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物性の踊り子

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有機化合物をベースにした物性物理を学ぶいっちーの日誌です。
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記事一覧

徳利瓶

 財布を失くし、居酒屋のバイトの面接を控えているという状況に人生は緊張状態に入っている。間もなく心穏やかな日が来ることを願って! 今日やったこと 井本稔著『有機電子論解説(上)』(東京化学同人)  第2章 共有結合とくに一重結合について 論文 K. M. Felter and F. C. Grozema, J. Phys. Chem. Lett 10, 7208-7214 (2019). sp3混成軌道  同じような内容をなぞっている気がしてきた。はやく新しいことをや

観客

 新4年生が研究室に配属される日が刻々と迫る。院生になったみんなはいつもと変わらない日常を過ごす。私はこっそり勉学に励んでいる。いつか私が輝ける日を願って! 今日やったこと 川村肇著『半導体の物理』(槇書店版)  1.3 Fermi-Diracの統計  前回のつづき(波数空間との絡む部分) 志賀正幸著『固体電子論II』(まてりあ 第44巻 第1号 (2005))  2.2 周期ポテンシャルの影響1 論文 E. Ehrenfreund and Z. V. Vardeny,

副殻と縮退

 実験をしてから友達とのごはんなどもあって少し勉強できない日がつづいた。付き合いもしながら勉強できたら大学生は一番いい。しかし、すこし勉強しなさすぎたようにも思う。ここ数日でやった勉強の成果をあわせてのせる。 副殻  数か月前に「副殻」という言葉をみたが、あまり意味が分からなかった。そのときはネットで調べて「副殻は古い言い方だ」ということだったので理解するのをあきらめたのだった。いまはよくわかるし、大事な概念だったこともわかる。  古典的な描像では電子は原子核の周りを廻る

三指数フィッティング

今日のテーマ 今日やったことは 小川桂一郎・小島憲道編『現代物性化学の基礎 化学結合論によるアプローチ (第3版)』(講談社)  1.4.6 電子スピン  コラム Pauliの排他律の起源 井本稔著『分子軌道法を使うために』(化学同人)  1-1 分子軌道とはどういうものか 論文 M. Ullah, S. D. Yambem, E. G. Moore, E. B. Namdas, and A. K. Pandey "Singlet Fission and Triplet E

直線的なアセン

 来年度がいよいよ迫っている。私は晴れて大学院生になるわけであるが、恥ずかしいことに院生にしては無知すぎている。後輩もできる。胸を張れるように私はもっと物性について知らなければいけない。今日からいろいろ勉強することにした。 今日のテーマ 今日のテーマは 川村肇著『半導体の物理』(槇書店版)  1.3 Fermi-Diracの統計 志賀正幸著『固体の電子論 I』(まてりあ 第43巻 第11号 2004) 論文 J. Xia, S. N. Sanders, W. Cheng,