成人式に振袖を着られなかった着物好き

子供の頃は七五三に綺麗な着物を仕立ててもらって着ていたし、着物は大好きだった。

そんな自分が高校時代に仕立ててもらった振袖を成人式に着させてもらえないとは思わなんだ。

七五三の時は、自分も素敵な着物を着せてもらったが、私を連れた母も素晴らしい訪問着を着ていた。母自身が私の七五三にノリノリだったのだな。私の成人式は、母にとってはなんの旨みもなかったからなのであろう。

私の振袖は、振袖代を出してくれた伯母のために仕立てただけだったと、今まで何回も書いてきた。  


着物好きの貧乏人としては、安く買えた古着の着物を着たいものだが、残念ながら、私はやたら腕が長く、古着で裄が合う着物がない。仕立て直すにも、今は着物を着る人が少ないので、和服の手入れ全般を請け負える悉皆屋(しっかいや)がどんどんなくなってきてきるのである。

一枚だけ、自分で仕立ててもらった着物があったのであるが、その時も呉服屋さんが私の裄を測って「裄が出るかしら」と焦っていた。なんとかお仕立ての方に頑張ってもらって、裄を十分出してもらった。

私は晴れ着よりも、紬や江戸小紋などの、地味だけど手の込んだお洒落な普段着が好きなのである。しかし、お金をかけて新品を仕立てるのでなければ、自分には全然サイズが合わない。

古着をサイズ仕立て直しに出すにも、悉皆屋が全然なくなってしまったので、途方にくれている。




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