紙パンツは嫌

母が体調を崩しトイレの失敗をしているようだと妹に伝えたら、脊髄反射で紙パンツを買ってきた

紙パンツを見た母は、嫌だと泣き出し布団の中に逃げてしまった
この時期の母のメンタルはすごく不安定でこのまま寝込んでしまいそうだった

今思えば私達は実に短絡的で母への配慮が足りなかったと思う
体調を悪くして今までできたことができなくなり、この先どうなるかとの不安を一番持っていたのは母のはずなのに、その母にダメ出しをするようなものだった
もう自分はトイレも一人でできないのか、との不安を煽るようなものだった

きっかけは知り合いとの会話だった。彼女の親は入院をきっかけに紙パンツになった、紙パンツに尿漏れパッドを重ねて使っているという。汚れたパッドを交換するだけ。
紙パンツは万が一汚しても大丈夫なように、との位置づけだ。紙パンツもリハビリパンツと呼んでいた。
使えば不安感が軽減するから、使うキッカケを上手く作る事だと。

母の歩行は、足に力がなくなり歩行もゆっくりで、家具や壁に手をつかないと歩けなかった。
トイレへは自分で行こうとするけど、骨盤底筋が弱くなったため、トイレ到達までに尿もれを起こし下着やパンツを汚していた

母に尿漏れパッドを使う様説得には一週間位かかったと思う。
閉経後時間の経ち母は女性の衛生用品の進化にも疎かった。
知人母の事例や、女性の生理用品売場の近くに尿漏れパッドが何種類か置いてある現状、買う人も多い事、等を布団をかぶる母に何度も話した。

洗濯が追いつかず、新しい下着を買ってきて欲しいと言われた時に、尿漏れパッドの使用を勧めたらすんなり受け入れてくれた。

そして使い始めたら、トイレの心配がなくなり、体調、メンタル共に安定していった





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