周回と絶花

畳の目は、そろっていることだけ、誇らしく仕事に勤めている。木目の顔をしてすました机のなか、たくさんの鉄でぐちゃぐちゃになったほんもののかけらたちが、元の形よりも詰められて、整った顔として選ばれたのか。
肉体の中、たくさんの糸、たばねられていること、ふだんはわかりもしないのに、しっている。

スプリングは何周している?きっと誰かが決めているはずなのに、ふたりで音を立てるくらいしかできないな。
花の断面は教科書でみたものの自分でやると自分がいたくなりなにか一寸引き受けさせられる、ふたつにわれていたほうがわたしたちには親しみ深い。ひとつに戻そうとするのは、とくべつ花みたくなりたいからか……ふい、女の小さな靴をうらましがり、やめた。どうにせ、結実したら色を失うことだろう。

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