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西荻窪メモワール

西荻窪は高1〜大学卒業までアルバイトをしていた、いわゆる青春時代を語るに外せない大事な地である。単純に郷愁の想いに駆られた回顧録なので、縁もゆかりも無い人にはどうでもいい内容なのでご了承願いたい。

駅前ガード下のマクドナルドでアルバイトを始めたのが1989年12月25日のクリスマス。高1の冬だ。そこから1997年3月26日まで7年3ヶ月ほど、就職直前までお世話になり、この街を離れるのが辛いと思えるほどになった。だからなんだという感じだが、どうしても記録に留めておきたかったのだ。その割にその後この地を訪れるのは片手で数える程度ではあるのだが…。

マクドナルド西荻窪店
     学生時代大変お世話になりました。

マックの隣りのゴトウレコードは閉店してしまっていた。学生時代、オリコンウィークリーチャートにハマっていたので、当時週刊誌であったオリコンウィークリーをここで買っていた。しかも月曜販売のはずが、二日前の土曜日に置いてくれていたので貴重なお店だった。ハッキリ言ってマニアックな雑誌だったので、自分しか買う人いなかったみたいなのにわざわざ一冊だけ毎週納品しといてくれたみたいで、就職でこの地を離れる時に店主のお父上(?)からその事聞かされて涙出た。本当にありがとうございました。

元ゴトウレコード
こちらにも大変お世話になりました。

次に「とん八」というとんかつ屋さん。ここも閉店済。おじさん一人ワンオペの店で、超忙しそうにしていたが、狭くてもとても居心地の良い店だった。やや肉薄なのがむしろ好きで、とん八定食というとんかつの甘辛い卵とじをよく注文してた。また食べたいけどもう叶わない。キャベツにかけるドレッシングも好きで、当時はそのドレッシング自体も売っていたのでよくテイクアウトしてた。油が漏れてしまって大変な時もあったけどよい思い出だ。バイトの後輩を連れていったこともある。今、どうしてるかなぁ。

現在もある喫茶店「それいゆ」。バイト先の先輩女性に連れられてお茶したことがあるけど、その時食べた変わり種のチーズケーキが忘れられない。でもその変わり種が何だったかどうしても思い出せないのである。確か柑橘系だった気がするのだがイマイチ自信がない。甘夏だったかなぁ…いや、違うな。

当時、バイト先の休憩室兼事務所のあった建物の隣に「いそっぷ」という金魚卸専門店があり、今ちょうど立ち退きで移転前後らしく殆どもぬけの殻になっていた。バイトの後輩が好きで、よくここに顔出していたので印象に残ってるが自分は一度も入ったことがない。あれから27年、よく生き残っていたなとあらためて思う。彼も今どうしてるのかなぁ。色々と思い出してしまう。

ガード下にはフランクフルトというその名の通り、ハム&ソーセージの店があり、バイト終わりにたまに買っていたなぁ。あとセブンイレブンのフランチャイズ店が当時の休憩室のそばにあり、そこの店主とよく世間話をしていた。今思えば当時は結構社交的だったのかもしれない。あくまで現在と比べてだけど。マックの横のパン屋「サンジェルマン」もチェーン店ながらよくレーズンブレッド買ってたけど、昨年末に閉店してた。そばにはパンの田島もあるしね。

ガード下のマイロード。
フランクフルトは健在だった。

駅南口の昔ながらの飲み屋街も、昭和の風情をまだ多少残しながらも存在しているのは嬉しい限り。ここの松屋はよく通った。バイト先で同時に休憩に入った女の子が、松屋の牛めしがどうしても食べたくて、ても一人では行きづらかったらしく一緒に入ろうと誘われたことがある。現在みたいに清潔な店ではなくて、場末の食堂みたいだったので無理もない話である。これも良き思い出。

松屋の同じ区画に「はつね」というカウンター数席だけのラーメン屋がある。ネットではまだやってるらしかったが、自分は今回店を見つけられず。たった1回しか行ったことないのだが、さっぱりとした細麺のラーメンで美味しかった記憶が。調べたらタンメンが主力みたいだが、昔は違った気がするんだけどなぁ。

北口の八百屋と鳥居。伏見稲荷神社のもの。
電車からも見えるらしい。

店名不明だが、このあたりに店主がお味噌汁運ぶ時、親指を御椀の汁に突っ込んでしまっていたりする定食屋があってびっくりした記憶がある。それっきりだけど、バイト先の上司はそのこと知ってたので界隈では有名だったのかもしれない。たぶんもう閉店してると思う。

駅南口の仲通り商店街。いわゆるアーケード街。
他所よりこじんまりとした感じ。

駅の南側は喫茶&菓子のこけし屋、ちゃんぽんの長崎亭などもお世話になった。こけし屋は建物無くなっててショックだったが、調べたら建て替えで3年後再開らしくてホッとした。でも3年って相当だなぁ。あとは有名パン屋リスドォル・ミツ。当時人気で混雑してて値段高くであまり利用できなかったけど、今はもうないんだなぁ。兵ともが夢の跡。

こけし屋本館。老舗の喫茶&洋菓子&フランス料理店で著名人の利用も多かった。

居酒屋は鬼無里によく行った。高円寺店にもよく行ったがどちらも今はないらしい。とにかく学生にとってリーズナブルで重宝してた。バイト先のメンバー同士の色恋沙汰の駆け引きとか色んな人間模様を見させてもらいました。当事者でもないのに次の日に職場で気まずかったりもあったなぁ。

北口にはあまり縁がなかったが、西側の閑静な住宅地にある洋食屋「キャロット」は当時人気店でよく行列店に並んだ。メインの焼物や揚げ物が鉄板に2つ3つ並んだ姿は実に壮観だった。ファミレスのミックスグリルとは迫力が全然違う感じで、言葉では上手く言い表せないが、とにかくボリュームが凄かった。今は胃が受け付けなさそう…。

洋食屋「キャロット」。変わらずの佇まい。
サンプルだが、当時は実際もボリューミーだった。

高校は隣りの荻窪で、大学が国分寺だったので、バイト先から通ったりすることも多く、当時すっかり生活の拠点になっていた。死にものぐるいで四六時中バイトしていたので、学校よりもこの街の風景の方が愛着があったりするのである。とりあえず今吐き出せて良かった。もしお付き合いいただいた方が居られるのであればありがとうございますと、言いたいです。それでは。

西荻窪は夕方が一番映える気がする。
大晦日の夕暮れとか最高。


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