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わたしのおすすめの記事たち

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僕の記事でおすすめの作品を5つほどまとめています。
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『箱』〘の〙【中】[には]〚宝物〛

『第一章』▤宝箱 おじさんはとても笑う人だった いつも笑っているのだが、にやにやと笑っているので親戚のひとが少し ひいていたのを覚えている でも僕はおじさんが大好きだった あるとき、おじさんの家に遊びに行ったとき、おじさんは机の上に薄い四角い板みたいなものを置いて、両手の指で沢山あるボタンを押していた 「それなぁに?」 僕が尋ねると、おじさんはにやにやしながら僕を見て答えた 「これはボクの秘密の宝箱だよ」 僕はきょとんとした あれれ?これって板じゃないの? ❒板か箱

広場②〚秋〛

…ヘックシュン! 最近花粉症でくしゃみが止まらない せっかくの休みなのにこんなに花粉が多いと 読書に集中できない 家で読めばいいじゃないかと思うだろうけど無理 自分の部屋もないし リビングではかあさんがドラマを見ている 音がうるさくて集中できない どこかに静かで花粉の無いとこあるかな… ん?あの道なんだろう その路地は何というか 誰も見えてないような そこにあるのにないような なんていうかな、とにかく不思議な雰囲気だった 路地は少し暗かった しばらく適当に進んで

浅い、海の底

電車が海の上を歩いてく 海の中に沈むホームには誰もいない 周りを魚が横切っていく どこまでも続く線路の脇にはわかめが漂う 輝く空にはひびが入り、雲が崩れている 月は大きく黒光りしている 遠目に見える陸地には高い緩やかな山々が何処までも見える いつまで待っても誰もこない 列車はいつくるか分からない 駅を訪れるのは列車から降りてくる者だけ 同じ者は降りてこない ただ、みんな何処かへ向かって海中を歩いていく それだけだ 遠くから音が聞こえた いつの間にか

コン、コン、コン、

おはよう。またいつもの部屋。コン、コン、コン、 「・・・・・」 コン、コン、コン、 「・・・ん。・・・おはよう。」 ええと、ここは うん、いつもの部屋だ。 よいしょっと。 ベッドから飛び降りる。 が、着地したカーペットが滑ってベッドに頭をぶつける。 いててて まあ、いつものことだ。 コン、コン、 「ああ、大丈夫だよ。」 コン、コン、コン、 「今日は水没した世界の夢だったよ。私は空から落ちて海に投げ出されたんだよ。ただ、生き物はいなくて、ぼーっと傾いたビ

気づいて…誰か…私に…

あーあー 聞こえるかな わたしの声 周りには何もない真っ暗暗闇 な ん に も どんどん 落ちていく き こ え な い よ いや 浮いていく? ど っ ち だ っ て い い どこが上か下かなんて全く分からない 左 右 も ね ただ どこかへ動いているのは分かる どか こっ にて もな むい クルクル回っているかもしれない 前は全く見えないけど 存方 在向 しな なん いて 私はずっと独り 今私が何処にいても 何をしていても 私はずっと独り