第12話 肝試し
体育館から1番遠い私たちの教室
オバケ役にとっても
長い道のり
途中、音楽室と理科室にも立ち寄り
驚かせるための仕掛けを
みんなで確認
そして
教室でのオバケ役
私を含めて3人が
その1番遠い教室に到着
ひとりが
ゆっくりとしたテンポで
結婚行進曲を弾く
パンパカパーーーン…
パンパカパーーーン…
そこで私が思い切り
「キャーーーーーーッ!!」
と、かなり高い声で叫ぶ
すると、肝試しにチャレンジする
クラスメイトの到着
最後のオバケ役が
貞子のような格好で現れて
特命を下す
と言う流れ(笑)
私たちのクラスは
50人近くはいたと思うので
恐らく40回弱は
叫んだと思うが
最後まで声はかすれなかった
あの頃は叫ぶのが案外得意で
何より突然の悲鳴に
チャレンジするクラスメイトたちには
かなりの好評だった
チャレンジするクラスメイトは
順番に1人または2人でやってくる
体育館から懐中電灯の点滅で
次の出発を見ることができ
こちらもOKの合図を懐中電灯でやる
真っ暗な校舎の中で
懐中電灯での合図は
心踊る光景だった
そしてチャレンジの全員が教室を
通過して
終盤を迎えた頃
「そろそろ戻ろうっか?
理科室に行こう!」
と特命のオバケの子が言った
オルガンの子と私はうなずき
誰誰が1番怖がってたよね〜
などといいながら
T字路に差し掛かった時
白いシーツを被ったオバケ役の子が
私たち3人の前を右から左へと
通り抜けた
「あ!もう最後の人まで終わったよー!」
「理科室に集まろう〜」
と3人で声をかけたが
返事がない
「ちょっと誰なん?」
「どうせ◯◯くんやろー?」
「驚かせても無理だよー」
と言いながら
3人で左側を覗いた
あ…れ…
T字路の左側は
1クラスだけ教室があり
その教室の前後は
もちろん鍵がかかっている
そしてその先は行き止まり…
え?
え?
えぇーーー?!
ギャーーーーーーーッ!!!!
3人で猛ダッシュで階段を降りて
理科室に急ぐ
私はとにかく足が遅かったが
この時ばかりは
階段を踏み外しながらも
駆け降りた
慌てて理科室になだれ込むと
他のオバケ役の子たちが
驚いて聞いた
「どうしたん?」
かくかくしかじか…(便利!)
「そんな事あるわけないやん」
「ヒビらせんなー」
誰も信じてくれず…
体育館に移動することに
後ろを振り向きながら…
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