ティーカップ


寝具のそばに飾ってあったティーカップが割れた。お母様はまた買えばいいと言ってくれた。
けれど、わたしはとてもショックだった。
召使いが、わたしの背中をさすりながら言った。
「お気に入りだったのに、使うことがなく終わってしまったから、後悔されてるんですね。」と。
わたしは、嗚咽をするように泣いた。

割れたティーカップはもとには戻らない。いくら後悔をしてももう使うことは叶わない。
召使いはわたしが泣き止むまで、ずっと背中をさすってくれた。

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