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いい世界観は「好き」から生まれる。yutori・おくりバント・不純喫茶ドープはなぜ人を熱狂させるのか?

2020年10月14日(水)にオンラインカンファレンス『RICH CONTENTS SHIFT vol.2』を開催しました。

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登壇したのは、日本最大級の古着コミュニティ「古着女子」の運営や複数のD2Cブランドを手掛ける株式会社yutoriのCEO 片石貴展氏と、数多のバズツイートで世間をにぎわす独創的PR会社おくりバント株式会社社長 高山洋平氏、インスタグラムで話題の「不純喫茶ドープ」を仕掛ける福山俊大氏の3名。

「世界観の伝え方」をテーマに約1時間半語り合っていただきました。今回はその事後レポートの前編をお送りいたします。なお、モデレーターは当社代表取締役の松尾幸治が担当いたしました。

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(左から、松尾幸治、片石貴展氏、高山洋平氏、福山俊大氏)


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松尾:
みなさんのコンセプトや世界観はどのようにしてたどり着いたのでしょうか? 偶然の産物なのか、用意周到に計画されたものなのか……。ドープはどうでしょうか?

福山:
若い女性にハマることを意識しては作っていないですね。自分たちの好きな80年代や90年代の音楽やアニメなどを今風に復刻させたいと思ってたんです。「好き」が先ですね遊び心でやっていたものが、若い子たちに魅力的に映ったんだと思います。僕たちが好きだったものが、そうやって若い世代に新鮮に捉えられているのは面白いですね。

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松尾:
yutoriのブランドとかはどうなの? 狙ってやっているの?

片石:
半々ですね。でも広がりは意識しているので、僕らもニッチだけど残っているカルチャーをリバイバルしている感じです。例えばストリートとか90年代とか。今流行っているものを出すのは誰でもできるので、それはしていません。トレンドに乗るよりは、トレンドを生み出す方。例えばZOZOだと、グラフィックが背面にバーンと載っている服を出していたりするんですが、あのムーブメントを作り出したのは僕たちかなと思います。

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松尾:
今回のゲストの世界観に共通するは「好きなもの」からスタートしている点なのかもしれないですね。だからこそムーブメントが作れる。

福山:
ある程度わかっているものじゃないと自信を持って出せないですよね。トレンドだけ意識してそれを当ててこうと思っていると、表層的なことしかわからないから薄くなってしまう。僕らドープなんかはヒップホップの文化を大切にしていて……

高山:
Nujabesとかが店内で流れている頃も知ってますよ。

福山:
ありがとうございます(笑) そういうコアなヒップホップわかる人が来てくれるのはこっち側もしめしめという感じです。

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片石:
魂持ってないやつはダサいですよね。「これが数字出るからとか、これが売れるから」みたいな。それだとその人の哲学とか思想が出ない。借り物の力というか、ピュアな熱量とか熱気じゃないから歪みが出ちゃうのかなと思いますよね。

松尾:
確かにね。でもそこのカルチャーとビジネスの掛け合わせってバランスが難しいですよね。

片石:
ですね。ただ、例えば「9090」は90年代っていうカルチャーを踏まえたブランドなんですが、出してるアウトプットはそのバックボーンや裏側を知らなくても楽しめるように、キャッチーにしています。僕らはインスタが主戦場なので、あの正方形の中でいかに興味を引けるかを意識して服を作っていますね。

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松尾:
質問で「yutoriの企画ってどうやって作ってるんですか」と来たんですが、今日企画書を持ってきてくれてるんですよね?

片石:
はい。spoonの企画書だとこんな感じですね(アーカイブ参照)。10代後半〜20代前半のメンバーがこういった企画をだして、毎週新商品をドロップしてます。とにかく企画量が半端ないですね。僕らはサブスクとかではないので、とにかく出し続けないといけないんです。

松尾:
これだけの企画を行うメンバーってどうやってインプットしているんですか?

片石:
基本的に僕らはメンバーの強みと好きなことにフォーカスしてメンバーの配置も考えているんです。インプットって好きなことだったら意識しなくてもやるじゃないですか。インスタとか好きなアーティストのMVとか雑誌とか。だから努力をしなくても、ある程度いいスループットができるようなメンバーの配置にしてます。

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高山:
インプットの場所って本や映画でもいいけど、友達と喋るってのもあるよね。同じようなセンスの友達がいれば、インプットの量が5倍にも10倍にもなる。今はコロナで難しいかもしれないけど、たとえば飲み屋とかで自分と同じような奴が集まってるところに行けば、自然と仲間もできる。

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片石:
近々そんな本が出るらしいじゃないですか?

高山:
(11月発売予定の自著『ビジネス書を捨てよ、街に出よう』の看板を出しながら)まあまあ、本の宣伝ってわけじゃないんだけどね……俺にも家族がいるからさ(笑)

片石:
そうやって情に訴えるのか!(笑)

高山:
まあとにかくね、年取ると友達ができるってあんまりできない。特に若い方に言いたいのは、センスのあう友達を作っておくっていいもんですよっていうことですね。

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松尾:
好きで繋がると人生の延長線上にない人と出会えるんですよね。ぼくもたまに行くバーにいるのが、生活のほとんどを山の上で過ごしてるおじさん。伊東あたりに自分で建てた山小屋があって、そこで自作の音響設備で映画を見て、たまに下北沢あたりのバーに降りてくるみたいな。

高山:
最高なんだよ。レベルのすごい上の人とかに会えるよね。

松尾:
好きでつながるってやっぱりいいんですね。「インプットという言葉を不要にする」というか。めちゃくちゃ勉強になりますね。


後編へ続く。

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