人身事故を目撃したひと
※暗い内容ですので、苦手な方は飛ばしてください。
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数年前、人身事故が起こる瞬間を目撃してしまった。隣のホームでの出来事だった。私は、たまたま真正面にいた。
飛び込んだ瞬間視界に入ったが、見ないようにすぐに目を瞑った。
目を細めても、飛び込んでくる色と音。必死にその場から離れても聞こえてくる色んな人の悲鳴や話し声。
どれだけ頑張ってもそれを忘れることはできない。
反射的に目を逸らしたため、悲惨な状態は直視していない。その為、トラウマとしてカウンセリングに通うほどではなく、なんとか普通に電車を利用できている。
が、駅の近くで電車を見るのは未だに少し抵抗がある。そして、急停車の音を聞くと息苦しくなる。
普段、意識しないように生活をしても、
定期的に思い出すことになるのが人身事故だ。
それほど身近な言葉になっているのに、目撃したことのある人は案外少ない。だから、多くの人は「迷惑」と吐き捨てられるのだと思う。
その子は学生だった。
制服姿の子も多い時間だった。同じ学校の子だったのかもしれない。
大人になる前に目撃した子達は、今どのようにして乗り越えているのだろうか。電車の運転手さんは大丈夫なのだろうか。仕事を辞めたりしていないだろうか。
色々なことを考えてしまう。
それを処理する人がいる。ダイヤが乱れる。多くの人に迷惑をかけているのだから、「迷惑」と言われてしまうのは当然である。
けれど、案外「運転手さんがトラウマになって人生狂わされてしまうのだから迷惑」だとか、そこまで考えて発言する人は少ないように思う。
心に傷を負っている人からすれば、
「迷惑」と言う言葉は冷たく聞こえることがあるかもしれない。しかし、この2文字には本当に沢山の意味が含まれている事を多くの人に知ってもらいたい。
同じような事故が減る事を心から願っています。
支え合える世の中でありますように。
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https://dot.asahi.com/amp/dot/2019061900080.html
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