見出し画像

とある街についての調査報告


とある街でバーの店員をやっていた頃。
酒場というのは噂話が集まりやすい場所ですし、
勤めていたバーというのが、朝まで営業していた
ということもありまして、
しばしば、その街の噂を聞く機会がありました。


その街というのは、
ある種の村のような雰囲気がありまして、
その場所出身であるということが
一部の人間の間では重要視されているように感じられました。


ある日の営業終わり
同僚が
「さっきのお客さんがさ、
〇〇屋の親父の息子と同級生なんだ
って自慢気に話されたんだけどなんだと思う?」
と話てくれたことがありました。

その時、そもそもこの街に〇〇屋なんてないのに
なんだろうと不思議がりながら笑いながら帰ったことを覚えています。


その数ヶ月後、
常連のお客さんが来た時、ある話を聞きました。
「よく家族でも行っている寿司屋があるんだけどさ、
そこの大将に面白いこと聞いたんだよ。ここらで商売するには、
〇〇屋の親父と仲良くしなきゃいけないらしいよ」


ここで、この街には〇〇屋が確実にあるのだということがわかりました。
でもその〇〇屋はどこにあるのか。
通勤の度に少し時間に余裕を持った状態で家を出て
店の周りをなんとなく探すということもしましたし、
その街で生まれ育ったと話す人がいると、
なんとなくこの話を聞いてみたりしました。


しかし、その〇〇屋に関する詳しいことを
聞ける機会もなく、私はお店を辞め、別の仕事を始めました。




そして最近のことです。
その店で今も働いている友人に新年明けて会った時、


「〇〇屋の話覚えてる?」

と。


この街は大きく(仮に)AとBという風に2つのエリアに区分されることが
多いのですが、
そのAを仕切っている店であるということ、
そしてその店主はものすごくいい人であると言うこと。


そしてAとBを仕切っている長がいることとは別に、
△△屋の親父がものすごくめんどくさい人であり
この親父をどう攻略するかが重要である
と言うことを話してくれました。



〇〇屋普通にあるんかい。



怖い話の雰囲気で何か書いてみたい
と思っていましたのでやってみました。
結末しょーもなすぎる。
伏字にしただけでなんか雰囲気って出るもんですね。
もう2度とやりません!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?