笑う君へ 第十話 「端緒」
~~~~~
意識を取り戻し、今後の方針が決まって初めての朝
田村真佑、賀喜遥香、遠藤さくらの3人が病室を訪れる
田:〇〇くん、元気~?
◯:後は時間が必要なぐらいかな
1ヶ月弱かかるらしいけど
遠:お大事にね
賀:これ、食べて元気出してね
◯:ありがとね
遠:自分で転んだにしては1ヶ月は長い気がするけど…
田:本当に転んだだけ??
賀:一人で教室に行くことある?
◯:ちょっと色々事情があってね
これもまたいつか話すよ
田:またそうやって内緒にする~
賀:結局、家も行ってないし
遠:そうじゃん!
◯:今は無理だよ
退院したらお見舞いのお礼に招待するよ
田:やったね!
遠:じゃあ、退院日はパーティーしよう
賀:大野くんの家で準備できないでしょ笑
田:じゃあ、どっかのお店にしよ
あ、でも、マネージャーさんに確認した方がいいか…
◯:そうだと思うよ、時期も時期だし
田:おっけー、じゃあ私から聞いておくよ
それにしても乃木坂に詳しそうな口ぶりだねえ
遠:推しメンいたりするの??
賀:えっ!?
◯:いやいや、特に何もないよ
強いていえば飛鳥さんだけど、アイドルとしてよりはモデルとしてだし
田:ふ~ん
遠:飛鳥さんかぁ…
賀:クールキャラが好きなのか…
◯:だから、モデルとしてだって
遠:まあ、そういうことにしてあげよう
私の飛鳥さんをとったら許さないけど
賀:ふふっ
あ、次の仕事あるじゃん!!
田:じゃあ、また、退院祝いは決まったら連絡するね!
遠:じゃーねー
バタバタ
○:(いや、連絡先知らんだろ笑)
~~~~~
その後
例のクラスメイトが部屋を訪れる
結果として、賠償金の支払いと過度な干渉を禁止することで落ち着きそうだ
〇〇の感情が冷めていて助かった
そう思いながら彼らは去っていった
~~~~~
世の中はゴールデンウィーク真っ只中
大学生は祝日の間でも登校しなくてはならない日がある
そしてその日は〇〇が久しぶりに学校に行く日
真実は知らなくとも、怪我については知られている
あの男子生徒達もちらちらとこちらを伺っている
田:お~来た来た
賀:久しぶり~
遠:ちょっと痩せた?笑
◯:おはよう
どうかな、変わってないと思うけど
教:お、大野、復活か、よかったよかった
おし、授業始めるぞ~
相変わらず、大学らしくない授業を適当に聞き流している〇〇に
隣の田村からノートが回ってくる
田「今日、わかってるよね?」
◯「うん
それと、事務所も行っていいかな?」
田「いいと思うけど…
何かあるの?」
◯「色々お世話になったからさ
あと、飛鳥さんとの予定すっぽかしたからその謝罪」
田「それは怒られないといいけど笑」
◯「いや、多分怒られる」
~~~~~
授業が終わり、車で事務所へいったん戻る一同
◯:すいません、自分ここら辺で一回おろしてください
マ:何かあるの?
◯:ちょっと手土産の準備を
賀:私たちのために?
◯:いや、違うけど…
いいよ、収録全メンバー来るなら買っておこうか
遠:いいんですか?
◯:むしろ、こっちからお願いしたいぐらい
今後会うこともあるだろうし、ご挨拶できるならしたいな
賀:秋元さんに聞いておきますね
多分いいと思うんですけど….
マ:私が今野さんに聞いておくから、メンバーに話しておいて
賀:了解です
◯:じゃあ、また後で
~~~~~
コンコン
飛:どうぞ~
◯:お久しぶりです、飛鳥さん
ここ1ヶ月、何もできずすみませんでした
飛:仕方がないんじゃない、今回は
この後はちゃんと手伝ってもらうよ~
◯:もちろんです
これ、お詫びのお菓子です
飛:お~、ありがと
さくらとかとは会ったの?
◯:ええ、大学も行きましたし
今日は夜、ご飯に連れていってくれるみたいですよ
飛:お~、この前みたいに後ろから刺されないようにね笑
全く同じで病院に逆戻りすることになるよ笑
◯:笑っていうことじゃないですよ
普通に死ぬ直前だったんですから
飛:さくらは元気そうだったって言ってたけど
襲われたのを隠すために頑張ったのか、えらいじゃん
◯:珍しく褒めてくれるじゃないですか
橋:寂しそうだったもんね~、飛鳥ちゃん笑
飛:おい、奈々未!
