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きもののサイズについて

きものをフリーサイズと思っているひとがいる。

確かに、洋服は太ってしまうとボタンが掛からなかったり、ファスナーが上がらなかったり、時に悲しい出来事が起こるが、きものは巻いて、紐でくくって、、、だから、着れないことはない。

しかし、考えてみてください。身体に対して、紐も帯も二周するわけ。きもの自体も上前は二重、、、1cm変わると、足らないにしても、余るにしても、2倍の影響があるんですね。

これって案外怖いことですよ。

フォーマルなきもののレンタルのお店で働いていました。お客様がセレクトに来られて、試着されます。

お客様が、最重要にされるのは、色や柄(似合うかどうか)なのですが、こちらとしては、再重要はサイズです。

一番気になるのは、身幅ですね。
きものは反物から作られていますが、布の幅(約36cm)が決まっているので、特別に大きなものは作れないんです。

ですので、洋服のサイズでいうと、だいたい13号(LL)ぐらいまでの方ではないでしょうか?それより大きなサイズの方が着用できるきものを置いているお店は少ないと思うし、あったとしても選択肢が極めて少ないと思います。

試着して、下前が身体の半分ぐらいしか重ならなかったら、着用時に前がはだけてしまうし、脇もパカっと開いたりします。

こういう場合は残念ですが、辞めといたほうがいい。そういうことをお客様に伝えなくてはならない時、本当に辛かった。

小柄なかたの衣装選びもたいへん。レンタル衣装はさまざまな体型の方に着ていただけるよう、大きめのサイズが多いのです。

リユースやアンティークのお店では、小柄な方は、きものを選び放題ですね。昔のひとは今より小柄なひとが多いし、仕立ても今と違って裄が短めなんです。
わたしからすると、大変羨ましいです。

自分サイズのきもの=お誂えはお安くないので、なかなかに難しいかもわかりませんが、ぜひ経験してほしいこと。

衿が決まる、おはしょりも簡単にできる、脇線が身体の脇にくる、背中心が、身体の真ん中に来る、とにかく着やすくて、着姿も間違いなく綺麗です。





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