大学院生です。勉強の日誌や読書、映画の感想を書こうと思います。知識は浅薄なので温かく見…

大学院生です。勉強の日誌や読書、映画の感想を書こうと思います。知識は浅薄なので温かく見守ってください。また、誰も読まないだろう記事を量産しようと思っています。

マガジン

  • 物性の踊り子

    有機化合物をベースにした物性物理を学ぶいっちーの日誌です。

  • 雑感

  • 読書

    読んだ本について語ります。

  • YouTubeコンテンツ

  • 映画

    映画の考察や、映画関連した作品などを紹介します。

最近の記事

  • 固定された記事

直線的なアセン

 来年度がいよいよ迫っている。私は晴れて大学院生になるわけであるが、恥ずかしいことに院生にしては無知すぎている。後輩もできる。胸を張れるように私はもっと物性について知らなければいけない。今日からいろいろ勉強することにした。 今日のテーマ 今日のテーマは 川村肇著『半導体の物理』(槇書店版)  1.3 Fermi-Diracの統計 志賀正幸著『固体の電子論 I』(まてりあ 第43巻 第11号 2004) 論文 J. Xia, S. N. Sanders, W. Cheng,

    • コンプレックスの怖い部分

      忘年会で酔っ払った。前には下品な話、ブスの女がどうとか。やるやらないとか、気持悪い…。 酔っていると「無理するなよ。お店に迷惑かけちゃうから」と言ってくれた。 うるせえ!お酒じゃなくてその話が気持ちが悪いんだって。 研究もそこそこ、ちょっといい企業に内定をもらって、恋愛もうまくいって、男らしくて、勢いあんのかしらねえけどよ、そんな話やめてよ。 私はコンプレックス。人生そのものコンプレックスだらけで生きてきた。いじめられたし、いじめたし、殴られたし、殴り返したし、勉強し

      • 徳利瓶

         財布を失くし、居酒屋のバイトの面接を控えているという状況に人生は緊張状態に入っている。間もなく心穏やかな日が来ることを願って! 今日やったこと 井本稔著『有機電子論解説(上)』(東京化学同人)  第2章 共有結合とくに一重結合について 論文 K. M. Felter and F. C. Grozema, J. Phys. Chem. Lett 10, 7208-7214 (2019). sp3混成軌道  同じような内容をなぞっている気がしてきた。はやく新しいことをや

        • 観客

           新4年生が研究室に配属される日が刻々と迫る。院生になったみんなはいつもと変わらない日常を過ごす。私はこっそり勉学に励んでいる。いつか私が輝ける日を願って! 今日やったこと 川村肇著『半導体の物理』(槇書店版)  1.3 Fermi-Diracの統計  前回のつづき(波数空間との絡む部分) 志賀正幸著『固体電子論II』(まてりあ 第44巻 第1号 (2005))  2.2 周期ポテンシャルの影響1 論文 E. Ehrenfreund and Z. V. Vardeny,

        • 固定された記事

        直線的なアセン

        マガジン

        • 物性の踊り子
          5本
        • 雑感
          2本
        • 読書
          1本
        • YouTubeコンテンツ
          0本
        • 映画
          1本
        • 漫画
          0本

        記事

          副殻と縮退

           実験をしてから友達とのごはんなどもあって少し勉強できない日がつづいた。付き合いもしながら勉強できたら大学生は一番いい。しかし、すこし勉強しなさすぎたようにも思う。ここ数日でやった勉強の成果をあわせてのせる。 副殻  数か月前に「副殻」という言葉をみたが、あまり意味が分からなかった。そのときはネットで調べて「副殻は古い言い方だ」ということだったので理解するのをあきらめたのだった。いまはよくわかるし、大事な概念だったこともわかる。  古典的な描像では電子は原子核の周りを廻る

          副殻と縮退

          三指数フィッティング

          今日のテーマ 今日やったことは 小川桂一郎・小島憲道編『現代物性化学の基礎 化学結合論によるアプローチ (第3版)』(講談社)  1.4.6 電子スピン  コラム Pauliの排他律の起源 井本稔著『分子軌道法を使うために』(化学同人)  1-1 分子軌道とはどういうものか 論文 M. Ullah, S. D. Yambem, E. G. Moore, E. B. Namdas, and A. K. Pandey "Singlet Fission and Triplet E

          三指数フィッティング

          私は新聞部だった。part.2

          私は新聞部でした。この事実は私にとって自慢話に近いのです。 しかし、理由は特にありません。「昔話をよくするおじさん」は迷惑な人の典型例として言われていますが、新聞部の話をするときは私はいつも「昔話をよくするおじさん」になってしまいます。まあ、そんなことどうでもいいんだけどね。 私たち新聞部には部室はなくて、多目的室という小さい個室を借りて活動をしていました。とはいえ、ほとんど部室扱いなのでそこには過去先輩方がつくった新聞が積まれているのですが(ホコリだらけの部屋だったので

          私は新聞部だった。part.2

          無礼者

          人前で弱味をみせるのは無礼者、というのは納得できる。辛い話をだらだら言っている人を見るとイライラする。そんなもの誰でも通ってきていることで、度合いに違いはあれど、みんな辛い過去を持っている。それなのに、それを聞いてどうすればいいというのか。辛かったね、と言えばいいのか。そんな安直な言葉で満足するな、と思う。 それが自身の体験として非常に重要であった、と正当化したくてしょうがないのは分かる。確かに辛い思い出は時の自分を弱くさせ、後の自分を強くする。人生の分岐点になることさえあ

