【逆噴射小説大賞2024】ネオカンガクアンサブル!
ネオン輝く街『フェスティバル』。
ここでは政府主催のニューネオカンガッキを広める一大フェスが開かれていた。
その裏では怪しい影が蠢いているとも知らずに…。
「いそげ!実験体F!お前がいなければこの計画は成功せず、廃棄処分されるんだからぁなっ!」
白服集団はみすぼらしくうずくまる少年の首輪を引き摺りながら乱暴に外に出す。
ネオカンガッキを抱え乱暴により咽せながら少年はしゃがみ込んだ。
「もう、嫌だよ…っ」
そう少年が呻いた時だ。
「ファントムフルスコア流・ネオカンガッキ…」
「ネオガッキ吹きの基礎練!!」
ファンッ!
耳がつんざくようなB♭爆音と爆風が吹き荒れ白服が吹っ飛ぶ。
「ヤッホー!白服さん?ご一緒にデュエットはいかがかな?」
顔を上げると緑色のブレザーを羽織ったネオカンガッキ奏者が2名いた。
「ゲェッ!ミドブレの底縄特殊校のスイブッ⁈」
慌てふためく白服。バラバラに手持ちのネオカンガッキを持ち出す。
「あいつらから実験体を護るんだ!かかれぇぇい!」
白服はうずくまる少年をくるりと取り囲みネオカンガッキを構える。
「重要な事言っちゃって、弱い奴らがなんとやらっすかね、ヤマバ先輩?」
「弱いとかじゃなく私らが折るべきフラグってやつじゃないかい、ガワイくん?」
2人のミドブレはネオカンガッキからニューネオカンガッキ〈コードネームトランペット〉
へマッピチェンジする。
「チューニングオールクリア!ファントムフルスコア流・ネオカンガッキ四重奏亜種…」
「ネオトランペット吹きの休暇日!!」
ミドブレが指を滑らすようにネオカンガッキを吹く。
放たれたビームはトランペットといえばコレ!ともいえそうな曲を奏で白服を一掃。
残ったのは少年ただ1人のみだった。
震える少年に2人のトランペット吹きが歩み寄る。
慰めようと近づいた瞬間…。
(744文字)
〈続く〉