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207 心こそ守るべき

 一番強くて偉いのに、一番弱い。我々の心は、そういうものです。

 心は、人間のすべてをコントロールして命令を出しているのに、ほんのわずかなことで壊れてしまいます。ものすごく丁寧に気をつけて守ってあげないと、生きることは苦しくなるばかりで、いずれは生きていられなくなります。ですから、我々は体よりも心を守るべきなのです。

 体を守ることは、それほど大事ではありません。体というのは結構強いもので、暑さや寒さ、いろいろな攻撃に耐えられます。ただの物質ですからたとえ傷ついても、自然の法則でどうにかなります。ケガをしても、放っておけば治りますね。細菌なんかが入った場合は時間がかかりますが、やがて治ります。

 でも心は違います。そんなふうに簡単に、自然に治ってくれることはありません。ちょっとしたことで大変なダメージを受けて、粉々に壊れてしまうのです。

『一分で読むブッダの教え』第4章 命を理解し、老病死を恐れずに生きる《心と体》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【心は病気 役立つ初期仏教法話2 (サンガ新書2006年) p22】

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