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任三郎と玉三郎の言うことにゃ

「貰えるものは、みかんの皮でも貰え」

古畑任三郎のセリフです。

不要に見えるものでも受け止める姿勢。みかんを食べたあとの残骸を見るといつもこの言葉を思い出します。

それと同時に思い出すことがもうひとつ。歌舞伎役者 坂東玉三郎さんのインタビュー記事です。玉三郎さんの養父である、守田勘弥氏のエピソード。

守田氏が草履の紐がほどけている設定の役を演じる際、同じ舞台にあがる俳優さんから「紐がほどけていますよ」と言われたそう。守田氏は「ありがとう」と言って紐を結び、出番の直前にほどいたそうです。

玉三郎さんは「なぜ紐を結んだのですか」と聞いたところ、守田氏は「もし“正しくは○○ですよ”と言ったら、その人は何かあっても二度と教えてくれないだろう。“ありがとう”と言って聞かなきゃいけない」と。

投げられたボールは、一度受け止める。その謙虚さが、ボールを投げてくれた人への敬意でもあるような気がします。

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