないと自覚している。
完全に、「職歴」だけで転職できたと。

20代の年収は「業界」で決まる

この経験を通して私が伝えたいのは、特に20代においては給与にはスキルや実績が反映されることは(大きな会社であればあるほど)ほとんどない。
20代なんて、スキルも経験もトントンだからこそ、その業界の水準によって決まってくる。

つまり、
年収を上げたければ年収の高い業界に行け
もしくは
年収の高い企業のグループ会社に行け
である。

繰り返しになるが私自身は年収を上げたくて金融業界にいるわけではないが、好きだった業界がたまたま年収の高い業界だった。
これは完全に運が良かった。

そしてその転職の確率を上げるには、スキルや実績をどれだけ自慢しても信頼されない(スキルや実績を重視するなら30代に山ほどいるのでそちらから選ぶ)ので、20代は経歴に希少性がある人のほうが強い。

「IT企業で経理を担当しています」よりも
「IT企業でも、政府機関でも経理を担当していました。」のほうが強いし、
「メーカーで営業をしています」よりも
「メーカーでも保険でも営業をしてました」のほうが強い。

価値というのは需要と供給で決まる。
この「供給」部分を絞るために自分の経歴を「どれだけ稀有か」という観点でキャリアを築いていると、おのずと転職成功率は高まっていくのかもしれない。


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