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32 それは正しい情報でしょうか:保護者の間に広まるうわさ

30年以上前のことです。勤務jを終えて学校を出たところで生徒のお母さんに会いました。そしてびっくりするようなことを聞かされました。クラスのことでうわさが流れているというのです。内容を聞いてさらに驚きました。根も葉もないことだったからです。どこでどのようにしてそんな話が湧き起こったのかわかりません。でも噂を耳にされた保護者は驚くはずです。そして心配されると思います。その方も「どこからそんな話が出てきたのでしょうね」とおっしゃり、とても心配してくださいました。

ただ、このようなことはよくあることです。保護者の間で噂が広まるということは少なくありません。良い噂ならいいのですが、よくない噂の場合は大変です。被害を受ける人が必ずいるからです。たいていの場合噂は事実と異なることが多いです、根も葉もないことの場合もあります。生徒のこと、教師とその指導に関すること、部活のこと、受験のこと、塾のことなど内容は様々です。噂にはどんどん尾ひれがつき、いつの間にかとんでもない内容に変わっているなんていうことは少なくありません。そして噂の被害を最も受けるのが生徒たちです。保護者の間の噂であってもそれはすぐに生徒たちの耳に入ります。特定の生徒に関する噂の場合は当の生徒が一番被害を受けますが、他の生徒たちも影響を受けます。そして少なからず動揺します。無関係な生徒たちも疑心暗鬼に陥ります。そのうちに噂が消えたとしても生徒たちの心に大きな傷を残すことは少なくありません。大人はただの噂と言って済ませるかもしれませんが子どもたちはそういうわけにはいきません。それが根も葉もないことであるなら尚更です。

家庭訪問でも保護者の間で噂になっている話題をいろいろ質問されました。「部活を途中で辞めると内申点が悪くなるって本当ですか?」「塾に行かないと授業についていけなくなるって聞きましたが…」「〇〇先生は~」「△△くん(さん)は~」学校に関する様々な情報が保護者の間に飛び交っていることは私も承知しています。情報は必要です。保護者が情報を得たいと思う気持ちも理解できます。大切なのは「正しい情報」を得ることだと思います。正しい情報が流れているのならよいのですが、多くの場合誤った情報が流れています。今でいう「フェイクニュース」です。学区の中を目に見えない情報網が網の目のように張りめぐらされているように感じました。インターネットがそれほど普及していなかった当時でさえもさまざまな情報が飛び交っていました。現在はさらに多くの情報が溢れています。学校でも危うさが増していると感じます。


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