【音楽遍歴】1998年に行ったライブ②
はじめに
1997年から再び音楽に興味を取り戻し始め、1998年は本格的にライブを見に行くようになった時期でした。
この年に行ったライブは東京でのFuji Rock Festivalを含めて11本。RadioheadのOK ComputerツアーやU2のPopmartツアー、Fuji Rock Festivalに出演した若手バンドのショウケース的な単独ライブの1つStereophonicsの初来日公演等を見に行きました。
前回の記事では上半期に見に行った4本のライブについて書きましたが、今回は下半期に見に行った3本のライブと東京で開催されたフジロックフェスティバルについて書いていきたいと思います。
ライブ情報
Radiohead(1998年1月22日@厚生年金会館)
U2(1998年3月11日@大阪ドーム)
Ocean Colour Scene(1998年3月28日@IMPホール)
Echo & The Bunnymen(1998年5月11日@赤坂ブリッツ)
Marion(1998年6月19日@心斎橋クラブクアトロ)
Fuji Rock Festival(1998年8月1日〜2日@東京ベイエリア)
Pulp(1998年9月22日@IMPホール)
The Jesus & Marychain(1998年10月8日@心斎橋クラブクアトロ)
Stereophonics(1998年10月15日@心斎橋クラブクアトロ)
Midget(1998年11月12日@心斎橋クラブクアトロ)
The Montrose Avenue(1998年12月5日@心斎橋クラブクアトロ)
出来事もろもろ
Fuji Rock Festival '98
東京・豊洲で行われたフジロックフェスティバルに行きました。初フェスティバルです。当時はまだ28歳と若かったので、行きは夜行バス。八重洲の地下にあるサウナで仮眠を取って現地入りするという強行軍。豊洲駅から会場までのクソ暑い道を歩いていたら、Stereophonicsを乗せたバスが通り、バスの中からメンバーが不思議そうに延々と続く行列を眺めていました。
初日はStereophonics、Garbage、Beck等を見ました。Sonic Youthの時に歩いていたら、タイミング悪く水たまりと水たまりの合間で足が攣って、しばらく動けなくなるというハプニングもあり、28歳は若いということもないことを実感。初日のヘッドライナーはBjorkでしたが、The Sugarcubes時代から肌に合わないのでパス。ちなみに、後に行った苗場でのフジロックでもBjorkがヘッドライナーを務めたことがありましたが、実は一度も見たことがありません。勿体ない感はありますが、こういうところは頑固なのです。
二日目は筋肉痛と共に起床。起床直後に既に身体ボロボロ。Thee Michelle Gun Elephantのライブが一時中断になる程の超絶盛り上がりを後ろの方で「おお、みんな元気だなあ」とつぶやきながら見た後、Ian Brown、Primal Scream等を見ました。この日のヘッドライナーはThe Prodigyでしたが、こちらも肌に合わない(気がした)のでパス。こちらは頑固と言うよりも、食わず嫌い。2日ともヘッドライナーを見ずに帰るという暴挙の中、初めてのフジロックフェスティバル参加は終わりました。
2日間通してのベストアクトはPrimal Scream。退廃的な雰囲気が漂う豊洲と煌びやかな東京の夕暮れの景観が共存する環境と妙にマッチしていて、感動的なまでにカッコ良かったです。ちなみに、帰りは新幹線を取っていたのはグッドジョブ。朝9時半からの打ち合わせには間に合い、何事もなかったように怒濤の週末から普通の日常に戻りました。
Pulp
The Stone Rosesの代打とは言え、1995年のグラストンベリーフェスティバルのメインステージでヘッドライナーを務めたPulpをキャパ1200人程度のIMPホールで見ることができるとは何という贅沢。会場に居た外国からの旅行者らしき人が「こんな小さなヴェニューでPulpを見られるとはクレイジーだ!」と興奮して話していました。
