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十年一昔というけれど

高校時代の部活の同期4人(男:女=2:2)で海へ行った。
その中の男性1人がもう1人の女性に片想いしていたことは誰の目にも明らかなくらいだった。
高校生の私はあれだけ好いてもらえたらさぞ幸せだろうな、いいなと思っていた。

そんな彼が卒業後、彼女(浪人が確定していた)に告白するも返答の解釈違いですれ違いに。
何度か同期みんなで飲みや遊びに行っても、彼女に話しかける要件を他の同期伝いにするものだから少しモヤモヤを感じながらその時々を過ごしていた。

話は戻って海に行った帰り、居酒屋で飲むことに。
仕事の事を話していたとき、徐に彼がおすすめの店について話し始めた。
雰囲気も良くて素敵だね、なんて言い合っていたら
「職場で知り合った元カノと行こうね、って言ってたのに別れちゃったんだよね」
と言い、少し寂しそうに笑った。

彼から恋愛絡みの話を聞いたことはこれが初めてだった。

もう10年が経とうとしているとはいえ、かつて好きだった人の前で元カノとの心残りを話せるくらい、彼の中では同期の彼女への好意は消化できたのだろうか。
もう一昔前だから、そっと蓋をしているのだろうか。

私自身、別れた相手は自分の知らないどこか遠くで幸せになっていてほしいと願うので
彼のようにかつて好きだった人の前で今の恋愛を話せる勇気はない。
だからこそ、彼の意図と彼女がどう感じたか考えてしまう。

本当のところはどうなのだろうか

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