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【音楽遍歴】 DTM環境①(大学時代)


はじめに

幼稚園の頃から小学校6年生くらいまでエレクトーンを習っていて、高校の頃は文化祭でキーボードを弾いていたりもしました。ただ、中学生の頃からエレクトロポップが好きでシンセサイザーが欲しかったので、大学の入学祝いに買ってもらうことになりました。

今回は大学入学時に購入した(購入してもらった)シンセサイザー等のDTM機器について書いてみます。

初めてのシンセサイザー

当時、手の届く価格帯の中で一番人気のあったシンセサイザーはヤマハのDX-7でした。ただ、良くも悪くもみんな持っていて、みんなが使っている音だったので、人と違う物を好む性格上、DX-7は一番最初に候補から外れました。もちろん、人と同じ物が嫌という理由だけではなく、音作りが難しくて、思ったような音が出せないだろうなというのも大きな理由でした。

そんなこともあって、候補としてはローランドのサンプラーS-50とデジタルシンセサイザーD-50になりましたが、エレクトロポップ好きにとってサンプリングは憧れだったので、結局S-50を選びました。「サンプラーは果たしてシンセサイザーなのか」という気もしますが、「自分で音作りするのは難しいし、サンプラーだったらレコードから気に入った音をサンプリングして、そのまま使えるのではないか」という、権利関係をガン無視した超安易な考えでの選択でした、はい。

似非フェアライトのローランドS-50とデジタイザタブレットDT-100

S-50本体はフロッピーディスクに入ったシステムソフトウェアをロードして起動するというパソコンっぽい仕様で、何年か経ったときにシーケンサーのソフトウェアがリリースされて、S-50本体を変更することなく、シーケンス機能を追加することができたりしました。

あと、本体にデジタイズ用のタブレット端子とディスプレイ端子がが付いているという未来感もポイントの1つでした。タブレットを使うと、スタイラスペンを使って音を直接描画して入力したり、サンプリングした音をループする際に滑らかに波形を繋いだりできました。ディスプレイ端子にCRTを接続すると、これらの操作をディスプレイを見ながら実行できたりと、フェアライトっぽいこともできるようにはなっていました。とは言え、デジタイザーを使った音のエディットなんて、片手で数えるくらいしかやったことはりませんが。

音源はピアノ&キーボード、ギター&ベース、ストリングス、ブラス、ドラムス等のフロッピーディスクが付属していて、これをロードすることで本体から音を出せるようになります。また、複数の音をロードし、MIDIチャネルを変えることによって、1台でバンド的なこともできます。ただ、同時発音数が16音だったので、シーケンサーで複雑な構成の曲を演奏しようとすると、音が出なくなるなどの現象もありました。付属している音もフロッピーディスク(1.4MB)に入る範囲という制約があるので、今のように量子化ビット数もサンプリング周波数も高いものではなく、音の薄っぺらさが気になることもありましたが、The Art of Noiseのオーケストラヒットの音とかPet Shop Boysのヒューマンボイス系の音をサクッとサンプリングして使ったりできたので、1人でDTMする分には充分でした。

初めてのシーケンサー

1987年には当然タブレットなどはなく、パソコンもまだまだ高かったので、DTMで自動演奏をやろうとすると、シーケンサーという専用ハードウェアが必要でした。僕が選んだのは、ヤマハのQX-5というシーケンサーでした。

僕の演奏技術のなさに文句も言わず付き合ってくれる良き相棒、ヤマハQX-5

一応、サンプラー側でリアルタイムに弾いた音をレコーディングして、ジャスティファイという機能でタイミングを同期させることもできたのですが、僕はそれ程上手にキーボードを弾ける訳ではないので、2行という非常に情報量の少ないディスプレイを見ながら、ひたすらボタンを押してステップ入力してました。ただ、思いついたフレーズをリアルタイムで弾いてシーケンサーでレコーディングして、そこにリズムを重ねていってトラックダウンする等も比較的簡単に出来たので、こちらも僕の使い方の範囲では必要十分な機能が揃っていました。

ただ、ハードウェア的な仕様は貧弱極まりなく、内部メモリはバンドセットの曲を5曲も打ち込むとメモリはフル。しかも、内部メモリは揮発性のため、バックアップ用の電池が切れるとデータが消えてしまうという恐怖の仕様。結局、一番使っていた期間はバッテリが切れることはありませんでしたが、ちょこちょこデータをカセットテープでバックアップを取る必要がありました。今の若い人は信じられないと思いますが、昔はデジタルデータを「音」に変換して、カセットテープで録音してバックアップしていたんです。ちなみに、フロッピーディスク搭載前の家庭用パソコンもこの方式でプログラムを記録していました。セーブもベリファイも成功したのに、ロードに失敗して泣いた夜は数知れず。

サンプラー側でMIDIチャネルに応じて異なる音源を割り当てられるので、チャネル1はドラムス、チャネル2はベース、チャネル3はギター、チャネル4はキーボードというようにしておけば、シーケンサーと組み合わせることで、ある程度のバンドサウンドに必要な音を一通り出せるような環境が整いました。

初めて打ち込んでみた曲

勉強がてらに最初に打ち込んでみた曲はPet Shop Boysの"West End Girls"でした。当時は、Pet Shop BoysとかTears for FearsとかYellow Magic Orchestraのスコアが本屋で売っているという良い時代だったので、これを購入して週末にシコシコ入力してました。

初めて打ち込んだ曲。小節番号が振ってあったりとそれっぽい。

元々の曲がプリセット音だけで作ったような雰囲気の曲なので、エフェクトをかけなくてもそれっぽく聞こえました。その後、他の曲も何曲か打ち込んで、シンセサイザーやシーケンサーの使い方は大体マスターできました。

自作の曲作りについても書こうと思いましたが、ちょっと長くなってきたので、新しい機材の購入を含めて別途書いてみたいと思います。

おわりに

今回は初めて購入したシンセサイザーとシーケンサーについて書きました。数年後に購入した音源モジュールとMIDIデータファイラーの話、曲作り(というのも恥ずかしいレベルですが)について書いてみたいと思います。

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