この日は前日からの予報通り、午後になって台風が近畿地方に上陸するという大荒れの天候。会社の昼休みにイベンターに電話をして開催するかどうかを問い合わせたところ、「もちろん、やりますよ」という明るい声での返答。電車は止まる可能性があるので、午後から半休を取って車で大阪まで向かうことに。既に阪神高速は通行止めになっていたので、一般道を通っていったのですが、三宮付近で2号線が冠水していたりして、結局3時間くらいかかりました。東京まで行けるやん。
Jarvis Cockerは曲の間に必ずMCを挟み、インタラクティブでアットホームな雰囲気の中でライブは進行。そして、アンコールの最後に恐らく会場全員が待っていた"Common People"を披露。それまでとは一線を画す盛り上がりを見せたこの曲の爆発力はホンモノ。再度のアンコールでは、Jarvisの「今日の嵐の中、来てくれた全ての人に感謝します。そして、ここから泳いで帰らなくて済むことを願ってます」というMCの後、初期のバラード"I Want You"で締め。スローでメロウな曲は"Common People"の狂騒をクールダウンし、ちょっと切ない気分にしてくれる素敵な曲。「ありがとう、また次のツアーで会いましょう」という言葉、まだシッカリ覚えているよ。
セットリストはこちら。
The Jesus & Mary Chain
直前のアメリカツアー中に、弟がベロベロに酔っ払って、立っていることもままならない状態でステージに登場したことに兄が怒り、ステージから去ってしまい、そのままツアーから離脱、バンドからも脱退という状況で行われた来日公演(笑)どこか遠い国の話みたいな気がしていましたが、心斎橋クラブクアトロの入っている心斎橋パルコのエレベータ内に「今回の公演にはWilliam Reidは参加しておりません」という張り紙があって、現実であることを思い知らされます。
ライブは一部を除いてオーディエンスのノリが微妙。そのせいもあるのか、Jimはマイクスタンドをステージに叩きつけたり、マイクをマイクスタンドに着けたり外したり、最後はマイクを放り投げるように引き上げる等、どことなく投げやりな感じ。演奏面でキレキレだったら良かったのですが、終始真面目に歌っていたこともあり、The Jesus & Mary Chainにとっては似つかわしくない「普通」で不完全燃焼の70分間でした。
Stereophonics
PulpがIMPホールとというのも驚きですが、Stereophonicsは同じ年のグラストンベリーのメインステージに出演しており、しかも2ヶ月後にはウェンブリーアリーナでのライブも決定している、そんなバンドがキャパ650人のクラブクアトロで見られるってのは日本万歳。
前週のThe Jesus & Mary Chainに比べると会場の人の入りも早く、会場の熱気も凄まじくて、ライブが始まった瞬間にフロアは興奮状態。1曲目からダイブする客が続出し、それを見ながら嬉しそうにメンバーが演奏を進めていきます。ボーカル&ギター、ベース、ドラムスの正真正銘の3ピースにもかかわらず、信じられないくらい太い音を叩き出し、3ピースならではの飾りのないザラついた感触の音がストレートに感情を刺激します。
アコースティックギタ一本で歌い上げた"Billy Daveys Daughter"からニューシングルのB面に収録される予定だという"She Takes Her Clothes off"と緩めの曲を続けた後、シンプルでアップテンポの"More Like in A Tramps Vest"で締めるアンコールの流れも素晴らしく、若々しいバンドの勢いとロックの持つ底力を見せつけられたような75分でした。
セットリストはこちら。
おわりに
今回は1998年に見に行ったライブの内、下半期に行った4本について書きました。Stereophonicsをクラブ規模の会場で見られたのは贅沢な体験でした。そういや、Oasisも初来日の時が心斎橋クラブクアトロだっけ。これも良く考えると凄いですね。
なかなか見られるアーティストは限られている一方、手を伸ばせば届くような小さな会場で、シーンでのトップレベルのアーティストを6000-7000円程度で見られるってのは日本人で良かったと思える瞬間でした。最近はチケット代が高騰していることもあり、こういった経験が難しくなっているのは、自分にとっても、若い世代にとっても非常に残念だなと感じます。
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