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他人の判断を尊重するということ。いわゆる「クソリプ」問題について。

先日、シミ取りに行ってきました。顔に気になるシミがあったのです。

シミの部分にレーザーを当てるとそこがかさぶたになり、2週間ほどするとかさぶたごとシミが取れる、というものです。かさぶたが取れるまでの間、その部分にパッチを当てないといけないので、人に会わないこのタイミングはちょうどいい施術のタイミングでした。

で、パッチを貼っている僕の姿を見て、ある女性から「シミ取りしてきたの!言ってくれたらいい皮膚科紹介したのに」と言われて困りました。いや、もうレーザーやっちゃったし、今言われても。と。

もともと、僕が行った皮膚科も人づてに紹介してもらったところで、価格的にも他と比べて特別高いというわけではなく、信頼できるだろうと思って行っています。僕なりに「判断」して行っているわけです。

人は自分のほうが相手よりも詳しいと思っていることについては、つい「〇〇のほうがいいのに」と言ってしまいがちです。美容のことなら男性の僕よりも女性の自分のほうが詳しいだろう、と。そう思うのは当たり前だと思います。

しかし、あとからリカバリーする必要のあることならともかく、もう済んだことに対して言われても、正直、気分が悪いだけです。良かれと思って言ったことが相手の気分を害しているなら、それはまったく逆効果ですよね。

不動産を買う話

友人から「この不動産を買ったんだ」と言われた時、僕はそれがどんなクソな物件であっても「ああ、いいんじゃない?」と言うことにしています。別に嘘をついているつもりはなく、その友人が買うという判断をしたことについて「いい」と言っているのです。大きな買い物をするというのは判断の塊です。それを否定することはできません。

さらに、「この物件、どう思う?」と聞かれるときもあります。そういうときも必ず「いいんじゃない?」と答えるようにしています。持ってくるときには、その人の中では8割ぐらい心が決まっていて、誰かに背中を押してほしいだけだからです。そこで否定しても仕方がない。

詐欺みたいなひどい物件を持ってこられたらどうするのか?

もちろん、誰にとっても買うべきでないヒドい物件、というのはあります。そういうのを相談されたらどうするか?

その時も、まずは「いいんじゃない?」と言います。

その人なりに色々調べて考えて、至った結果がそこだったのでしょう。そこは絶対に否定しません。

ただ、友人としてどうしても心配な場合、追加で質問はします。なぜ不動産を買おうと思ったのか。自宅用か、貸すためか。なぜその立地なのか、なぜその物件なのか、業者はどこなのか。

物件によって聞くポイントは異なりますが、その人がどう考えてその結論に至ったのかをトレースするようにします。

で、ポイントはここからなのですが、トレースはしても、それ以上は言わないようにします。

例えば、法律上の制限があって、その人がそこでやろうとしていることができないことがほぼわかっていたとします。でも、そこで「それできないよ」とは言いません。言われた方は気分が悪くなるからです。

代わりに「〇〇って許可が必要だと思うんだけど、ここならそれもクリアできるんだっけ?」と言った聞き方をします。それにその人がどう答えようか関係ありません。その人が自分で、考慮していなかったことや、甘く考えていたことに気づいてくれればそれでいいのです。この「トレースするうちに自分で気づく」ように仕向けるのが大切です。

なぜ、そんな面倒なことをするのか?

僕は弁護士でも業者でもなく、ただの友人だからです。友人なので、友人のために時間は使いますが、相手の判断に干渉することは可能な限り避けたい。ただ、この物件は明らかにヤバイ。それに自分で気づいてほしい。なので、こういう面倒なやり方になります。

自分が詳しいことほど相手の判断を尊重すること

何かを相談されたときに、

・「決めたよ」「買ったよ」と言いたいだけ
・心の底からアドバイスを求めている

のどちらかなのか見分けるのは困難です。ましてや、相談されてもいない「シミ取ったんだ」みたいな経験の話にまで、自分の知識や判断を押し付けるのはトラブルの元です。

なので、まずは同調し、同期する。アドバイスが必要な時で自分が答えを持っているときもそれは言わない。3回ぐらい聞かれてからやっと言う。そのぐらいで丁度いいと思います。

自分のほうが詳しいことほど、つい意見を言ってしまいがちですが、それは相手が求めていることとは限りません。相手の気持ちに一番くわしいのは相手自身なのです。

あなたは「クソリプ」していませんか?

いま、ネットでなにか発信すると「それは違う」「○○という方法もある」「XXのことを考えていない」「■のほうがいいですよ」という返信がいっぱい来ます。

もちろん、その中には本当に有効なアドバイスも含まれているでしょう。謙虚に耳を傾けるべき内容もあると思います。

しかし、どんなにいい内容であっても、相手に聞く耳がないと、それは単なる「クソリプ」です。相手が間違ってると思っていても、それをちゃんと受け入れること。自分の意見は違うところで違う形ではっきり表明すればいいんです。

自分が知っている事柄こそ、相手の判断を尊重する。それを心がけたいと僕は思います。


※ちなみに、不動産の話をするのは好きなので、相談をされるのはウェルカムです。上記のような感じなので、ご期待に沿えるかどうかはわかりませんが。。

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