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阪神タイガースのドラフトを考える

 はじめまして。コロッケと申します。
 今年もドラフト会議が近づいてきました。先日のU18と大学選抜での試合は豊作と噂される大学投手の初お披露目とも言え、東洋大の細野投手を筆頭にその完成度の高さに目を丸くした野球ファンも多いのではないでしょうか。(もちろんドラフト好きの方々は春季リーグなどをチェックしていたと思いますが…)

 さて、我が贔屓である阪神タイガースといえば、近年ドラフト巧者とよばれるまでになりました。近年は、大山・近本・佐藤輝というドラフト1位3名が主力として躍動しており、西純や森下といった選手も成長を魅せてます。ただ阪神が巧者と言われる所以は、やはり下位指名の突き上げにあるように思われます。
 今回はペナントレースも好調であり、今が絶頂期である阪神のウィークポイントをあえて整理しながらドラフト予想をしていきたいと思います。
 前提としてドラフトは補強ではありません。すでに野球ファンには浸透しつつありますが即戦力選手というのは希少です。ドラフトは5年後程度を見据えた中長期的な視点での投資、FAや外国人選手は来年を見据えた短期的投資といえるでしょう。
 特に阪神ファンは(近年は即戦力選手を偶然獲得できているのもあり)、ドラフトで短期・中長期両立型の投資が可能だと考えがちです。そんなおいしい話はありません。短期的視点に固執したドラフト戦略は必ず暗黒期をチームにもたらします。下に自作の編成表を置いておきます。記事の参考にしてください。


阪神タイガース現在の編成(黄色:左打or左投 緑色:両打)

阪神のウィークポイント 投手編

 阪神投手陣は特に中継ぎが強力でオリックスについで関西ナンバー2と言えます。関西は2球団しかないので実質ドベですね

 冗談はさておき、阪神投手陣の問題点は先発です。特にファームは実は苦しくなっています。ウエスタンリーグでの防御率は3.54と中日に次いで4位(5チーム)。ウエスタンリーグは基本的に超打低ですので見た目以上に悪いと考えてもらえれば幸いです。(2018年ファーム優勝時は3.00)
 ファームで最もイニングを稼いでいるのは秋山投手で80イニングほど。8四死球とコントロールの良さは健在ですが、投球回と同数程度の安打を打たれており、苦しいです。年齢も考慮すると育成や調整というよりも大きくは崩れないベテラン秋山投手になんとか消化してもらいたかったというのが本音でしょう。続いて、桐敷投手が70イニング、川原投手、富田投手、鈴木投手といった形です。

 今期は多くの若手投手を一軍に供給できている反面、二軍で長期的に投げることは出来ていません。開幕前の岩貞投手のごたごたや二軍の先発不足ゆえに一軍中継ぎでジョーカー的存在になりつつあった富田投手が、そして最近はビーズリー投手が二軍降格先発調整となったのを覚えているファンも多いのではないでしょうか。

 そもそも今の二軍先発不足の要因はガンケル投手の流出、青柳投手・西勇輝投手の不振、それにともなった二軍からの先発供給にあります。昨年の二軍では村上投手が90イニング、才木・西純も40~50イニング、現在メジャーリーグの藤波投手は40イニングを消化していました。昨年ドラフトでは、高卒2投手と高卒社会人で当初中継ぎ想定であった富田選手のみの追加ですので二軍の投手事情が苦しくなるのは必定でした。
 同じ問題を中日も抱えていました。大野投手の長期離脱やジャリエルの亡命、野手ドラフトが続いたことで阪神よりもファームの投手崩壊ぶりは見てて辛いものがあります。でも阪神も例えば伊藤将司投手や村上投手といったイニングイーターが怪我をしていれば、現役ドラフトで大竹投手を獲得できていなければ…
こんな話を聞くと体ができていてすぐに二軍で投げられる大卒もしくは社会人卒の先発投手がドラフトでは欲しいとなってきますよね。でも本当のウィークポイントはここではないんです。つづいて野手編を見てみましょう。

