何度でも見たい傑作映画 「ディア・ハンター」

私が何度も見たいと思ったり、実際に何度も見てきた傑作映画をおススメするシリーズ。

第1回は「ディア・ハンター」(1978年、アメリカ)

~あらすじ~
ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外にある町、クレアトンClairton)。製鉄所で働くロシア系移民のマイケル、ニック、スティーブン、スタン、アクセルと、彼らのたまり場である酒場のオーナー、ジョンは、休日になれば全員で鹿狩りに赴くごく平凡な仲間たちである。そんな彼らにもベトナム戦争の影が迫っていた。

表題は彼らが嗜むシカ狩りが由来ですね。

この映画の最大の見せ場はロシアンルーレットです。
出兵したマイケル、ニック、スティーブンの三人はベトナムで捕虜になり、川沿いの小屋に幽閉されます。そこでは看守達の娯楽として捕虜同士でのロシアンルーレットが行われているのでした。
このシーンの臨場感がとにかくすごい。上階から聞こえてくる銃声と悲鳴、看守たちの笑い声。その場を支配する耐え難いプレッシャーが見ているこっち側にまで伝わってきます。
そして、ロバート・デ・ニーロ、ジョン・サヴェージ、クリストファー・ウォーケンらの名演ですね。戦争を通して壊れていく人間たちを見事に演じています。

デ・ニーロ演じる主人公マイケルは友達思いのガキ大将的存在です。彼だけは五体満足で無事生還し、親友であるニックやスティーブンの精神的支柱になろうと試みます。しかし、それでも一度壊れてしまった人間はもう元には戻らない、そんなことを思い知らされるラストが待ち構えています。
美しい友情と凄惨な戦争を同時に描いた傑作です。

初めて見たときは確か高校生ぐらいの頃でした。
「胸糞悪い映画だな、二度と見ないだろうな」と思ったものですが、不思議と何度も見てしまいます。
それはやはり、仲間同士の友情がとても美しく描かれていて魅力的だからですね。酒場で「can't take my eyes off you」を合唱するシーンは何度見ても飽きません。

胸糞な映画が見たくないという方にはおすすめできませんが、間違いなく映画史に残る名作だと思いますので、興味のある方は是非。

余談:よくオマージュされる作品でもあります。
コール・オブ・デューティー・ブラックオプスというゲーム内では、ベトナム兵にロシアンルーレットを強要されるシーンがあります。
超マイナーなところでいえば、某同人作家のガルパン二次創作で…これ以上はやめておきましょう。

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