          無礼者

          朝井リョウ『正欲』

          みんなが好き好んで性の話をするのはコンプレックスの共有の為だった。よかった、ドキッとするのは私だけじゃないんだ、と安心したかったからだ。 正しい性欲は多数派によって定められる。しかし、正解を出す為には当然人と繫がることとそこで情報共有をすることが必要になる。「レールの上」に引き続き安住出来るかどうか、多数派は常に不安を隠せないのだ。ならば、少数派の方がよかったんじゃないか。人間は何か物事に対して諦めようとするとき、反ってホッとする気持ちがつきまとうものだ。選択肢があることは

          朝井リョウ『正欲』

          「その手ェ離したら、殺すで」の「殺すで」がいい

           劇場版名探偵コナン『から紅の恋歌』をお恥ずかしながら見ていないのですが、YouTubeの「コナン名言まとめ」みたいなタイトルの動画を漁っていると、よくこの作品の服部平次のセリフを見かけます。 前後関係が分からないので、どのようなシーンかはちゃんと説明出来ないのですが、平次と和葉がバイクに乗って、目的地点に飛び移ろうとエンジンを吹かしているような状況で、しっかり摑まっていないと真っ逆さまに落ちていく為に、平次は和葉に対して強く上のようなセリフを吐いた、とそんなシーンです。

          「その手ェ離したら、殺すで」の「殺すで」がいい

          森昌子の歌謡『越冬つばめ』の名辞以前

           中原中也の『山羊の歌』に「サーカス」という詩がある。サーカスは私が最も好きな詩だ。多くの人は共感してくれることだろう。どうしてって、声に出して詠んでごらんよ。かなしい?たのしい?詩の意味は分からないのに心に居残るもやもやとしたワダカマリにそっと寄り添ってくれるような、そんな感じがする。ちょっぴり切ないけれどとても気持ちがよくなって、心強くなる。円らで綺麗な目をした僕の中原中也がずっと僕を見守ってくれているんじゃないかって思う。  サーカスの一番好きな箇所は次の箇所だ。たぶ

          森昌子の歌謡『越冬つばめ』の名辞以前

          ライバルに勝つために必死だった中学時代、無味乾燥な暗記は少年期の特権

           歴史や化学は無味乾燥な暗記ばかりで退屈だったが、最近はもっともっと頑張るべきだったなあと後悔している。無味乾燥な暗記は意味のないようで意味しかない。それは勉強ではなく勉強の準備、アンテナの建設なのである。  私は西洋美術を不定期的に勉強している。学部1年生のときに一般教養の講義「美術」を履修し、担当教授の分かり易い入門を習ったのをきっかけに、西洋画にプチハマり、いくつかの本を買って、だらだらではあるがパラパラと読み進めている。特に高階秀爾先生の『名画を見る眼』が面白い。絵

          ライバルに勝つために必死だった中学時代、無味乾燥な暗記は少年期の特権

          私は新聞部だった。 part.1

           私は新聞部でした。私が所属していた3年間は県で最も優秀な成績をおさめていました。それは紛れもなく部員のえげつないほどのポテンシャルが故でした。同級生は5人で全員個性的でした。顧問の先生も、副顧問の先生も、先輩も、後輩も、全員個性的でした。賢くてユーモアのあるメンバーに恵まれた部活動は、思い返せば非常に幸せな3年間だったと回想します。  月に一度の発行は本来それほど忙しいものにはならないが、締め切りギリギリまで無駄話をするので後半はバタバタしていました。同級生の部長がピリピ

          私は新聞部だった。 part.1

          NHK番組『奇跡のレッスン』福井県美方高校の放送回がたまらなく良かった。

           NHK BSで放送している『奇跡のレッスン』という番組がある。スポーツや芸術など、学科目や部活動に励む高校生のために一流の指導者を招き一週間にわたって特別な教育プログラムを与える、というものだ。    私が見た回は福井県美方高校の料理課程に三ツ星和食料亭「菊乃井」の三代目主任である村田吉弘さんが訪れ、料理を勉強している高校生に指導した回だった。それはもう感動の連続であった。  村田吉弘さんはグルタミン酸やイノシン酸が生み出す基本味「うま味」を世界に広めた第一人者で、日本料

          NHK番組『奇跡のレッスン』福井県美方高校の放送回がたまらなく良かった。

          ミケランジェロは"手塚治虫み"がある。

           青木昭著『システィーナのミケランジェロ』(小学館)の前半部分を読んだら、ミケランジェロは手塚治虫に関するエピソードや手塚治虫作品と似ている点がいくつかあったので、列挙する。(図1) ミケランジェロとダ・ヴィンチとの関係は手塚治虫と福井英一との関係 ダ・ヴィンチとミケランジェロはバチバチなライバル関係にあった。  ダ・ヴィンチの「絵画が芸術のなかで一番優れている。それ以外の彫刻や文学などはマイナー」という言葉にミケランジェロが憤慨してから、ミケランジェロが仕返しをするように

          ミケランジェロは"手塚治虫み"がある。

          ターミネーターは聖書に始まり聖書に終わる

           ターミネーター2の副題は「審判の日」であった。私はスポーツや裁判に関連するもの以外の「審判」の使い方を知らなかったから、はじめ見たときからこの言葉の使い方には違和感を覚えていたが、それがミケランジェロの壁画『最後の審判』に拠るものであるとふと思い付いて一瞬で解決したのだった。それからターミネーターは聖書に拠っているのかもしれないと考えるようになった。現時点で、私が持っている数少ない聖書の知識からターミネーターには2つの聖書名場面に拠って描かれていることを発見した。 受胎告

          ターミネーターは聖書に始まり聖書に終わる