「できている人もいるのに」という人に「私」は見えていないと思った話
「クローン病や潰瘍性大腸炎の患者さんのほとんどが就職できているんだから、あなたが採用されないのは、あなたが悲観しているからですよ」
休職して働き方を見直す中、就活生時代に難病相談支援センターで言われた言葉を思い出した。
就活生になりたてのころ、私は「本当に自分は社会人になれるんだろうか」と不安で押しつぶされそうになっていました。
だから、同じ病気の人たちがどんな働き方をしているのかを知りたくて「働き方について相談をしたい」と伝えたはずが、なぜか15分くらい説教されるはめに。
正直いって、図星ですよ。病気があっても、ポジティブにすごしている人もいる。もちろん、必死に試行錯誤しながら働いている人もいる。
あなたのは甘えだと言われてもしょうがないのかもしれない。
そもそも問題は病気だけではないのかもしれない。
でも、いわゆるマジョリティを正義として突き付けられて「ああ、この人にとって私は存在しないんだ」と思ってしまった。
今「就職しているほとんどの人」という抽象的な正義で、私を断罪して何になるんだと、悲しくて、悔しくて、怒りが込み上げてきた。理不尽だと思った。弱者の口をふさぐな。
正義を抱えて、悪を断裁したところで、問題は解決しないのになあ。
でも、今となっては、私の相談の仕方がそもそも曖昧だったという話もあると思う。
悩みや困りごとの具体化は大切。自分自身でできることをやるのも大事だし、悩みや困りごとを知らない人に説明して、交渉する力がないと弱者は生き残れない。その努力は必要だと気が付けた。
その上で、自分がもし、誰かに手を差し伸べられる立場に立てたのなら、弱者の声に耳を傾けられる人でありたいと願う。
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