◯:かわいいとこ、あるじゃないですか笑
飛:おい、私の方が先輩だぞ
◯:今日、収録の前にメンバーの皆さんに挨拶させていただくんで
よろしくお願いしますね、先輩
飛:流すな~
~~~~~
ガヤガヤ
秋:みんな~、静かにして~
みんなが直接関わることは多くないと思うけど、
一応、紹介しておこうと思う人がいます~
マネージャーさん、お願いします
マ:は~い、じゃあ入って~
ガチャ
マ:こちら、遠藤、賀喜、田村の同級生で、モデルの大野〇〇さんです
◯:はじめまして、大野〇〇です
これから事務所などですれ違うこともあるかもしれません
よろしくお願いします
一同:よろしくお願いします!
◯:差し入れも準備させていただいたので、召し上がってください
秋:わざわざありがとうね
モデルさんなら撮影で会うこともあるかもね
飛:私、もうコラボしてるよ~
本名も名前も出してないから知らなきゃわからないけど
山:え~、飛鳥さん、お知り合いなんですかぁ~?
梅:大野さん、よろしくお願いします!
久:私も真佑たちと大学行きたかったなぁ
田:しおちゃんも来ていいよ笑
柴:じゃあ、ゆなも行きた~い!
清:でも、まゆたん、勉強ついていけてるの?
筒:かっきーいるから大丈夫でしょ
清:そっか!
田:ねぇ、馬鹿にしてる~??
マ:は~い、みんな彼のことよろしくね~
収録には遅れないように
◯:改めてよろしくお願いします
遠:こちらこそ!
休んでたけど授業はついていけてるの?
◯:普通の授業?
うん、問題ないけど、遠藤さんはわからないところあるの?
遠:うん….
同じ授業取ってたら教えてほしいな~って
かっきーもまゆたんもそれだけは取ってなかったんだよね
矢:ああ、大野さん、わたしのさくちゃん取っちゃダメですよ!
さくちゃーん、私が教えてあげるから!
◯:その授業、取ってるから聞きたくなったらどうぞ
遠:ありがt
矢:だめー
井:学園ラブコメ遠藤さん、かわいい…
菅:何言ってんの、なぎ
井:ザ・青春て感じじゃない、わからない授業を聞くなんて
菅:いや、それはわかるけど….
池:私も勉強教えてもらうおうかな~
中:テレパンは絵の勉強でしょ~
小:あやは高校の勉強~
一:あーやは私が教えてあげる~
五:大野さん、差し入れいただきますね
◯:五百城さん、だよね?
どうぞ召し上がれ~
冨:私もわかりますか~?
◯:冨里奈央さん、だよね
冨:おぉ~、正解です!
頭いいですねぇ
◯:ふふ、ありがと
田:もう後輩に馴染んでるなんてやるなぁ~
◯:いえいえ、皆さんお元気で
賀:珍しんじゃない、同年代の男性は
飛:私がきちんと〇〇の監視しとくから
山:飛鳥さんが仲良い男性なんて珍しいじゃないですか
梅:よほどちゃんとした人なんですね
遠:モデルとしも褒めてましたもんね~
秋:飛鳥が話してたチャコールさん?
◯:そうですね、その名前で仕事してます
樋:まあや、チャコールの意味は?笑
ま:茶漉し?
秋:ハハッ、流石まあや
飛:ほぼ日本語じゃん笑
久:みなさん、そろそろ収録行かないと
梅:そうだ、急ご
秋:〇〇くんも見学したら?
◯:じゃあ、ご一緒させていただきます
~~~~~
その後、収録を見守る傍ら、公式お兄ちゃんにも挨拶
スタッフ陣も最初は怪訝そうな顔をしていたものの、
撮影に協力し、徐々に打ち解けたところで一日の収録が終了
三人とマネージャー複数人に連れられて、退院祝いのご飯に連れていかれる〇〇
賀:ほら、主役が最後じゃよくないじゃん
◯:いや、お店に入るのは女性からでしょ
賀:ほらいーから
そういって手を伸ばす賀喜
その手に導かれ入店する
収録の話に大学の話、発売までに1ヶ月となった賀喜の写真集など
話題に事欠かない楽しい時間となった
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?