阪神のウィークポイント 野手編

 阪神の野手のウィークポイントといえば両翼を挙げる人も多いのではないでしょうか。昨年まででしたら確実に二遊間が挙げられたでしょうから、そこを中野のコンバートと貴浪・小幡の抜擢というほぼ追加なしで解消した岡田監督の手腕はさすがといったところでしょう。(一応、渡邊の追加がありますがこれは後述の理由ではじめから一三塁の補強と評価しています。)
 両翼の課題は今現在のペナントにおいて確かに深刻です。しかし、森下や前川、井上とすでに若手有望株は豊富で、20代後半の選手も多いジャンルです。つまり、既に投資済みなのです。むしろこれ以上の追加は人員が過剰になりかねないと考えます。そもそも一番、阪神ファンが問題としているのは現在のレフトの火力不足であり、それはFAや外国人選手の獲得によって解消するべき問題と言えます。

 では、先発投手よりも両翼よりも大きい課題、それは一三塁です。現在阪神の一三塁は大山・佐藤のドラ1コンビが固定されており、阪神首位の原動力となっているのは疑いの余地がありません。「どこが問題やねん」ごもっともです。短期的には。しかし、長期的に見るとどうでしょうか。
 若手が多い阪神ですが一三塁の若手は実は皆無なのです。一三塁を主戦場とする選手で最年少なのは佐藤輝明選手で25歳のシーズンとなっています。大山選手は29歳です。大山選手は来年FAの年だと言われていますがとりあえず残留してくれるとしましょう。その他には渡邊選手や糸原選手、原口選手が一三塁の控え選手として一軍に帯同しています。また、小野寺選手は二軍で三塁手として多く出場しており、先日は一軍で佐藤輝選手に代わって先発出場していました。しかし、30歳前後の選手が多く、長期的にチームの核として期待できるのは佐藤選手くらいでしょう。大山選手ですら5年後は34歳のシーズンであり、現在の巨人中田選手と同じ年齢になります。今のような活躍は期待できないと思われます。

 では二軍の一三塁事情はどうでしょうか。先述のように小野寺選手が出場しているほか、二軍メインの選手の中では北條選手や山本選手、片山選手などが主戦場としています。おわかりいただけただろうか。。。
 二軍の一三塁はかなりの高年齢化が進んでおり、プロスペクトと呼べる選手は皆無なのです。一方で、一三塁、特に三塁手は高卒二遊間がコンバートすることの多いポジションです。しかしながら現在のファームでは(ウエスタンリーグの打低もあり)、一三塁にコンバートした際、平均以上の打力が期待できる二遊間の選手はいません。強いて言えば戸井選手が候補ですが、まだ一年目ですし二遊間をあきらめるには早いです。

1位指名は誰か⁉

 ここまで阪神のウィークポイントを挙げてきました。話したりないことも多いですが、それらを踏まえ、阪神のドラフト指名で優先するべきジャンルは以下の通りです。
①一三塁のスラッガー候補
②大卒先発投手
③捕手
④社会人系即戦力中継ぎ
⑤センター型外野手

阪神は1位指名に関しては同じジャンルにこだわる傾向があります。(例:2018年×藤原→×辰巳→×近本)そのため、第一回入札では競合を避けないと推定されます。今年の一三塁スラッガー候補は優先ジャンルであると同時に1位候補が豊富です。そのため阪神の1位指名は一三塁のスラッガー候補であると予想しています。では有力な一三塁のドラフト候補にはどのような選手がいるのでしょうか。独断と偏見でピックアップしてみました。

高卒1位候補 佐々木麟太郎(花巻東) 真鍋慧(広陵) 明瀬諒介(鹿児島城西) 佐倉侠史郎(九国大付)

同指名候補 武田陸玖(山形中央) 森田大翔(履正社)
大卒1位候補 上田希由翔(明治大)
同上位候補 広瀬隆太(慶応大)
社会人1位候補 度会隆輝(ENEOS)

 第一回入札の最有力候補はやはり佐々木麟太郎選手だと考えます。進学説も囁かれていますが、志望届を出せばかならず競合するのではないでしょうか。ファースト以外の守備は難しいですが、過去同じジャンルの目玉候補であった清宮選手はけがなどもありつつ順調に成長していますし、なによりも打球速度や打席でのふるまいは高校生離れしており、守備不安など関係のない圧倒的タレントであると評価しています。不安な点は今夏含めた怪我でしょうか。
 続く候補としては上田選手や真鍋選手、明瀬選手が挙げられます。ただ、上田選手は大卒左打ち一塁手専(サードも守っていますがプロでは厳しいか)です。佐々木選手と比べるとややロマンに欠け、初回入札はないと思います。ただウェーバー順的には2位で残っているとも考えにくく、外れ1位での指名は十分にあり得ます。1位指名で左打ち内野手を取った場合、履正社の森田選手(右右)を中位(3~4位)で指名するのも面白いと感じます。

