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会社員が1ヶ月以上休みたければ転職して有給消化するしかない

真っ当な転職経験がある人なら(ない人でも)わかると思うが、退職と入社の間には有給消化などで1ヶ月程度空白の期間が出来ることが多い。
多くの人はこの期間に旅行に行ったり、次の仕事に向けた準備などをすると思うが、言わずもがなこの「大人の夏休み」は転職をしたものにのみ与えられる特権である。

日本の「リフレッシュ休暇」はクレイジー

日本では年に1度か2度、1週間程度の「リフレッシュ休暇」を取得するかGWやお盆休みなどの「カレンダー通りの休暇」が与えられるのみというのが一般的だ。

これは気が狂っている。
22歳から60歳まで同じ企業で働く人であれば約40年間、1週間以上は休まないということになる。

何度も言うが、これは気が狂っている。
断言するが、人間は1週間ではリフレッシュできない。
特に真面目な日本人にとって、1週間だけパチッと仕事のことを忘れるというのは難しい。
こんなクレイジーな国民は日本人だけだろう。
戦後の高度経済成長と引き換えに追った十字架ともいえる。

一方で、慣習というのは最も変えることが難しいルールの一つだ。
多くの日本企業の「最長で1週間程度」という休暇制度は、少なくとも私が生きている間は変わらないだろう。

転職者の過ごし方(私のケース)

一方で(ちゃんとした会社に行っていればだが)転職をした人間には一般的には「有給消化」という長期休暇が与えられる。
私もこれまでに3度の転職をしているので、この「大人の夏休み」を人生で3回取得している。
転職者の過ごし方をイメージ出来ない人のためにも、その過ごし方を振り返る。

24歳、3ヶ月の休暇

初めて会社を辞めた時、次の会社が決まっていなかった。
私はこの時、完全に無職だった。
※ちなみに最初の会社は有給消化させてくれなかったので最終出社日が退職日となった。
しかし若かったこともあり意外にも焦りはなく、雇用保険をもらってのんびり転職活動をしながら過ごしていた。
とはいえ無職の24歳が旅行に行く余裕などあるはずもなく、お金のかからない方法(読書や散歩)でただただゆっくり心の傷を癒していた。
結果的に3ヶ月程度で次の会社が決まり入社したのでそれほど長期の休みにはならなかった。

27歳、1ヶ月の休暇

次に転職した時が最もオーソドックスだったと思うが、約1ヶ月の有給消化を過ごした。
この転職で大阪→東京に初めて上京したので、この時も旅行などをするわけではなく引越しや東京観光を楽しみながらのんびり過ごしていた。
また、次の会社では英語が公用語と聞かされていたので怯えながら英語の勉強もしていた。

32歳、1ヶ月半の休暇

この時はようやく時間にもお金にもゆとりのある休暇となったが、コロナ禍真っ只中だったので海外旅行には行けなかった。
「こんな時にしか行こうと思わない場所へ行こう!」と思ってとりあえず鳥取空港に行き、そこからその日の思いつきで観光しながら電車で西に向かっていくという終わりのない旅をした。
結局1週間くらいかけて長崎まで行き、飽きたので東京に帰った。
今思えば非常に有意義な旅行だった。

転職以外の長期休暇は実質難しい

理屈上は、転職をせずとも有給のまとめ消化や「休職」によって休暇を取ればいいじゃないかという話になるが、日本においてそのような「非常識な」行動は下記のようなデメリットが大きい。

・そもそもそんな休暇や休職は会社から認められない
・「仕事をなめているやつ」というレッテルが張られて肩身が狭くなる
・(休職した場合は)転職活動の際に休職期間が不利に働く

「会社から認められない」という話になると、「労働基準法で認められているから法的には問題ない」的な議論に持ち込む人がいるが、そんなやつはおそらくまともな社会人経験がないのだろう。
我々(休みたい勢)はなにも会社と喧嘩したいわけではない。
むしろ会社が好きだからこそ、辞めることなく良好な関係性を維持しながら長期休暇を認めてもらうということが理想なのだ。

よって会社から「いやーちょっとそれは勘弁してほしい」と言われると、こちらも「ですよねー」と、それ以上ややこしいことを言うのははばかられる。
会社と仲良くやりたいなら諦めろ、どうしても休みたけりゃ辞めろ。
これが現実だ。

休暇が欲しけりゃ転職しろ

社会人として定年近くまで働きながら、その間は最長1週間程度の休暇しか取れなくても文句がないならよいが、少なくとも私はそんな人生はゴメンだ。
定期的に数ヶ月(できれば数年)程度の長期休暇を挟みながら仕事をしたいし、それを社会人として日本でするためには転職により休暇期間を作り出すしかない。
私は、基本的に会社員全員が(今の会社がよっぽど好きでない限り)「休暇のために定期的に転職する」べきだと思っている。
一般的に転職は給与アップやキャリアアップ、その他より良い労働環境を求めて行う人が多いと思うが、そこに付いてくる「1ヶ月くらい休める」というオプションがなにより大きい。
次の会社が合わなければ、しばらく我慢してまた転職してこのオプションをもらえばよい。
休暇のための転職は、日本で会社員として働きながらも自由を勝ち取るために重要なハックである。

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