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馬で来て 足駄で帰る 後生掛

後生掛け温泉は八幡平国立公園の標高1000mのところにある一軒宿。「馬で来て 足駄で帰る 後生掛」と謳われた名湯です。この句は「 心身の不調から馬の背に揺られて来た人も、しばし湯に浸かり療養すれば、帰りは足駄(高下駄)を履いて山道を下るほど平癒する」というい意味で、温泉は昔から様々な病に効く湯として伝えられてきました。

大浴場には、箱から首だけ出して入る「箱蒸風呂」のほか美肌と温湿布効果の「泥風呂」、気泡が心地よい「火山風呂」自然の蒸気を利用した「蒸気サウナ」、「泥風呂」など7種類の温泉があり、日帰り入浴でも楽しめます。

玄関とフロント

ロビー

客室


旅館のすぐ前からは「後生掛自然研究路」があり、火山活動が間近で観察できます。

「後生掛」という名前の由来も興味深いです。

三百年前、三陸久慈生まれの若者、牛飼いの九兵衛が地獄谷に住み着いていたが、あるとき生死をさまよう重病に侵されてしまう。その時恐山に向かう巡礼の娘が通りかかり、その献身的な看病から九兵衛は全快、同情と敬慕に結ばれた二人は幸福な三年を過ごした。然し九兵衛には三陸久慈に許嫁があった。出発後に生まれた子の為、夫を迎えに故郷を後にした妻はやっとの思いで地獄谷へたどり着く。地獄谷で三人が見合う苦悩の夜が明けたのち、巡礼の娘は妻と子の幸せを祈り地獄谷へ身を投げてしまう。さらに身を引いた娘の心に打たれた妻もまた、夫の声を後ろに聞きながら後生を掛け地獄谷へ身を投じた。その後、地獄谷を訪れる人は、並んだ二つの墳湯を『オナメ(妾)・モトメ(本妻)』と呼び、この地を後生掛と称するようになった。  
     後生掛温泉の由来 オナメモトメの伝説より

宿のホームページより


宿には旅館部の他に湯治部があり、地熱で暖められたオンドル部屋が体験できます。オンドル部屋には個室と大部屋があります。今回は3回目の訪問ですが、前の2回は個室のオンドル部屋に泊まりました。オンドル部屋は畳の下から地熱の暖かさが伝わってきて冬は快適です。共同の炊事場で自炊しながら他の宿泊客とおしゃべりするのも楽しかったです。

10年前に行った時の写真です。

オンドル部屋個室
炊事場
炊事場
湯治客の食材置き場
利用案内
宿泊者が詠んだ句

宿のホームページ↓


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