 限りなくゼロに近いですが実現すると面白いのが度会選手の指名です。現在は外野手ですが過去には二塁手で、三塁手へのコンバートも可能ではないかと考えております。コンタクト力に定評がありますが実はかなりパワーもあり、甲子園の左右のポール際に本塁打を打つ打率.300本塁打15本の三塁手が目指せるのではないでしょうか。横浜高校出身が多い現在の阪神、実はひそかに狙ってたりしないですかね。高卒社会人ですのでこれからの伸びしろに期待できる点も高評価です。

2位以降の指名で必要な大卒投手

 ドラフト2位以降の指名は毎年流動的で予想しにくい部分が多くあります。ただ、先述のように阪神二軍は投手不足に陥っており、最低2名は二軍ですぐに投げれる投手を指名すると予想しています。ここでは2位以降に残っている可能性がある大卒or社会人の投手を独断と偏見でピックアップしてみます。

大卒上位候補 古謝樹(桐蔭横浜) 西舘昂汰(専修大) 高太一(大商大) 木村仁(九共大) 草加勝(亜細亜大) 村田賢一(明治大)

大卒指名候補 冨士隼斗(平成国際大)上田大河(大商大) 後藤凌寿(東北福祉大) 滝田一希(星槎道都大) 谷脇弘起(立命大)

社会人指名候補 江村伊吹(バイタルネット) 椎葉剛(徳島インディゴソックス)  片山楽生(NTT東日本) 竹田祐(三菱重工West)

 
 今年のドラフトでは常廣・下村両投手の青学コンビや大型左腕の細野投手など大卒投手が豊富です。例年であれば上位で指名されるレベルの選手が3.4位まで残っている可能性が高いと予想されます。特に注目しているのは専修大の西舘投手です。常時140キロ中盤を投げスライダーもいい。クイックやストレートがシュート回転する点は課題に見えますが2位に残っているようであればぜひ指名してほしいです。また亜細亜大の152キロ右腕草加投手は創志学園で西純也投手とともにプレーをしており、阪神に入団することになれば創志コンビとして話題性も抜群ではないでしょうか。

 豊富な大卒投手に対し、社会人候補は昨年の吉村投手(現ヤクルト)のような投手はおらず、やや寂しいのが実情です。大卒3年目(今年25歳)ですが都市対抗で度会選手を抑え込んだ152キロ左腕江村投手は好みの球団がいそうです。ほかには、三菱重工Westの竹田投手やNTT東日本の片山楽生投手はプロでも試合が作れそうです。
 独立リーグの選手では椎葉剛投手が注目です。イニング以上の三振を記録している157キロ右腕でリリーフ型です。大卒世代で湯浅投手のような下位指名から抑え候補になりえる逸材です。

コロッケのドラフト指名予想

 ここまで駄文を重ねてきましたが外れることを前提に私が一番絶頂する阪神ドラフト指名予想をここに置いていきます。

ドラフト指名
1位 佐々木麟太郎(花巻東)
外れ 真鍋慧(広陵)
外れ外れ 上田希由翔(明治大) 内野左スラッガー候補 誰か取れれば
2位 西舘昂汰(専修大) 大卒右腕
3位 高太一(大商大) 大卒左腕
4位 森田大翔(履正社) 内野右スラッガー候補
5位 寺地隆成(明徳義塾) 左打ちの捕手
6位 河内康介(聖カタリナ学園) 高卒右腕
育成1巡目 宮崎一樹(山梨学院大) 身体能力型センター
育成2巡目 椎葉剛(徳島インディゴソックス) 救援候補

映像なども十分に追えていない部分があり、勉強不足感が否めないです。さまざまな意見をいただければ幸いです。これからますます盛り上がるドラフト会議を楽しみに追いかけていきたいものです。

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